よい温泉〜播州の穴場の湯

	平成１２年１０月１５日（日） 天候：曇りのち晴れ 同行：Ｋ．Ｓさん、Ｊ．Ｓさん
よい温泉遠景

　拝啓
　この間の「ひよし温泉」如何でした？良かったですか？えっ？未だ行っていない？そう
ですか。

　さて、今日は日頃インターネットでお世話になっている、とある山仲間の会のオフ会が
ありまして、奥播磨の一宮町方面へ久々に遠出をしておりました。

　そこでご一緒した、兵庫の山を歩き回っておられるＫ．Ｓさんから耳寄りな情報を聞い
たのです。山崎町付近のＲ２９沿いに３軒ほど温泉があって、その内の一つ「よい温泉」
には露天風呂があるのだそうです。山を降りた後、汗を流しに行かないかとのお誘いがあ
りまして、露天風呂好きにはもっけの幸いとＪ．Ｓさん共々ご一緒させてもらうことにし
ました。

　「よい温泉」→良い温泉と云う意味かなと考えますが、そういう意味も命名者の意図に
は含まれていたでしょうが、実は「与位」という地名からきています。道路地図には「与
位の洞門」という観光ポイントが書かれていますが、温泉はその近くにあるそうです。

　オフ会解散後、Ｒ２９を一宮町から山崎町へ車を走らせると看板が出ていて、それに従
って揖保川に懸かる井ヶ瀬橋を渡ったたもとの交差点を川沿いに西へ向かうと、揖保川の
右岸の岩崖をくり抜いてトンネルが２つあります。これが与位の洞門らしいです。菊池寛
の名作、「恩讐の彼方に」に出てくる洞門もこんな風なのでしょうか？ここも手堀したの
でしょうかねぇ。Ｋ．Ｓさんはその由来を一寸調べたのだそうですが、よく分からなかっ
たそうです。

　川から離れて左折し、大きな案内板に従って坂道を登っていくと、周囲は新しい別荘向
きの造成地の雰囲気で、新築中のログキャビンもありました。そこを曲がると瀟洒な建物
が現れました。林の中の駐車場に車を止めます。所々、灌木が生えていて「駐車時、立木
に注意」とあるのもご愛敬ですね。でもぶつけても面白くないので慎重に。

　『しそう　よい温泉』と彫られた大きな石があります。玄関を入ると、受付。入浴料は
７００円。聞くと内風呂と露天風呂が離れているそうです。為に館内を移動する時に使う
館内着を２００円で貸してもらえますが、今日は露天風呂だけでいいやと三人、衆議一決
でした。







よい温泉の露天風呂にて〜左は小生、右はJ.Sさんです

画像はK.Sさんにご提供頂きました



　建物を出ると赤い手すりの渡り廊下を通って露天風呂の建物へ。丁度タイミング良く、
先に入っておられた方が上がってこられ、湯船は貸し切り状態です。脱衣場のカゴに服を
脱ぎ捨てるのももどかしく、早速、飛び込みます。

　露天風呂は岩風呂で想像していたよりも大きく、快適です。真ん中に岩が島のように居
座っていました。湯は少し黄色みを帯びていて、やや土気のある独特の臭気もあり、如何
にも源泉といったふうです。それもそのはずパンフレットには、１０００ｍ掘削し、毎分
１４３リットルのお湯が噴出したそうで、露天風呂はその源泉を加熱したものなのだそう
です。そんな心地よい温度の湯に浸かって、Ｊ．Ｓさん、Ｋ．Ｓさんと温泉での失敗談な
どで盛り上がります。夕刻を迎えた空は雲が切れ、次第に青から藍色に変化していきます。

　３０分ほど入っていたでしょうか。そろそろ上がるかと云うことになリました。しかし、
こちらには洗い場がありません。シャワーが一個のみ。基本的にこの露天風呂は浸かるだ
けのものなのでしょうね。

　受付の斜め横が畳敷きの休憩室、内湯の向かいが喫茶コーナーで、麺類なども注文出来
るようです。自販機でビールや大山牛乳も売っていましたので、食堂の前のオープンデッ
キのテーブルで涼みます。Ｊ．Ｓさんが、最近訪れた加賀白山の写真を持参されていたの
で、拝見しながらまた山談義に花が咲きます。しかし時間が経つのは早いものですねぇ。
気がつけば６時前で辺りは虫の音も聞かれ、すっかり夜のとばり。暮れるのがいよいよ早
まってきました。駐車場で１１月の定例オフ「笠形山」での再開を約束して散会したので
した。

　本屋に良くある「日帰り温泉ガイド」には掲載されていませんが、意外に掘り出し物の
温泉でしたよ。こちらへ出かけられた際には、一度立ち寄られては如何ですか？それでは
またお便りします。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　敬具