「目に青葉、山ホトトギス」の光明山・天台山周回


                          平成11年 5月30日(日)                           天候:晴れ                                    同行:単独         
  上天気となった5月最後の日曜日、裏手の家も8時には車で出かけて行った。かみさん は育児サークルの仲間と公園へ行くそうな。それならと山行きの支度をしながら行先に思 いを巡らせる。今日は遠出はおっくうやしなぁ。てな具合いで北摂山域で取りこぼしてい た空白を埋めるべく、初谷渓谷から豊能自然歩道を光明山、天台山と辿って吉川へ戻って くるというプランを立てた。                             ケーブル前の駐車場は空いてるかな?と少々心配だったが、11時前、無事駐車。料金 を払って、支度が出来るやR477を南下、初谷川に懸かる吉川橋を目指す。道路の両脇には ウツギが満開。黄色い花が目立つのはブタナ。木々も浅黄色から緑が濃くなっている。   国道の坂を下っていくと、丁度、妙見口駅から昔のおねえさんの団体がやってくる。わ いわいがやがやとかしましい。それを知ってか知らぬか、田植えの終わった田圃にはアメ ンボが泳いでいる。                                 最初の道標。右は天台山、左は初谷。右コースを採っても良かったのだが、何となく涼 しそうな左のコースを選択する。                           最後の民家を過ぎて、林道風の道は木立の中に入る。ヤブツバキなどの照葉樹が多い。 ちょっとジメっとした感じ。傾斜はほとんどない。                   大きな水音が聞こえてきた。砂防堰堤から落ちる水の音である。その上流が川原になっ ていて、多くの家族連れで賑わっている。左に結構奥行きのある洞穴。          30分程渓谷沿いに歩いたろうか、両側から山肌が迫り、道が細まってきたが手元の高 度計は300m程度と大して高度は稼いでいない。一時深まった右側の谷も、いつの間に か道と同じ高さになったと思えば沢の渡渉地点。そこを過ぎるとようやく山道らしくなっ てきた。キンポウゲ、ウツギが咲きそろっている。大きな岩蔭でおじさんが休憩中。外国  人も交じったグループが談笑しながら前を行く。失礼してお先に行かせて頂く。老若男女、 色とりどり、流石、人気コースだ。                          何回か沢を渡る毎に、周囲は雑木、植林帯とめまぐるしく変わる。夏は繁りそうな部分 もあるが総じて明快な小径という感じである。しかし、距離の割に高度は上がらない。だ らだらと緩傾斜が続く。左側が伐採された明るく広やかな場所に至り、小径が沢から離れ て北に向きを変える頃から、傾斜が少し厳しくなり出した。南に、反射板を肩に背負った 山の稜線がやっと見え出した。天台山の稜線だろうか?                 ガレた小径の右横に再び沢が現れた。水量はチョロチョロという感じ。やがて小径は再 び植林の中へ入る。その時突然、大きく良く響く鳥の声が聞こえた。          「特許許可局、特許許可局・・・」。ホトトギスだ。実際に聞くのは初めて。出来れば一 度姿を見たいもんだと思っていたら、沢を詰めて府道出合に登りついた途端、なんと頭上 を鳴きながら横切っていく姿を目撃。結構大きい鳥だ。羽に白い紋が認められる。ウグイ スなどに託卵し、木に止まる際にも繁みの中が多く、枝に止まることがないので姿も目撃 されにくいそうだが、今回はその点でも幸運だった。                  府道出合に道標が立つ。光明山方面へは50m程先で右の山道へと私設の道標にはある が、歩いてみるとすぐに府道へ合流。そこからすぐに今度は左の山へ入ることになる。体 よく自然歩道は府道に寸断されている。その山道もほとんど植林の中で、府道が下にちら ちら見え何とも風情なし。左に大きくカーブする地点で、光明山を示すこれ又私設の道標  に従い、植林の中を登っていくと、字(あざ)の境界を示す赤いプラ杭がある頂上に出た。    数枚の山名板が懸かる。が、眺望は東側が僅かに鴻応山や湯谷ヶ岳、遠くに比叡山が望 める程度だが、シャリバテ。ここで昼食とする。                    腕にブヨのような蚊のような虫がとまる。鬱陶しい。パチッパチッと立て続けに二匹。 長居は無用と早々に下山して天台山に向かう。                   
天台山から妙見山への稜線。今日一番の展望です
