谷山尾根から勝尾寺南山

平成13年12月 1日(土)
天候: 晴れ
同行: 単独
谷山尾根道の途中の分岐にある七丁石
勝尾寺の参道だったことがわかる


 午前中にのっぴきならない用事があって、時間が空いたのは午後から。久しぶりに箕面
へ出かけることにする。

 紅葉狩りで沢山の人出であろう。山の上は駐車場所に苦労するに違いない。そこで谷山
尾根から点名『萱野』へ登って、コーヒータイムという粗々のスケジュール。

 『萱野』は無名ピークと思っていたが、慶佐次さんの『北摂の山』を読んで勝尾寺南山
と呼ばれている事を知る。尤も、目立つ山ではないので、三角点ピークハンターが便宜的
につけたのが普及したのであろう事は想像に難くない。

 新御堂筋から府道箕面池田線へ入り、白島東の交差点を左折する。墓地と池の間を登っ
て白姫神社の鳥居の横の路肩に車をとめる。

 白姫神社は水神社とも呼ばれ、由緒書きに依ると、大正13年の大旱魃の時に雨乞いし
たところ、霊験あらたかに雨をもたらしたということで祀られた神社。谷山尾根へはこの
参道が入口である。地道の参道を登って行くと、小さな社殿が現れる。

 社殿の横を抜けてえぐれた道を行く。ソヨゴ、ネジキ、リョウブ、ミツバツツジ。典型
的な北摂の林。アカマツも多いが、放置された里山、松食い虫の影響で立ち枯れたものが
多い。それがあちこちに倒れ込み、荒れた印象を与える。

 よく踏まれた道が続く。途中に私製の道標が木に打ち付けられている。

谷山尾根道の途中にあった私設の道標

 左に現れた杉林。右は雑木林。ほぼ平坦な枯葉ロードを行き、小さなザレ場を過ぎれば、
七丁石の分岐(見出し写真)。阿弥陀如来か釈迦如来が彫られた道標は、尼さんが勧進し
た様である。

 すぐに谷山尾根とウツギ谷の分岐。ここにも石の道標。大坂、中山と書かれていて、西
国巡礼道だった事が分かる。現代の豊能自然歩道の道標の奧に以前にはなかった新しい木
の札。『勝尾寺南山』とある。裏を見ると豊中ABC山の会と書かれていた。少し奧へ入
ると、木々に白いテープが巻かれてある。暫く辿ってみると、初めは判然としなかった踏
み跡は、小さな尾根に取り付く頃にはややそれらしくなって西から北へ伸びていたが、勝
尾寺南山へは尾根道をもう少し北に行った、真東辺りの笹薮の薄い所から直登する方が早
い。一旦戻って、藪の薄そうな所から取り付く。立木にすがらないと登れない急傾斜だが、
右に左に歩きやすい部分をトラバース気味に登っていくと、まもなく傾斜が緩んで踏み跡
が現れ、すぐに三等三角点のある頂上である。

 静かな山頂には以前には無かった山名板が一つと、欠けてはいないものの、赤ペンキが
塗られた三等三角点がぽつんとある。ここからは南以外は立木で眺望はない。北に僅かに
最勝ヶ峰方向が垣間見えるのみ。これに比べて南はやや開けて、大阪市街から大阪湾が光
っている。大阪空港から離陸する飛行機もよく見える。これを愛でながら熱いコーヒーと
サンドイッチで、小腹の空いたのを慰める。

 下山は北方向、立木に赤ペンキ。南方向にABC山の会が巻いたのであろう白テープが
ある。北方向は激下りであるが、滑る中を立木に掴まって降ると、直ぐに小さな涸れ沢に
出る。踏み跡は判然としないがそれも直ぐにササが現れ、政の茶屋方面への道に出る。こ
こにもABC山の会の小さな道標が懸けられていた。

 ここから東へ100m程でしらみ地蔵の辻。南へ曲がると登った所へ戻る。

 下山はウツギ谷に沿う豊能自然歩道を採用。フユイチゴが茂る杉林の中を進めば、小さ
な沢音が響きだし、間もなく林道に出会う。ここにも勝尾寺への石の道標があった。

奧の池から見る雑木の見事な黄葉

 奥の池に寄ったりして、地道から簡易舗装された林道を降る。外院の最奥の民家までは
15分ほど。住宅地の中を適当に歩いて白島へ戻る。
 初冬とはいえ暖かい12月。分厚い落ち葉を踏みながらのお手軽散歩でした。



【タイムチャート】
12:20自宅発
12:45〜12:50白姫神社鳥居横(駐車地)(Ca140m)
12:55白姫神社
13:15手製の道標
13:30〜13:37七丁石標の分岐
13:41谷山尾根・ウツギ谷コース分岐
13:55〜14:25勝尾寺南山(406.9m 三等三角点 点名『萱野』)
14:38しらみ地蔵の辻
14:45谷山尾根・ウツギ谷コース分岐
15:00林道出合
15:03〜15:05奧の池
15:15外院最奧の住宅
15:40白姫神社鳥居横(駐車地)(Ca140m)



勝尾寺南山のデータ
【所在地】大阪府箕面市
【標高】406.9m(三等三角点)
【備考】 勝尾寺の南に位置する三等三角点ピーク(点名『萱野』)
です。慶佐次盛一著「北摂の山」(上)に勝尾寺南山と
あるので、その名称を採用しました。
箕面ぶらり散歩Part4〜点名『萱野』を踏む」も
参照下さい
【参考】2.5万図『広根』



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