千ヶ峰〜お山はそろそろ秋模様

平成13年10月14日(日)
天候:うす曇りのち晴れ
同行:単独
千ヶ峰頂上の石碑で憩う千ヶ峰愛好会の方々


 絶好の好天に恵まれた13日の土曜日。この日は金剛山オフPart2の開催日なのだ
が生憎、三女の運動会とダブルブッキング。これはサボる訳には行かない。(^^;;)

 翌日も好天。そこで展望の良さを期待して4年ぶりに播州の千ヶ峰に。

 前回は地道を通って兵庫県加美町へ向かったが、なんのかんのと出遅れ癖。結局、大枚
叩いて中国道(^^;)。滝野社ICから北上する。和紙で有名な杉原を抜け、千ヶ峰登山口
の標識に従っ左折、三谷川沿いに高度を稼いでいく。親水公園が出来ていたりして、道も
良くなっている。農業公園では栗拾い、リンゴ狩り、柿狩りが出来るようで、観光客の車
もチラホラ。

 更に葛籠折れに登って行くと、見覚えのある三谷コースの登山口前の駐車広場。もう十
数台の車。空きスペースを探して車をとめる。今日は人出が多そうだ。折しも子供連れの
4人組みが出発していった。

 山頂まで2053mの標識。標高差が約600mだから傾斜は約30度。なかなかの急
登である。三谷川の流れを左に見て、大きな杉、桧が林立する中を登っていく。

 青紫色のアキチョウジやピンクのミカエリソウが咲いている。丸木橋を渡って右岸。激
しい流れの音がBGMだが、その音が一際大きくなると雌滝、雄滝。その間を丸木橋で左
岸へ。ここで先行の子供連れをかわす。

 雌滝はナメ滝、雄滝は雛壇の様な岩場を白く流れ落ちる落差約20mの滝。幅もあって
なかなか豪快であるが、地形図には不思議に記載がない。

 やや雑木が増え、登山道は小さな岩の間を伸びていく。その間も間断なく流れの音がす
る。小瀑が連続しているのがこの間隠れに見いだせる。

 カエデが枝を伸ばす日本庭園を髣髴とする辺り。奥に流れが二分ししかも交差するよう
に流れ落ちる滝がある。沢を渡って再び右岸へ上がる。土壌が湿っている。夏にヒルが出
没するというのはこの辺りだろうか?。

 ここで道は沢から離れて左の山腹に取り付いていく。よく手入れされた植林帯の中であ
るが、直ぐに尾根の突端の雑木と桧の混交林に出る。ここからが丸太の階段の急傾斜。桧
の若木の幹に掴まって体を持ち上げる。振り返るとようやく展望が良くなり、妙見山や山
裾の集落が見渡せるようになる。涼しい風も吹いてきてしばし休憩、水分補給。

 休んでいると下から山慣れた感じに見受けられる単独小父さん。
「結構きつい登りですね。」と声をかける。聞くと稲美町にお住まいで千が峰愛好会に所
属されているOさんという方であった。

 山頂までの間、色々な事を教えていただく。加美アルプスのこと。市原峠の林道工事は
あと数年はかかるらしいこと。妙見山は鹿が多くハンターが夏でも入ること等々。

 岩座神コースとの合流点では、当のコースが鬱蒼とした植林コースで、千ヶ峰マラソン
の補給路になっていることをお聞きする。当初、下りはこちらからと思っていたのだが、
三谷迄戻るのに40分程の林道歩きが必要だと聞いて、やめる事にした。(^^;) 因みに
千ヶ峰マラソンは熱中症患者が出るとのことで7月から10月に変更される由。

 岩座神コースとの合流点を過ぎると傾斜がやや緩んで、ミツバツツジ、アセビ、クリ、
ヤマザクラ、アカマツ、ソヨゴ等が茂る雑木林となっていい雰囲気となる。ようやく前方
に山頂が顔を出すが直ぐに消える。右手には篠ヶ峰、岩屋山や市原峠への稜線。

 再び傾斜が増す。ほぼ直登の胸突き八丁。クマザサが茂り大きな木は無い。そのササに
隠れてリンドウの青紫の花。先程小休止した辺りではセンブリの白い花があった。里に近
い低山もそろそろ秋模様である。

山頂直下の登山道脇で見つけたリンドウ
ひっそりと開いていたセンブリの花

 息を切らせて山頂到着。おっ?寒い。意外に強い風が吹き抜けていて、汗をかいた体か
ら容赦なく熱を奪っていく。気温16℃だが、体感温度は10℃位か。ウインドブレーカ
ーを持参していて正解。慌てて取り出す。

 千ヶ峰の山頂は南北に長く、三角点は南側、南無妙法蓮華経の石碑の北にある。そこに
千ヶ峰愛好会の方が10人程集まっている。すると南からMTBを担いだ3人組が現れた。
ふと見ると低徘のメンバ、加古川のSさん。あちらも当方に気づいたようで驚いていた。

 MTBの三人組と山頂で昼食。「類は友を呼ぶ」の諺通りの愉快な三人組。小生は唯、
たじたじでありました。(笑)

 風で寒いのと、Sさん曰く「動いてないと倒れる鮫並みのメンバ」だそうで、早々に市
原峠から新田の方へ降りていった。こちらはそれからも山頂に計1時間も居座って、コー
ヒーを湧かしたり、双眼鏡を取り出してあちこちを眺めたりする。残念ながら雲が湧き、
当初の目論見通りとは行かず、視界は期待程でない。南に飯森山から笠形山へ続く稜線。
その右の遠い三角形は明神山らしい。その右方向の起伏のない高原は段が峰あたりだろう
か。北に目を向けると粟鹿山が目立つ。黒川ダムの風力発電の白いプロペラも廻っている
のが分かる。東方はうまくいけば北摂方面も見えるはずだが、霞んで判然とせず仕舞いで
あった。
山頂から南を見る。中央は飯森山、最奧は笠形山

 ススキがおいでおいでする山頂は笹原の吹き晒しで避ける物とてなく、流石に汗が冷え
込んできたので下山にかかった。

 山頂直下は滑るので登りより神経を使う。それでも一度尻餅をついてしまった。往路で
見つけたリンドウやセンブリを撮影しながら降る。風を避けてか、山陰で食事する人達を
幾人か見かけた。

 下りはアッという間。微かだった沢の音が降るほどに大きく聞こえ出す。交差滝や雄滝
を間近に眺めたりと道草しながら1時間ほどで登山口。駐車広場の車はもう半分以下に減
っていた。 

 アルプス等の高山では雪便り、大峰でも紅葉が始まったというニュースが聞かれる昨今。
そろそろ里に近い低山へも秋の気配が高まってきたようだ。間もなく木々は色づき、野も
草紅葉に。山が眠る季節前の最後の華やかな季節がやってこようとしているのを体感する
播州の山歩きでした。



【タイムチャート】
 8:35自宅発
10:15〜10:20三谷コース登山口(Ca395m)
10:33雌滝、雄滝
11:01〜11:03小休止
11:08〜11:12岩座神コース出合
11:45〜13:00千ヶ峰山頂(1005m 二等三角点)
13:25〜13:30岩座神コース出合
14:10 三谷コース登山口



千ヶ峰のデータ
久々の千m峰、千ヶ峰』をご覧下さい
【参考】2.5万図『丹波和田』



   トップページに戻る

inserted by FC2 system