久々の1000m峰、千が峰


    昨日の雨から一転しての好天。久しぶりに1000m峰に登ってみることにする。目指    すは千が峰。多くの峰が有るところから名が付けられたという東播磨の最高峰である。       8:35 自宅を出る。R176を北上、大山下で県道77号線を山南町へ向かう。篠山川    沿いにJR福知山線に並行する道である。中町の高岸でR427に入り北上する。       ようやく両側に山並みが迫る。左に烏帽子山(539m)、その名の通りの鋭峰だ。右に    は妙見山(693m)。途中、岩座神(いさりがみ)への道を見送り、もう少し先の門村で    三谷コース登山口への案内板通りに左折する。       正面の千が峰と思しきなだらかな山腹に建物が見える。ハーモニーパークらしい。近づ    いてみると瀟洒な建物、ログハウスもある。それをパスして道なりに舗装された立派な林    道を登る。間もなく鯉のぼりが見えてきた。右に三谷渓谷、三谷コース登山口の標識。左    に20台程度の駐車場がある。立派なトイレもあって良く整備されている。中年の男女3    人組が登山口で話している。これから登るとのこと。お先に入山する。     
三谷コース登山口
    左に三谷川の渓流を見ながらのごろごろ岩だらけの路である。道端にはタチツボスミレ、    シハイスミレもある。ショウジョウバカマの花はもう盛りを過ぎてしぼんでいる。そうこ    うする内、水音が一際高くなってきた。見ると巨大な岩の上を水が滑っている。その上に    は落差10m程の滝。三谷大滝の雌滝と雄滝と説明板にある。なかなか優美だ。     その滝の間を丸木橋で渡る。岩の間を行く急坂である。早くも息切れ。雄滝を眼下に見    る。再び丸木橋を渡って、檜の植林帯の下を行く。いつしか沢音も遠ざかる。次第に山腹    を直登する路となり、鬱蒼とした植林帯を抜けると明るい雑木の林の間を丸太の階段が延    々と続いている。こりゃ登るの大変だ。       だんだん足が上がらなくなってきた。休憩回数が漸増する。これだけ急登が続くのは初    体験です。でもふと後ろを振り返ると、ようやく眺望が開け隣の峰が低くなっている。一    寸慰められます。岩座神コース合流点で小休止、汗を拭いて、ボトルの茶を二口三口。旨    い!       さて、急登の連続を我慢していると、いつしかやや緩斜面となってきた。クマザサが目    立ってきた。ようやく尾根にとりついたようだ。行く手にドーム状の山頂が見えてきた。    下山中の人に会う。「あれが山頂ですか?」「いや、見えないけどあれの左側ですよ。」    萎えかけていた気力が又湧いてくる。しかし、これが甘かった。教えられた頂上が見えた    と思いきや、先を登っていく2名の姿。山腹に文字通り張り付いているではないか。もう    体力の大半?を使い果たしているのに、前にも勝る急登が待っていたとは!       三歩進んでは立ち止まり、呼吸を整える。「あえぎ」という言葉を通り越している。前    後を見る余裕などなし。ひたすら登るのみ。       「ご苦労様。」前に人が立っている。「頂上ですか?」「そうですよ。」やっと苦行が    終わりました。20名程の先客。マイクロバスで来たというおばさん連中が元気です。市    原コースで下って行かれました。頂上は東西に細長く、奥に磐座と南無妙法蓮華経の碑が    あり、その下に二等三角点(1005m)の標がある。     ところで肝腎の景観はというと、流石に千m峰、遮る物なし、360度の眺望が欲しい    ままだ。晩春の為か霞んでいるが、これが秋ならばさぞかしと思われる。それでも北に粟    鹿山(962m)、市原峠を挟んで深谷山(928m)、黒川ダムも良く見え、風力発電機ら    しき物のプロペラが回っている。東には篠ヶ峰(827m)、妙見山、下には岩座神の集落    が小さく見える。又、南には笠形山(939m)、西には段が峰、千町ヶ峰等の1000m    峰の稜線が霞んでいる。暫し時間を忘れての山の同定である。       食事をしていると、高校生の団体が上がってきた。後続が未到着と言うことで長居する    らしい。これじゃ静けさが望めないというわけで下山にかかる。それでも1時間半位、頂    きにいた様だ。車をデポした関係上、もと来た路を引き返す事にする。       さて、下りは周囲を見渡す余裕も出てきた。左に市原峠への尾根が張り出しているのが    見える。先程の高校生達が小さく見えている。前方の651m峰の新緑も綺麗だ。       時折、立ち止まっては観察モードとなる。コバノミツバツツジとアセビが多い山だとこ    の時になって初めて気づいた次第。登り時は余裕皆無がその原因。面目なし。       林の中に今まで気づいたことのない白い可憐な花が咲いている。青紫の小さな花も目立    つ。早速家で調べてみることにする。(野草図鑑によると、前者はチゴユリ、後者はヤマ    ルリソウとのことだった)       急な植林帯を抜け、再び渓谷に出る。水面にヤブツバキの花弁がたゆたって、その紅が    鮮やかだ。ハヤの姿も垣間見える。沢水で手を洗い、滝をゆっくり鑑賞しつつ3時過ぎ、    無事登山口に到着。いやぁ疲れた一日でした。でも充実した一日でした。       暫しの休憩後、林道で岩座神へ下り、記念に千が峰の全容を写真に撮り、帰宅とする。                      
岩座神(いさりがみ)より千が峰
 【タイムチャート】   08:35 自宅発   11:16 三谷コース登山口(約380m)   11:25 出発   11:34 三谷大滝   11:40 1.5Km道標   11:49 沢横断   12:05 岩座神コース合流点(約740m)小休止   12:10 出発   12:25 500m道標   12:40 山頂(1005m)   14:20 下山   14:41 岩座神コース合流点   14:55 沢   15:02 1.5Km道標   15:13 登山口   18:23 帰宅    平成9年5月1日(木)   
   千が峰のデータ     【所在地】 兵庫県多可郡加美町     【標高】  1005m     【備考】  東播磨の最高峰。頂上は笹原で眺望良し。           千が峰の東にある篠が峰(827m)はシャクナゲの名所です。           尚、地元の方の手になる千が峰に関するHPがあります。           URL: http://www.pp.iij4u.or.jp/~nkihara/   

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