雑木の中の山歩き北摂鉢伏山
北摂霊園から望む鉢伏山

                            平成10年10月25日(日)                             天候: 晴れ時々曇り                                 同行: 単独        
   折角朝早く起きたのに行き先が決まらない。時間だけが過ぎていく。いらいらがつのる。   遅く出れば、何処も渋滞するしなぁ。こういう時に近くに山があると有り難い。そうです。  箕面の山があ〜るじゃあ〜りませんか。(^0^)/                     そうと決まれば、ゆっくり新聞でも読みながらのコーヒーブレーク。何せ、政の茶屋の  駐車場は10時開門である。今8時半、家から40分も見れば充分だし..。        10時前にその政の茶屋へ到着。もう鎖の車止めは解除されていて、駐車場は早くも八  分の入り。山行きの準備をしている内にアッという間に満杯になってしまった。       さて、今日は、政の茶屋を起点に箕面ダムからEXPO記念の森、鉢伏山に登った後、  適当に廻って戻ってくるかというアバウトな予定。まず勝手知ったる自然研究路3号を行  く。                                         小さな谷を詰め上がるように杉の植林帯に入ればすぐに箕面ダムへの分岐。2・3分で  ロックフィルダムの箕面ダムの西肩に出る。緑の湖面にはバス釣りのゴムボートがゆるゆ  るとさざ波を立てている。                               ダムからしばらくの車道歩きの後、小さな橋を渡って自然研究路7号の取り付き。8月  には下草が生えて歩き難そうだったが、今日はどうかと見てみると綺麗に払われている。  流石は国定公園と感心する。                              長谷という小さな谷沿いに道は徐々に高度を上げていく。ヨメナなどキク科の植物が咲  いている中、二度程沢を横切ると、ケヤキの木があってその空洞にミツバチが巣を作って  いるとの説明板が立つ。が、それらしい羽音は聞こえなかった。              水道施設らしき建造物横から道は檜の植林帯に潜り込み、丸太の階段を進むとすぐにE  XPO記念の森の管理事務所の前に。                          ベンチで一休みとする。ここはヤマケイの「大阪府の山」で知って以来、何回となく訪  れている所。穴場だったのだが、この頃は知れ渡ってきたのか駐車場が満杯になることも  ある。でも今日はまだほとんど人もいない。                       恒例、木の展望台に寄っていく。                           相変わらずの展望。六甲から大船山、大野山、剣尾山、高代寺山、妙見山、そしてこれ  から向かう鉢伏山のおおらかな山容が見渡せる。でもこの展望もあと2・3年かな。檜が   だいぶ成長してきている。                              展望台から北へ、芝生広場のトイレ横からいよいよ山道。手製の案内板がある。いいで  すねえ、素朴で。(左の踏み跡は記念の森正門横から車道へ出ます(旧登山道))      清水谷園地へ出る研究路を分けて左のササで覆われた道を行く。踏み跡はしっかりして  いるが、しかし良く繁ったササのブッシュ。ヘビがいやなのでトレッキングポールでササ  を切り、大きな音を立てつつ進む。右に折れ、振り返れば先程の木の展望台が植林帯の中  に小さく飛び出している。周囲はリョウブ、ヤマツツジ、アカマツなど、北摂の典型的な  植生。箕面では数少ない雑木の中の静かな山行である。                  再び、クマザサが現れる。今度は背丈ほどもある高さ。ポールを打ち振るいながらの薮  漕ぎを暫時、パッと目の前が広がって関電巡視路に飛び出した。           
山頂付近の関電巡視路と笹原
  目の前に豊能自然歩道の道標。それに従ってササが払われた道を東に向かう。東の高圧  鉄塔下で道が折れる。そこに座っている老人一人。ヤマノイモを掘りにきたという。丁度  いい、三角点か何かないか聞いてみる。が、結局分からずじまい。目の前に見える高みに  登ってみるが不得要領。ええい、メシを喰ってから捜してみようというわけで、鉄塔下で  少し早いが食事とする。                                これも恒例のカップ麺と三色むすび、食後のコーヒー。コーヒーの湯を沸かしたところ  で丁度ガスがなくなった。グッドタイミング。                      風もないぽかぽか陽気の中、食後のコーヒーを飲みながら東に開けた景色を愛でる。    箕面川の上流の谷をはさんで北摂霊園が指呼の感。その中を阪急バスが走っている。右  の奥に覗くは生駒山らしい。背後には大和高原が霞んでいる。その間に、鉄塔に止まろう  としたカラスが人に驚いて又舞い上がる。スズメバチが2回、警戒のパトロールに羽音を  残して飛び去った。                                  食後の片付けをしていると、2人組の高年ハイカーがやってきた。早速、三角点のこと  を聞いてみると、教えてくれました。道標から西すぐ右でササを分けるのだと。分かりづ  らくておまけに木の根があるから気をつけてと懇切丁寧。お礼を言って直ちにそちらへ向  かったのは勿論である。                                教えられた通り、道標を過ぎて注意深くチェックしていくと、左側に大きなイヌツゲの  ある所の右側、ササの被さる中に踏み跡らしきものがある。辿っていくとほんに灌木の切   り株みたいなのがある。案の定つまづいた。20mほどの薮漕ぎ、雑木林に入るとあった、  山名板が2つぶら下がり、その下に石柱。でも三角点ではなく標高点。山名板がなきゃ、  こりゃ見逃すわなぁ。                              
