鉢伏山(北摂)〜奥箕面は雪化粧

平成12年 1月22日(日)
天候: 曇り
同行: 単独
葉の落ちたヤマツツジに時ならぬ雪の花


この冬一番の寒波は抜けたが、良く冷える。これが普段の冬の寒さなのだろうが、今ま
でが暖かすぎた反動で体にはこたえる。だからというわけでもないが、朝はぐずぐず。だ
が明日は雨の予報。それならと昼からブラッと箕面へ出かけてみる。

 箕面ダムの横を通って、清水谷園地を過ぎた所に箕面自然休養林の標識がある。ここが
自然研究路6号線の始点。今日はここに車を止める。

 車を降りてみると予想外の雪景色である。箕面川に架かる小さな橋の上は5p程の積雪。
面白そうだがひっくり返っては大事、スリップに注意せずばなるまい。     (^_^)

 橋を渡って、しばらく箕面川の右岸に沿っていた道は、右の四反田谷に沿って山腹を巻
くように左にカーブし、緩やかに登って行く。所々に設置されている説明板の上の雪を払
って読みながら進む。

 『シキミ』。毒のある実を「悪しき実」と呼び、「あ」の音をなくしたのが名前となっ
た事、サルナシ等食べられる実の説明を読んでいる内に、お椀形の構造物が現れた。炭焼
窯跡。人が2,3人すっぽりと入れる広さがあるが、昔はここからも池田炭として珍重さ
れた炭を出荷していたのだろうか。

 時折通る府道の車の騒音も次第に遠くなり、聞こえるのは雪が落ちて枯葉を叩く音と、
サクッサクッと靴が雪を踏みしめる音だけの静かな世界である。右側の四反田谷が深い。

 その四反田谷も次第に浅くなって、道と並行した所で細流を横切って左岸に移る。潅木
の下草にササが多くなってきた。更に登って行くと沢は左に折れる。その角に『ヤマナシ
』の説明板。だが、どれがヤマナシかは葉が落ちた今、皆目不明。

 ササが益々増えてきて、両側の山腹が迫ってくると、いよいよ道はジグザグに最後の登
りを重ねる。登りきった所は小さな鞍部で、EXPO記念の森から鉢伏山への道との出合
となっている。ここから東に延びる尾根(四反田谷の南の尾根)があって、桧に赤布が巻
いてあり、石標が埋まっている。踏み跡もあるのでしばらく辿ってみる。

 先程の雑木林とは違ってこちらは植林帯の中の道、行く手には先程の石標が所々にある。
27、26と漢字で番号がふられていて、いずれ何かの境を示すものであろう。やがてや
や南に振った尾根は高度を下げて行くが、今日はここまで。

 出合へ戻って右へ、鉢伏山へ向かう。夏は繁みとなるササの踏み跡も今は明瞭。イヌツ
ゲの大木やヤマツツジ、リョウブなどの明るい稜線沿いの道で、EXPO記念の森の展望
台が意外な近さで垣間見える。やがて、丈余のササが両側に現れるが、夏に比べれば遥か
 に歩き良い。そしてすぐに関電巡視路との十字路に出会う。雪に先人の靴跡は有るもの
の、誰も居ない巡視路。敬意を表してとりあえず山頂へ向かう。

 ここも以前より踏み跡が明瞭。ヤブを漕いで辿りついた山頂の標高点も今は簡単に行き
つける。しかし相変わらず展望は無い。ポツンとある独標と、登頂記念のプレートがなけ
れば何の変哲もない山頂である。

 巡視路に戻って近辺をぶらついてみる。前回訪れた際に食事した東の鉄塔からは、箕面
川の谷を隔てて、石堂ヶ岡、北摂霊園から最勝尾根に続く山並みが近い。石堂ヶ岡は大阪
では数少ない一等三角点の山なのだが、ゴルフ場に変貌し、立ち入り禁止なのだとか。残
念。

 再び十字路。今度は北へのトレースを辿ってみる。踏み跡が雪で白い帯となっていて、
くねりながら北へと続いている。雑木の林の中の気分のいい道だ。途中、防災無線の中継
所や西北が開けた場所、夏にはヤブになりそうな部分などがあって、その内につづら折れ
となって梅ヶ谷方面へ急降下する。そのまま進むと明ヶ田尾山方面へ出るはずだが、降り
ると戻るのがしんどいので、この辺で引き返す。

 腹の虫が鳴る。十字路から西方面を見渡せる高圧鉄塔の下へ行き、持参のサンドイッチ
を頬張ることにした。

 やや天候が回復してきたのか、雲の陰から薄いベールを被った太陽が斜めに現れた。そ
れを受けて北摂の馴染みの山々が浮かんでいる。六甲は巨大な島のよう。その左には逆光
を受けた神戸の海が光っている。右に頭を振ると、中山、大峰山、千丈寺山、大船山、高
代寺山などがそのシルエットを披露してくれていた。 
西の鉄塔からときわ台方面。奥中央は千丈寺山

 1時間近くぶらついていたようで、時計を見るともう3時。気温は1℃。そろそろ引き
返すか。EXPO記念の森へ立ち寄ることにする。

 行楽期には歓声が聞こえる芝生の広場も流石に今日は誰も居ず、一面の白い絨毯に先行
者の足跡だけが残っている。それでも展望台では先着の家族連れが雪を楽しんでおり、そ
の横にお邪魔して、ここでも展望を楽しむ。ここからは雪を被った剣尾山の意外な険しさ、
薄墨色の大野山、高岳も深山幽谷の趣がありました。

 展望台を降りて、管理事務所横から自然研究路7号で長谷橋に降る。途中、ここでも新
しい砂防堰堤の工事で重機が入っていたが、小生にはあまり必然性の無い工事のように思
われて仕方が無かった。

 長谷橋からは箕面林道で箕面ダム沿いに歩いてみる。ここもいつもはバス釣りで賑わう
のだが、今日は誰もいない。魚達にとっても久方ぶりの静かな休日に違いない。

 駐車地へ戻ってくると、新しい砂防堤の前に、関電の例の「火の用心」の巡視路標識が
あるのを見つける。砂防堤の右から登っていくトレースだが、帰宅して地形図を見ると、
EXPO記念の森から鉢伏山への道との出合で辿った踏み跡と繋がっているようだ。また
一度歩いてみても良いかもしれない道が見つかった。

 というわけで、思わぬ雪景色に恵まれた奥箕面散策の午後でした。


   【タイムチャート】
   12:30自宅発
   13:15自然研究路6号線入口(駐車地)(約340m)
   13:27炭焼窯跡
   13:49〜14:00鉢伏山登山道合流点
   14:06関電巡視路出合
   14:10〜14:15鉢伏山山頂(604m)
   14:15〜15:00鉢伏山の周辺うろうろ
   15:12鉢伏山登山道合流点
   15:20〜15:25EXPO記念の森展望台
   15:30自然研究路7号線
   15:49長谷橋
   16:05自然研究路6号線入口(駐車地)



   鉢伏山のデータ

雑木の中の山歩き北摂鉢伏山』をご覧下さい。
    【参考】エアリアマップ 山と高原地図『北摂の山々』



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