検見山、大峰山日溜り山歩
 
平成16年12月11日(土)
【天候】晴れ
【同行】単独
大峰山登山道途中の高圧鉄塔から検見山


 師走とは思えない陽気が続く。今日も無風の小春日和。その暖かさにフッと誘われ、先
週とりこぼした検見山から大峰山へ日溜まりハイク。

 先週と同じく長尾山トンネルを抜けて榎峠から十万辻を左折する。大宝塚ゴルフクラブ
への取り付け道路に入ると、左へ武田尾に抜ける車道がある。この道は大峰山の登山口へ
のアプローチ。山へ行きだしてそれほど経たない平成9年に歩いたことがあるから7年ぶ
りだ。大峰山の登山口を少し行き過ぎた辺りの峠に車を置く。

 片方はゴルフ場のフェンス。峠付近でそのフェンスが途切れると、その境目に沿って踏
み跡がある。そこに「罠に繋ったイノシシを横取りするような場合は110番」云々と書
かれた板がぶら下がっているのに気づく。
(えっ?イノシシの罠があるのぉ?やばいなぁ)
罠は登山靴より小さいので大丈夫と聞いたことはあるが、気持ちいいものではない。でも
取付きはここではなさそうで、もう少し車道を辿ってみる。すると右手の痩せた桧の植林
の中に明快な踏み跡。テープが巻かれていて「検見山」とマジックで記されている。

検見山の取り付き。テープあり

 初めは緩やかに等高線に沿う感じで登っていく。薄暗い植林は直ぐに途切れ、右に曲が
ると急な丸太階段が現れた。よく滑る。階段の一段一段が斜めで、しかも落ち葉が積もっ
ているのだ。ズルズル。オッと。

 下部から見れば、階段の尽きる所は伐採されてでもいるのか木々がなく青い空。おおっ、
あそこまで頑張れば・・・というほどでもないが、行き着いてみると、なんと向こう側は
ゴルフ場のフェアウェイなのだった。

 宝塚市の基準点bQ6が埋設されている幅1m位の痩せ尾根。見晴らしが頗る良い。左
手は大きく大峰山。右手に先週歩いた鳥脇山。アンテナ施設が見える。前方には意外にか
っこ良く検見山が雑木と赤松に包まれた姿を見せる。しかし、あまり景色に気をとられて
はいけない。遠くから人の声、その後、乾いた金属音が響いてきた。やばいやばい、へっ
ぽこゴルファーがOBでも打とうもんなら....。(笑) 観望は早々に切り上げて、木
立に隠れることにした。

ゴルフ場境界の尾根からたおやかな検見山

 まもなくY字路。どちらにもテープ。三角点はどうも左の道らしく思われたので、左へ
50mも進むと、左へカーブして降りていく。そこで引き返して最も高い辺りを覗うと、
茂みの中に赤白ポールが見つかった。ところが肝腎の三角点がない。「遊歩会」と書かれ
た小さなプレートもあるので間違いはなさそうなのだけれど...。「点の記」で処分保
留ということになっていたから、撤去でもされたのだろうか。腑に落ちぬままY字路に戻
って、今度は右の道を進む。

 検見山の山腹を巻いていく道は殆ど水平。落ち葉が分厚く敷き詰められたいい道である。
やがて基準点のあるやせ尾根から見えていた高圧鉄塔の台地に出る。新神戸線bTとある。
ここは雑木が伐採されて北側の見通しがよい。

 鉄塔の台地から、道はV字に折れるように高みに向かう。今までの遊歩道然とした道か
ら一転、松の倒木や枯れ木が散乱する荒れた感じになる。至る所に猪の掘り返し痕。周囲
は殆ど平坦で歩いていても何処が最高点だか判然としないけれども、道の東側が幾分高い
ようだ。GPSで確認すると、標高点は道が北へ緩くカーブする辺りの東側を示している
が、取付きを示すものが見当たらない。仕方がないのでこれはと思う所から踏み込む。時
折、古いテープが目に付くもののはっきりしない。そこで少し位置をずらし、南に進む内
に小さな岩が散乱する場所に出る。更に少し進むと細い立ち木に私製プレート。ここが検
見山最高点らしい。漸く探し当てた感じだが、こんな三角点も展望もない場所にも訪れる
物好きは結構いるらしく、プレートは5、6枚ある。野鳥が啼き交わすだけで静かだ。で
も静か過ぎて何か出て来そう。(^^; 暫く休憩して引き返すことにする。

検見山山頂。雑木の中で眺望は皆無

 今度は目に付いた白いテープを追っていく。すると巡視道との出合いにはちゃんと目印
のテープが。そこは踏み込んだ地点から数m北である。もう少し先まで探せばよかったの
だが...。まあ、下草がないので、何処から入っても大差ない感じではある。(^^;

