梅雨空に最勝ヶ峰

平成14年 7月17日(水)
【天候】 曇り
【同行】 単独
最勝ヶ峰にある開成皇子の墓


 台風が抜け、蒸し暑い曇り空。昼から久方ぶりの箕面。空だと思ったら政の茶屋園地の
駐車場には、そこそこ車が止まっている。

 ブラッと来たのでコースは未定。とりあえず東海自然歩道の西の起点から最勝ヶ峰へ向
かうことにした

 雨上がりで空気がぬめりつくようだ。東海自然歩道の起点石標から階段を上る。すぐに
自然研究路4号線との分岐。東海自然歩道は左側の小さな尾根沿いに、石含みの急坂を登
っていく。府道を陸橋で渡ると、左手は杉の植林、右手はソヨゴやアカマツ、リョウブ、
カヤなどが混交する雑木林。幾つかのアップダウンをこなしながら徐々に登っていく。そ
れぞれの鞍部には交差する踏み跡がある。「勝尾寺近道」「蛙池」「ダム」などとマジッ
クで殴り書きがある。

 そろそろササユリの個体がある辺りだが、と左右を探すが見当たらない。今年は花の時
期に来なかったこともあり、だんだん減っている様子で少々心配である。

 方位盤のある小さな岩場からの展望は今日は良くない。更に進むと最勝ヶ峰。丁度、開
成皇子陵の裏手に当たる。豊中ABC山の会のプレート等がぶら下がるのみで、それがな
ければ全く見逃してしまう山道の瘤である。開成皇子は光仁天皇の皇子で、勝尾寺の開山、
善算らについて大般若経を奉納したりした人で、高槻の神峰山寺、本山寺とも深い関係が
ある。箕面の山は役行者が入寂したという言い伝えもあり、古来、修験の山であった。開
成皇子も悟りを開こうと山中に分け入り、修行した一人であったのであろう。その墓には
宝筐印塔が建てられているが、これは鎌倉時代のものらしい。最勝ヶ峰のプレートが掛か
る裏側から覗くと、鎖で保護された自然石がある。これが本来の墓であろうか。

 陵横の桟道を歩いて小さな岩場に出る。雑木が伐採されていて最勝尾根では最も眺めが
よい場所である。手頃な石に腰掛けて、眼下のEXPOランドの観覧車を眺めながら、お
茶とサンドイッチで小休止。

 勝尾寺への下山路に何やら立て札が立っている。曰く、
「ここから下山する場合は入山料が必要となるのでご了解云々。」
ついにこの事態?になったか。確かに裏から寺の境内に入れば、入山料は払わずとも良か
ったが。最勝尾根や自然歩道を歩くハイカーが無視出来なくなったと見える。因みにこの
立て札は自然研究路にも立てられている。

 構わず境内へ急坂を下っていくと、二階堂付近ではアジサイの遊歩道となった。その付
近で今日も何やら工事中の様子。この勝尾寺、何時行っても何かしら工事をしている印象
を受ける。

 本堂に参拝して、薬師堂方面へ向かう。右に奥の院参道があるが、以前にはなかった「
修行場の為、立入禁止」の立て札がある。だんだん世知辛くなってきたものだ。それとも
ハイカーのマナーが悪いのかしらん。

 右手のクマザサの奥に、歴代の僧の墓らしい卵塔。鬱蒼と昼尚暗き杉林の中の自然研究
路を政の茶屋園地に向かう。自然研究路5号線との出会いを過ぎれば、暫くで蛙池。池と
いっても沢の水を溜めた野ツボの如きものなのであるが、モリアオガエルの産卵場所でも
ある。水溜まりの上にアオキが茂っていて、その枝に産卵するのだ。時期的に遅いので卵
塊はなかったが、その痕跡があったので、今年も産卵はあったようである。しかし、水溜
まりにオタマジャクシは見つからなかった。

 左下方に車道が垣間見えてくると園地は近い。東海自然歩道と合流してスタート地点に
戻る。数台あった車も残すは2,3台。閉鎖時間は5時。スピーカーから蛍の光のメロデ
ィが流れ出した。一寸慌ただしく園地を後にする。久しぶりにふらっと歩く箕面最勝尾根
でした。



【タイムチャート】
13:30自宅発
14:15〜14:17政の茶屋駐車場
15:05方位盤のある展望地
15:07最勝ヶ峰(540m)
15:12〜15:16開成皇子陵
15:20〜15:25露岩の展望地
15:40〜15:45勝尾寺
16:00自然研究路4号線分岐
16:30政の茶屋駐車場



最勝ヶ峰のデータ
 「箕面最勝ヶ峰」を参照下さい



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