 すぐに府道に合流して、今度は右にコンクリの傾斜を登る。そして、暫く登ると北が開 けて妙見山が指呼の感。が、それもすぐに消えて再び植林となり、半分朽ちたボール紙の 案内に従い、コースから外れて植林を抜けると、アンテナ施設が現れる。土石流警報の中 継所だそうだ。三角点はそこから10m程進んだ狭い感じの場所に埋まっていた。ガイド にある如く、確かに頂上の感じはしないねぇ。標石がなければ単なる通過点です。   
三角点がなければ気づかない天台山の山頂
  ここも眺望には恵まれず。従って長居は無用、もとへ戻って、一路ときわ台方面へ。     尾根筋を忠実にトレースして行く踏み跡には、植林帯と雑木帯が交互に現れ暗くなった り、明るくなったり。倒木も多く、U字型にえぐれて歩きにくい部分もあるが総じて明快 である。                                      竹藪が出てくると里は近い。標識が現れ、右に妙見口への案内とテープに導かれて細い 方の道に入る。そして林道の出合からときわ台の貯水施設と関西セルラーの施設横へはす ぐであった。                                    皮肉なことに本日一番の眺望はこの辺りからの眺めかも知れない。今歩いてきた天台山 から妙見山に到る稜線がみずみずしい。                        脇道を選んで、吉川の散在する農家の間を辿り、出発点の吉川橋に戻ってくると、往路 で出会った昔のお姉さんグループも三々五々、谷筋を戻ってきたようだ。        ケーブル横の茶店で例によって缶ビール。店番のおばあさんと四方山話している内に、 何か土産はないかと頭を巡らすとヤマフキが目に留まった。今朝山で採ってきたという。 醤油とみりんで炊くといいそうな。酒のあてにするかなと2束200円で購入しおいとま した。                                       さて今回の天台山・光明山巡りは、植林部分が多くて眺望にも恵まれず、又、豊能自然 歩道も府道に寸断されていることもあり、単なるピークハントや通過点としての山行以外 は余りお勧めできないものだった。しかし、思いもがけずホトトギスを目撃することが出 来、「目に青葉、山ホトトギス云々」を地で行く幸運に恵まれたことは大収穫でした。   尚、初谷渓谷コースはファミリー向きに良いコースです。私の次女も小学校時代、遠足 で訪れています。                                
    【タイムチャート】       9:40     自宅発      10:45〜10:50  妙見ケーブル前駐車場(約235m)      11:04     吉川橋      11:10      初谷コース・天台山コース分岐      12:30     府道出合      12:50     光明山分岐      12:55〜13:25  光明山山頂(639m)      13:35     ときわ台コース      13:45〜13:48  天台山山頂(640.1m 三等三角点)      14:20     光明山・天台山コース道標      14:25     林道出合      14:30     ときわ台配水池施設      14:45      吉川橋      15:03     駐車地
   光明山のデータ     【所在地】 大阪府豊能郡豊能町     【標高】  639m     【備考】  妙見山、天台山の中間に位置するマイナーな山です。眺           望も東側が若干望める程度で、その肩を豊能自然歩道が           通っていますが、特筆できる程の特徴は持っていません。      --------------------------------------------------------    天台山のデータ     【所在地】 大阪府豊能郡豊能町     【標高】  640.1m(三等三角点)     【備考】  妙見山の南隣に位置する三等三角点の山です。妙見山の           名に隠れてピークハンター以外余り訪れないようですが、           豊能自然歩道が通っています。           尚、天台山、光明山のいずれも植林が進んでおり、眺望           ももう一つでピークハント以外余りお勧めできません。     【参考】  二万五千図 『妙見山』、『広根』
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