箕面ぶらり散歩Part5〜点名『堂屋敷』探索

                       平成12年 5月 3日(水)
                       天候: 晴れ
                       同行: 一番下のチビ、犬のチェリー

 ノンビリと犬の散歩や久留米ツツジの植替え、セッコクの手入れなどをしていたら、早 や昼前。青空も広がり出したので、昼食を済ませて定番箕面へ一番下のチビを連れて行く。  今日は散歩がてら箕面山域に有る無名の三角点峰、点名『堂屋敷』を踏むのが目的であ る。  箕面公園付近には、天上ヶ岳、最勝ヶ峰、鉢伏山等の山々があるが、何故か三角点が無 い山が多い。ところが、反対に三角点がある山には名前が無い。それが先月踏んだ点名『 萱野』と今回の『堂屋敷』。実は昨秋、天上ヶ岳付近を歩いていて、北にある『堂屋敷』 への踏み跡を探すも、見つからず諦めたのだが、今日は北側から。2.5万図『広野』の コピーを持って、最寄のEXPO記念の森の駐車場へ車を駐める。  好天に恵まれ、EXPO記念の森も沢山の家族連れで賑わっており、ミツバツツジや散 り遅れたヤマザクラを楽しんでいる。  車道に出てしばらく池田方面へ歩く。この時期は山々が一番華やかな時期だ。こんな車 の通る道端にも色々な花々が彩りを添える。目立つのがモミジイチゴの白い花。ムラサキ ケマンにミヤマキケマン。タチツボスミレの群生も目を引く。  車道が左にカーブした地点で関電の火の用心マーク。更に進んだ所の左に延びる巡視道 もパスして、地図を見ながら次の高圧鉄塔bR4への巡視道に当りをつけて取り付く。  1.5m幅の道はすぐに狭まり、急傾斜の植林帯の中へ吸い込まれて、板を鉄杭でとめ た階段道となる。50m程登れば、やがて植林帯から抜け出て明るい雑木林となり、高圧 鉄塔bR4の切開きに出た。振り返れば中々の景色が広がっている。天台山、妙見山がす ぐそこに見えており、高代寺山の奥に剣尾山、横尾山、高岳から大野山。西に大船山、千 丈寺山と北摂から能勢の山々が一望。鉢伏山を背景に、EXPO記念の森の木の展望台も 緑の中に望めた。  良く整備された関電巡視路が西に延びており、見ると意外にも二人の中年男性が立ち話 している。一人は三脚とカメラバッグ、もう一人は鍬を担いでおられる。カメラを持った 方は花の写真を撮りに来たとかで、今しがたもエイザンスミレを撮影していたと云う。足 元を見るとタチツボスミレに混じって、ばら撒いた様に白いエイザンスミレの花がある。 その横にはチゴユリ。こんなにも花があるとは思わなかった。今更ながらマクロレンズを 持ってこなかったのが悔やまれる。 「この辺に三角点があるんですがご存知ですか?」と尋ねると、 「その先に踏み跡がありますよ。」とカメラおじさん。   なるほど、踏み跡が南へ向かっている。鍬のおじさんも行くというのでご一緒するこ とにする。  犬のチェリーは身軽、先々と進んで行く。両側のササのブッシュの中にはヤマツツジの 赤い蕾。「おっ」大きなタラの木。そして、ミツバアケビの紫の花とアケビの白い花は、 同じアケビでも好対照。色んなものが目に入る。これだから雑木の林はいいのであります。  切り開きはすぐに余り枝打ちされていない植林帯に突き当たったが、踏み跡は左に向か っている。そして20mも進むと赤白ポールが目に入り、すぐに三角点が見つかった。  流石にプレートもテープも無い三角点である。標石も藪に半ば埋もれている感じ。ほと んど人は訪れないようだ。それもそのはず眺望はまるでなく、南側が植林、北側が雑木と いう、ピークという感じもしないのっぺりとした台地状の山頂であった。  国土地理院の点の記に拠れば、所在地は箕面市下止々呂美。谷口勝之助氏が明治36年に 埋標したものとある。平成7年に再測したとあるが、その際に利用した踏み跡はヤブに帰 っている。鍬のおじさんは 「長年、畑仕事しとるが、こらー、知らんかったなぁ」とのたまわっていた。  アケビの花などを撮影しながら巡視道へ戻る。鍬おじさんと別れて鉄塔下の切開き。ス ミレの花に囲まれながらチビはジャガリコとジュース、当方はサンドイッチで一休み。こ のひとときが良い。何も金をかけるだけが能ではない。この季節の晴天の下、自然の花や 木々に囲まれながら過ごす、これに過ぎたるものは無いのではないかと思えてくる。  さて、一息入れた後は、もと来た道を引き返す。その前に鉄塔の切り開きの南に薄い踏 み跡があったので、試しに突っ切ってみると、すぐに三角点の東10mの地点に出ること ができた。  車道をチビを肩車してゆるりとぶらつく。新緑の濃淡を見せる山々が盛り上がる感じで 綺麗だ。だが、木々の間から垣間見える例の第二名神の工事現場の赤茶けた地肌は痛々し い。これ以上、地形を変えてもらいたくないなぁ。  戻ってきたEXPO記念の森の駐車場。当方は園内をもう少し歩いてみたかったのだが、 公園に行きたいというチビのたっての希望は遮り難い。山を下り、外院の帝釈寺近くの皿 池公園で遊ばせ帰宅する。  鯉のぼりが泳ぐ爽やかな五月晴れのもと、箕面の無名峰探索のひとときでした。 

   【タイムチャート】
   12:30頃自宅発
   13:20頃EXPO記念の森駐車場
   13:50頃点名『堂屋敷』山頂(553.2m 三等三角点)
   14:00〜14:20頃関電高圧鉄塔bR4
   14:40頃EXPO記念の森駐車場
  ※註)  チビ同伴で、出会ったおじさん達と立ち話なぞをしていた為、凡その目安です。

    
  点名『堂屋敷』のデータ
    【所在地】大阪府箕面市
    【標高】553.2m(三等三角点)
    【備考】 EXPO記念の森の南西にある無名峰です。三角点はヤ
ブの中ですが、関電の高圧線「山下線」の巡視道が利用出
来ます。南側は植林、北はブッシュの為、残念ながら眺
望は望めませんが、高圧鉄塔の切り開きからは、妙見山、
剣尾山、大野山、高岳、大船山、千丈寺山等、北摂の主
な山が一望です。

箕面ぶらり散歩Part4〜点名『萱野』を踏むを読む
    【参考】2万5千図『広根』、国土地理院 点の記『堂屋敷』



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