雑木に囲まれ展望のない鉢伏山山頂
肝腎の展望は望めない。石柱を撫で、記念写真を撮って元来た道へ引き返し、西の鉄塔  を検分する。今度は西側の眺望が開け、遠く六甲の左には海も光る。なかなかのものだ。   高圧線に沿って踏み跡があるので少し歩いてみた。地図では止々呂美方面へ下れるよう  で、こっちに行っても面白そうだが、如何せん車での山行である。(筆者註 豊能自然歩  道として整備が計画されているようです)                         そうこうしている内にいつの間にやら時間が経過、気がつけば1時近く。下山にかかる。   山腹を巻くように付けられた斜面沿いの踏み跡だが、狭い部分もあり踏みはずしには一  寸注意が要りそうだ。                                 灌木帯を縫うような踏み跡は、右に折れた途端、ジグザグに一気に高度を下げていく。  かなりの急斜面、登る時はしんどそう。                         沢音が聞こえ出す。梅が谷の様だ。そして踏み跡は檜の植林帯に吸い込まれていく。明  かった周囲が見る間に暗くなる。どうも植林帯は苦手である。暗いし、踏み跡も不明瞭に  なるし、どっちを見ても景色は一緒で迷いやすいし...。と考えながらとにかく下へ、  水枯れの谷へ着いたと思ったら、道標がひっそり。茨木能勢線へ0.8km。明が田尾山   への案内はないが、そのまま谷を北へ遡行すれば良いようだ。しかし今日は谷を南へ下る。   ごつごつした枯れ沢にいつの間にか水音が。かなりの水量がいつの間に?何処に伏流し  ていたのか不思議。                                  周囲は杉檜の植林帯、ほぼ平坦な踏み跡をどんどん下り、何度か沢を横切っていると、  さっきの2人組の高年ハイカーにばったり。                      「明が田尾山へ行かれたのでは?」と当方。                      「いや、途中で分からなくなって...。」と2人組。                  明が田尾山から高山へ向かいたいと云われていたが、明が田尾山への標識がなかったせ  いか、どうも道標を見過ごされたらしい。現在地を教え、府道へ出てから高山へ向かった  方が良いかも、と先程のお返しをする。                         2人組と別れ、更に下ると水音が大きくなり、前方が明るくなってきた。府道との出合  である。                                       橋を渡り、R423のエスケープルートで小生もよく使う府道を、キャンデー舐めつつ  テクテクと南へ。途中、キツリフネがあるとのことで清水谷へ寄り道する。         清水谷園地から未舗装の林道を暫く進むと、地元の方が何か作業されている。聞くと即  席の炭焼き窯で間伐材を利用しての炭作りだというが、                 「失敗。消し炭になってしもうた」と笑っておられました。                その後、谷沿いを捜すが結局、目当てのキツリフネも見つからずじまいでした。      暑いくらいの陽気のもと、ダムから下った政の茶屋は大賑わい。水を補給し、混雑せぬ  間に帰宅の途につくことにする。                           「おーい。駐車場が1台空きましたよ。」                     
    【タイムチャート】       9:25     自宅発       9:50     政の茶屋(駐車地)      10:02     出発      10:06     箕面ダム分岐      10:16     自然研究路7号取り付き      10:40〜10:45  EXPO記念の森管理事務所      11:00     自然研究路6号分岐      11:15     関電巡視路出合い      11:30〜12:10  昼食      12:15     鉢伏山山頂(604m)      12:40     下山      12:56     梅が谷分岐      13:10     府道茨木能勢線出合い      14:10     政の茶屋



   鉢伏山のデータ

    【所在地】 大阪府箕面市
    【標高】  604m(標高点)
    【備考】  奥箕面最勝尾根の北、明が田尾山の南に位置し、南麓に
             EXPO90箕面記念の森が整備されています。
          人気のある箕面の山域の中では最も奥に位置している関
          係か訪れるハイカーも少なく、明が田尾山と組み合わせ
          て静かな山歩きが楽しめます。また比較的雑木が多く、
          若葉の頃、紅葉の頃がお勧めですが、笹が茂る夏は歩き
          難い所も一部あると思われます。
          尚、記念の森にある木の展望台は六甲、能勢、丹波の山
          々が見渡せ、なかなかの景観です。
          交通は、千里中央から阪急バスで勝尾寺、若しくは北摂
          霊園下車が比較的便利です。
               
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