梅雨の合間の低山山歩〜箕面天上ヶ岳

                          平成11年 7月 4日(日)                           天候:曇り時々晴れ                                同行:単独         
 西日本各地で前線による被害が伝えられる今年の梅雨。小生の茅屋付近でも一時は床下 浸水の可能性があった程である。                           3日の土曜もすっきりせぬ空模様。早々と山歩は諦めて、新聞のチラシに新大阪のセン イシティで朝顔市があるというので、昼から出掛けてみた。               朝顔を一鉢買い求めていると、丁度、金魚すくい選手権の出場者募集中。ついでにかみ さんと出場して久々に童心に返り、参加賞を頂いた。(かみさんは準決勝進出)      さて、翌日曜。早朝のにわか雨に機先を制された感じだ。おかげでますますテンション も上がらない。だが、このまま家にいるのも辛気くさい。そこで昼から、行き先未決の時 の定番、箕面山歩へ出掛けることにした。                       コンビニでお定まりのサンドイッチとお茶を仕入れて、今日は久しぶりに滝方面から登 る。滝上の駐車場が空いているかと思いきや、意外に満車で、やむを得ず政ノ茶屋の駐車 場へ向かうとこちらはちらほら空きがあり助かった。                  準備を整え道標に従って天上ヶ岳に向かう。しっとりと雨の湿り気を帯びた山道、とい っても自然研究路は整備され広い。しばらく杉林を歩く。小さな谷の源頭から山腹を巻い  て尾根に出る。ここからは短い急登はあるものの、概ね尾根を行くコースである。2号路、 3号路の分岐を過ぎれば、目っきり人影は減る。道も狭まり山道らしくなってくる。オカ トラノオの白い蕾が所々で目立つ。                           面白い説明板があった。動物の糞についてである。ウインナー形は狸、狐などの肉食獣、 たわら形は鹿、アンパン形は兎の糞だという。覚えておこう。                杉林、雑木林を交互に繰り返す内に漸く東側が開けてきて、まもなく天上ヶ岳への分岐 である。今日は府道との合流点まで取りあえず行くつもりだったので寄らずにそのまま直 進する。                                      天上ヶ岳の分岐からは少し降って、再び杉林へ入る。やや広い尾根の上の湿った道であ る。朽ちた丸太の階段を登るとやや広い台地に出た。ベンチとテーブルが置かれている。 地形図によると、この北側の553.2mのピークに三角点がある。その肩に高圧鉄塔が 通っているので府道側に関電巡視路があると予想され、それを辿るのが正解だろうが、も のは試しと踏み跡を捜してみるがやっぱり見つからない。杉で覆われて展望も無さそうな のですぐに諦め、もとの道を進むと、右に古いフェンスが現れた。赤い屋根のバンガロー 風の建物もある。通称チロリン村と呼ばれる辺りだ。更に道なりにトレースしていくと、 数分でぽっかりと府道に飛び出た。天上ヶ岳を示す道標が立っている。ここは車で何度も 通っているのに今まで気づかなんだなぁ。                       ここからは府道を進んで、ようらく台園地から戻る事もできるが、滝の下流部に出てし まい、駐車地まで時間が懸かるのでそのまま引き返すことにした。            杉林を抜け、伐採されて明るい雰囲気の天上ヶ岳分岐から天上ヶ岳へ廻る。       天上ヶ岳は丁度1年振り。ここは滝安寺の管理地で、文武天皇の御代の大宝年間に、役 の行者がここからみまかったという。それが天上ヶ岳の由来なのだろうか。それを知って か知らずか、花の散ったササユリが一つ。                       箕面山はその昔、修験の山だったとか。この天上ヶ岳も、いわゆる崖を現す語「クラ」 に似た地形で、南の天上ヶ谷の方へ張り出すような形だ。そこに勧請掛けのような〆縄が ぶら下がっている。その下から、今日は大阪市街と大阪湾に浮かぶ船まで眺められる。空 港滑走路横の豊中市・伊丹市共同焼却場からは盛んな煙。市街の真ん中に見える緑は服部 緑地だろう。ということは小生宅はあの辺?そんなん見えるわけないかぁ。(^^);     そんな眺めを楽しみながら、杖を突いて坐っている役の行者像の前で、失礼ながら、サ ンドイッチを頬張る。アッという間にペットボトルの茶がなくなってしまった。      一服したら、分岐まで戻る。その北側が台地状のCa520mピーク。自然歩道横には ベンチが置かれてあり、頂上付近が全部伐採されていてなかなかの展望。生駒山から飯盛 山、交野山の山並みの奥に、宇治田原方面の柔らかい山のうねり。手前には枚方から京都 にかけての市街が横たわっている。近くには最勝ヶ峰から北摂霊園に繋がるたおやかな峰 々。                                       「う〜ん。この景色はなかなかの掘り出し物じゃわい。」と一人ごちて頂上の北側の先端 まで行ってみる。思った以上に急傾斜に落ち込んだはるか下に、五月山へ向かう府道がう ねっている。高山からR423へ通ずる府道も遠くに垣間見えていい眺めだ。そんな中に 大きなアカマツが切り残してあるのが印象的である。                  ベンチに腰掛け再び一服。うらうらと涼風がそよいでくる。その間には一組の中年夫婦 が西へ向かって行ったきり。ここまで来ると静かなものである。             時刻はいつの間にやら3時を過ぎている。駐車場の門限は4時。少し急いで戻らないと いかんなぁ。当初の予定では研究路2号で百年橋方向へ行くつもりであったのだが、駐車 地へは少々遠回りとなる。時間がないので直接政ノ茶屋方面へ。代わりに自然研究路3号 出合で折れずに直進することにする。                         こちらの路は谷へ降りずに小さな尾根を辿っていく。左にカーブして階段を下りる。昆 虫網を持った家族連れを追い抜くと、まもなく水音が聞こえだし、階段を降っていけば増 水した箕面川の蛇行地点の橋にたどり着いた。向こう側が箕面ビジターセンターである。 そこからはガクアジサイの咲く谷川沿いを、バーベキュー広場から駐車場へと戻った。    梅雨の合間の昼下がり。北よりの爽やかな風にも恵まれた二時間ほどの初夏の箕面山歩。 こちらにもササユリの姿が見られたのが収穫でした。                
    【タイムチャート】      12:45     自宅発      13:15      政ノ茶屋園地(駐車地)(約265m)      13:27     自然研究路3号出合      13:32     自然研究路2号分岐      13:53     天上ヶ岳分岐      14:10     府道出合      14:27  天上ヶ岳分岐      14:30〜14:40  天上ヶ岳(520m)      14:45〜15:03 Ca520mピーク      15:20     自然研究路2号路分岐      15:25     自然研究路3号路出合      15:42     政ノ茶屋園地(駐車地)


    天上ヶ岳のデータ

      「奥箕面探勝〜最勝尾根から天上ケ岳」をご覧下さい

   【参考】  明治の森箕面国定公園ガイドマップ


  トップページに戻る
inserted by FC2 system