 さて、再び高圧鉄塔の台地へ。西の尾根沿いに何となく踏み跡がありそうな感じがした
が、帰宅してネットを検索すると、やはり西へも踏み跡があるらしい。いつか辿ってみた
い。

 検見山の四等三角点が気になるので、再度寄ってみる。Y字路を折れて凡そ10m。右
側。赤白ポールが転がる前後を靴でならしていると、土の下から頭に十字の刻みのある石
が顔を出した。三角点は健在。何のことはない。猪が穿り返した土に隠れていたのだった。

猪の掘り返しの土で隠れていた三角点

 やせ尾根を戻ってさっきの急な階段。ここが今回の一番の難所。本当に良く滑る。注意
しながら下って桧林に入れば、右手下に舗装路がちらちら見え出して登山口はすぐである。

 車道を少し戻って今度は大峰山。その登山口の手前に南西に向かう地道がある。木にテ
ープが巻かれてあって「bV」だか書かれてあるのは鉄塔b表してでもいるらしいがよ
く分からない。

 大峰山の登山口には立派な私製道標がある。勢いのない笹が生える道を暫く行けば、県
道からの道と合流して、やがて植林の下の薄暗い巻道となる。まもなく植林帯を抜けると、
明るい雑木林。左手は浅い小広い谷の源頭となる。朽ちた作業小屋がある。カサコソと落
ち葉が落ちる音が心地よい。

 二差路の峠。大峰山へは右の赤松が群生する山道。松葉が敷き詰められた急登である。
5分も登れば傾斜も落ち着いて、リョウブ、アセビ、ヒサカキ、コナラ等のプロムナード
だ。それにしても倒木が多い。大きなコナラ、松が根こそぎ倒れている。これも台風23
号の影響だろうか。小生の住まいする豊中近辺では大した事もなかったのに、局地的には
かなり激しい風雨だったらしい。

 やがてウァンウァン唸る音が聞こえ出すと、右に高圧鉄塔の広場。大峰山ではここが一
番の展望地なので、食事はここで摂ることにする。おりしも先着の小父さんがカップ麺を
啜っている真っ最中。本日最初のハイカー。挨拶して対角に座りこむ。湯が沸く間、展望
を楽しむ。やや霞んではいるけれど、北に大きく検見山。猫が獲物を狙ってうずくまって
いるように見えるのが古宝山。ピラミダルな大船山、ずんぐりとした羽束山。遠くかすん
で大野山から高岳、深山、剣尾山。川西の住宅地を挟んで妙見山。南は六甲山系に甲山。
その向こうには大阪湾が光る。そして登山道を横切って南北に関電巡視路が付けられてい
る。北へ降りる巡視路は前述のbVのテープのあった地道に通ずるのであろう。

途中の高圧鉄塔から北方向
左に羽束山、右に古宝山

 高圧鉄塔の広場からは幾度かのアップダウンを繰り返して大峰山の山頂に至る。途中、
安倉山からの道らしい踏み跡が合流する。木々はもう殆ど葉を落とし、北側が透けて見え
る。三角点には誰もおらず静かなものであったが、暫くするとグループが2組到着し、急
に賑やかになる。2組とも中山からの縦走組。武田尾へ下るとのことで小憩後は西へ。残
った小生は、暫くうろうろした後、東へ戻る。

 登山口に置いた車でザックを下ろしていると、1台の4WDピックアップが通り過ぎて
いく。幌付きの荷台。
「ん?イノシシ?」
自分がイノシシにならなくて良かった。(笑) 春かと思わせる陽気に包まれた北摂のんび
り山歩でした。


【タイムチャート】
10:00自宅発
10:50〜10:55武田尾への車道脇の路肩(駐車地)
11:00検見山登山口
11:05Y字路
11:02〜11:03検見山(424.1m 四等三角点)
11:05Y字路
11:16高圧鉄塔(新神戸線bT)
11:25検見山(475m)
11:35〜11:40Y字路
11:48検見山登山口
11:52大峰山登山口
12:00
12:08〜13:05高圧鉄塔(新神戸線bV)の台地
13:17〜13:26大峰山(552.3m 三等三角点)
13:42〜13:45高圧鉄塔(新神戸線bV)の台地
13:50〜13:55
14:05大峰山登山口


検見山のデータ
【所在地】兵庫県宝塚市
【標高】475m(四等三角点『検見山』424.1m)
【備考】 北摂大峰山の北に位置するマイナーな山です。山頂は松
を主体とする雑木に囲まれ展望は皆無ですが、東側の高
圧鉄塔から、またゴルフ場境界付近の基準点(bQ6)
のある細尾根付近からは展望が楽しめます。
大峰山のデータ
お手軽ピークハント〜北摂大峰山』を参照下さい
【参考】
2.5万図『武田尾』



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