平成9年11月16日(日)
天候:晴れたり曇ったり
同行:単独
どうも最近、手軽な山行が多い。今日も遅い出発で、手軽にピークハントが出来そうな大峰山に向
かう。
大峰山といっても、日本百名山に数えられるあの大峰山とはその知名度、標高、全てにおいて比べ
ものにはならぬ低山だが、一人前に三角点を持つ、北摂では人気のある山である。
R176から生瀬橋手前を右折、武田尾方面へ県道を進む。ラビスタ宝塚を右に、更にくねった路
を行くとトンネル手前に十万辻のバス停。路肩に車を止めさせてもらう。
電話ボックス横に兵庫登山会の案内板がある。それに従い、大宝塚ゴルフ場への立派な舗装路を進
み、正門前を左へ折れて尚も車道を行くにつれ、六甲方面が開けていく。正面には目指す大峰山と検
見山のこんもりした姿も広がる。モミジ系統は少ないようだが、落葉樹の鮮やかな黄色が山々をだん
だんに染めて美しい。
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十万辻付近からの大峰山 |
右側はゴルフ場のフェアウェイ。右に緩くカーブした所にまたまた兵庫登山会の標識、左、大峰山
とある。
雑木の下、クマザサをかき分けながら進んで行く。やがて道幅が広がると、落ち葉の絨毯を敷き詰
めたような快適な路。金曜日の雨のせいかやや湿っている。山腹を巻きながら杉の植林帯を過ぎると、
また雑木の明るい山路となる。風もなく、木漏れ陽が快い。
再び、前方に兵庫登山会の手書きの標識がぶら下がっている。分岐。大峰山へは右の急登を進むよ
うだ。
急登といっても、ほんの5分程度。尾根に出て小さなコブを越えたところで再び登り返すと、登山
道の右に高圧鉄塔が現れた。人声がするのでそちらへ向かってみることにする。すると鉄塔下に2組
の先着の方が休憩中であった。
パァーッと北側と南側に眺望が広がる。
「良い景色やなぁ。」と独りごちると、
「山の名前が分からんのでねぇ」と横から初老の夫婦の方。
「左のこんもりした山が羽束山、向こうの尖った山は大舟山と思いますよ。」と返す。
「今度行きたいと思ってるんだけど、弥十郎ヶ岳はどれですか?」とおっしゃるので、
「ここからは山の影でちょっと見えないんじゃないですか。」と再び返す。
枚方から来られたとかで京都北山、比良が守備範囲だとか。こちらよりよっぽどベテランと見た。ミ
ニ大福を二つご馳走になる。恐縮。
再び路に戻る。リョウブ、アカマツ、アセビなどの雑木の中の緩やかな起伏の尾根路。岩ゴロを過
ぎると、間もなく大峰山頂へ3分の案内板、そしてすぐに山頂。
林の中に三等三角点が埋まる。展望も木の間越しに南方向が垣間見えるのみなのだが、以外に沢山
の山名板がぶら下がっている。一見、地味なのに結構人気スポットの様だ。さっきも、福知山線の線
路跡へ向かう団体が降りて行ったところである。
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大峰山の山頂風景、石の間に三等三角点 |
急にがらんとした山頂で一服して、ウロウロしながらいつものように三角点を撫でたところで下山
にかかることにする。
亦楽山荘側へ降りたいのだが、駐車地へ戻らなければならない。さっきの鉄塔下でもう一度眺望も
楽しみたい。というわけでもと来た路を引き返す。こういう時は勝手だが車が邪魔ですね。(^_^;
帰りはキョロキョロの観察モードに切り替えると、行きには気がつかなかった
ツルリンドウの鮮や
かな赤い実がそこかしこに。ムラサキシキブの様な紫の実も...。リョウブは早くもほとんど葉を
落としている。柔らかな木漏れ陽の中、再び高圧鉄塔下の戻って缶コーヒーで休憩。双眼鏡を用意し
て眺望を楽しむことにする。今度は誰もいない。
北に顔を向けると正面に黄色い衣の検見山。遠くに馴染みの山々、深山のレーダードームも見える。
右には妙見山が以外な近さで顔を見せている。
南は六甲最高峰から甲山、遠くに神戸港から瀬戸内海が霞み、大小の船が浮かんでいる。低い割に
はなかなかの眺望ではないか。
その時突然、「ピューッ」という高い声が一声空気を震わせた。鹿だろうか。以前、武庫川渓谷を
親子連れの鹿が歩くのを電車から目撃したと聞いたことがある。そう云えばどこか、大台ヶ原で聞い
た鹿の声と似ていた様に思える。しかとは分からない。(^_^! でも鹿だと思っておこう。その方が何
だかロマンチックではないか。
さて、分岐を経て登山口に戻ってくると、ミニ大福を頂いたご夫婦が腰を下ろして休憩中である。
お先にと挨拶を交わして、傾いた西日を浴びながら再び出発地十万辻バス停へ戻る。バス停着は15
時10分。
一時間足らずで踏めた三角点、小春日和に恵まれたお手軽ピークハントの半日であった。
【タイムチャート】
11:55 自宅発
12:50 十万辻バス停前(約340m)
13:03 登山口
13:10 分岐
13:18〜25 高圧鉄塔
13:38 山頂(552.4m 三等三角点)
13:55 下山
14:15〜35 高圧鉄塔
14:42 分岐
14:50 登山口
15:10 十万辻バス停前