平成11年 2月28日(日)
天候:曇り一時小雪
同行:単独
いつかは訪れようと思っていた北摂のヘソ?高岳。
が、実は他の山域に出掛けるつもりが、仕事上の野暮用で出遅れてしまった加減で、今
回の高岳行となった次第。でもそれが瓢箪から駒、思わぬ邂逅を再び呼ぶとは...。
「人生〜って、不思議〜なものですねぇ〜♪」失礼しました。m(_ _)m
通い慣れた道、県道川西篠山線を北上すると、猪名川霊園辺りから前方に鉄塔を抱いた
高岳が姿を見せてくる。この辺までくると猪名川も細流、6月になればホタルが舞う。
猪名川町杉生から能勢町方面へと右折する。すぐに関電の猪名川変電所とのY字路。鎌
倉川沿いに左の舗装路を進み、変電所のフェンス横のコンクリ製の壁付近の広まった所に
駐車、用意をして歩き始める。豊中では晴れ間も見えていたのに、一面の曇り空から雪も
ちらつきだす。風が冷たい。気温3℃。
ETの基地とは言い得て妙。巨大な変電設備を右に川沿いを進む。背後に見える三角形
をした山は堂床山だろうか。
堰堤を2つ見過ごした頃には、周囲は雑木林。クヌギは全て典型的な台場クヌギ。夏に
はクワガタなんぞが沢山居そう。(^^)/
20分ほど歩いただろうか、建物が見えてきた。猪名川不動尊。明治29年の大水害で
流失したものを昭和31年に再建したものという。奥の本尊横の高さ5m程の滝を鑑賞し
て、さて登山口を捜す。囲炉裏村などの予備知識ですぐに発見。小さな木の枝に目立たぬ
が赤テープがある。目印は消防署手製の火の用心の赤い円板です。
岩ゴロの道は滝を高巻きにして沢沿いに付いた関電巡視路。そしてすぐの分岐は鉄塔
110と111への巡視路。ここはbP10を進むのが正解。
意外に澄んだ水が流れる沢を都合4回ほど越え、作業小屋を過ぎるとやや広まった雑木
林に出る。なるほど地形図も等高線が疎になっている。地形図からみて右から小さな沢が
合流していそうだと思い沢へ降りてみると、ありました細流が!ウムウムと妙に納得。
山友会の道標があり、道は右に折れてようやくここから尾根に取り付く。一気に高度を
上げるとbP10の鉄塔下である。
さらに踏み跡は霜柱と淡雪の残るやや細い稜線上を北へ延びていく。雑木の明るいプロ
ムナードだ。これだから、雑木の道はたまりません。(^_^)/
bW8の鉄塔下に出ると一気に南方面が開ける。ここで一本とる。六甲山塊を借景にし
て、三草山、竜王山、堂床山が居並び、遠くに羽束山。大舟山も大きいなと楽しみながら
ペットボトルの茶をゴクリ。
しばし堪能の後、歩行再開。稜線上の小ピークを越えると急に景色が一面の雪に変わる。
軽アイゼンは生憎、車の中。一寸思案するも大したことは無し。
パッと目の前が広がったのは伐採地のせい。ここも景色が素晴らしい。登頂後はここで
景観を肴に食事としよう。
ここから見る眼前の高岳は意外に尖峰。標高差40m程の最後の急登を喘ぐと、雑木に
囲まれた狭い頂上に到達する。角が欠けた三等三角点と、大阪府と兵庫県の境を現す国界
石標が立っている。展望が良くないと聞いていたが、木々の間から深山や剣尾山もかいま
見えるではないかと呼吸を整えていたら、赤白鉄塔の方から重装備の男性が近づいてくる。
「こんにちわ」といつものようにお互いに挨拶する。かなりのベテランとお見受けしたが、
腰の囲炉裏のバンダナを我ながら目聡く見つけた。
「囲炉裏の方ですか?」
「ご存知ですか?」
「はい。インターネットで良く拝見してます。先日、加古川の島田さんという方ががポン
ポン山で囲炉裏の方に会われたそうですが...。」
「そりゃ私です。」というわけで、日頃お世話になっている「月刊しぇるぱ」で有名なし
ぇるぱさんと判明。
|
高岳山頂の三角点と国界石標。右はしぇるぱさん |
山に関する雑談の花が咲く。そして登頂記念。こちらは一眼レフ、しぇるぱさんはコニ
カのデジカメで写真を撮り合う。色々話は尽きないが、もう食事はお済みとの事なので、
相互リンクを約束してお別れした。
|
しぇるぱさんのHPと同じポーズで筆者近影 |
ブンブンうなる赤白鉄塔下に行ってみる。ここからの景色も特筆物だが、電線の電磁波
の影響が気になって早々に場所替え。急に空腹を覚える。なるたき山への分岐を見つつ、
先程の伐採地へ戻り食事とする。
湯を沸かすストーブのガスバーナーの音以外は時折り舞い落ちる小雪が枯葉を叩く音だ
けの静かな世界である。その間に景観を楽しむ。西の大野山が一際大きい。西南の平野部
に見えるのは雄岡、雌岡だろうか。そして阪神間も眺められる。真南に光るのは大阪ドー
ムの屋根らしい。視界が良ければ海も輝くだろうにと物思いに耽っていると、話し声が聞
こえてきた。マウンテンバイクを担いだ熟年のご夫婦。池田から来られたとのことで仲良
く頂上へ上がって行かれました。
幾たびか小雪がちらつく。食後のコーヒーを啜っている内に今度は風が出てきた。サー
ッという音は細かなアラレが木々に当たる音。中山峠へ下るつもりだったがこのまま下る
ことにする。
地形図と見比べながらの復路、あの尾根がこれで、こっちの谷は...などと独り合点
しつつ歩を進めるのも面白いものだ。いつの間にやら気づかぬ内に不動尊の境内に降り立
っていた。
|
猪名川不動尊境内にあった懐かしい二宮金次郎像 |
雑木の多い高岳。ツツジやアセビの咲く頃はことに良さそうだ。春に又訪れたい山の一
つである。帰りに中山峠の其の谷林道からの登り口を確認して帰途につく。
それにしても過日の兼武さんといい、今日のしぇるぱさんといい、世の中は広いようで
狭いようだ。来て良かった高岳。「袖すり合うも他生の縁」これからも宜しく御願いいた
します。
【タイムチャート】
10:35 自宅発
11:35〜11:40 猪名川変電所(駐車地)(約265m)
12:00〜12:10 猪名川不動尊
12:16 山友会道標
12:22 鉄塔(No110)
12:35 鉄塔(No88)
12:45〜13:00 高岳山頂(720.8m 三等三角点)
13:05〜14:00 伐採地(約680m)
14:45 猪名川不動尊
15:13 猪名川変電所(駐車地)