避暑がてら超手抜ぬきで六甲山

                          平成12年 8月 6日(日)
                          天候: 晴れ
                          同行: かみさん、次女あかね
                              三女朋加


 毎日暑い日が続く真夏の土曜の夜。「明日は避暑に六甲山へ行って来るわ。」というと、
かみさんが「一人で行くって狡いわ?私も」とのたまう。昼間家にいても暑かろうと、予
定のある長女を除いて久しぶりに皆で出かけることにした。

 R176を宝塚から武庫川沿いに進む。いつの間にやら生瀬付近はバイパスの工事が進
んでいて、大きな橋脚が武庫川に被さっている。

 大多田橋で左に折れて蓬莱峡を越え、船坂小学校前で再び左折して山懐へ入っていく。
葛籠折れ、カーブにはbP30等と表示がある。どこから数えて130番目なのかなぁ?

 標高が増すと同時にクマザサ類が増えてくる。芦有道路のゲートを過ぎ、トンネルをく
ぐると間もなく左側に一軒茶屋が見えてくる。

 流石人気の六甲山。この暑さにも関わらず、茶屋の周囲は涼をとる多くのハイカー。さ
らに次々上がってくる。茶屋の中も、かき氷でクールダウンしたり、ビールで乾杯するグ
ループで賑やかだ。こちらは車で超手抜き、何だかちょっと気が引けます。(^^;

 かみさんらはきつねうどん。こちらはビール。中瓶500円、レギュラー缶380円な
ので素早く単価を計算し迷わず中瓶。

 茶屋の目の前が六甲最高峰の登り口である。無線中継所への舗装路をいく。草むらで大
きな虫の鳴き声がするが、何という種類なのだろう。オニヤンマが道案内のように前方を
飛んでいく。やがて左手が開けて大阪湾が顔を出してきた。多くの船が浮かぶ中に白い客
船らしき船もある。

 右にカーブする道の向こうに東屋と無線中継所が現れた。数人のハイカーが休憩中であ
る。その前を過ぎると沢山の赤トンボが群れ飛ぶ広場風の頂上。大きな木は全くない。そ
こに運動会で使うような大きなテントが一張り。中で数人の男性が無線に興じている。大
きなアンテナも上がり、無数のケーブル。発電機が回っていて装備も本格的であった。こ
こまで持って上がるのはさぞ大変だったに相違ない。

 そのテントの東側へ回ると、方位盤と三角点の由来が書かれた石盤が埋め込まれてあり、
その奥に花崗岩で造られた一等三角点が10cm程顔を出して埋め込まれてあった。明治
19年に設置された由緒ある物。しかし例の国土地理院の「三角点を大切にしましょう」
の白黒標識もなく、一等三角点の本点にしては寂しい感じであった。数年前まで米軍の軍
用地で立入禁止だったからかも知れない。

六甲最高峰にて記念撮影。後ろに三角点

 さて肝腎の展望であるが、大きな木はないものの、低い灌木が茂って南方向以外は余り
芳しくない。それでも北摂方面の羽束山、大船山らしき山や能勢の山々を垣間見る事が出
来た。

 風は涼しいが、日差しは強烈。その陽を遮る物とて無いので早々に戻ることにし、無線
中継所を巡る道を歩く。西に十国展望台や凌雲荘、NTTの建物が緑の波の中に見える。
足下に白いゲンノショウコの花。三女がイナゴを捕まえた。 

 東屋の上部にでる。日本スピンドル会社の山岳部の立派な碑があり、ここからの望む大
阪湾方面の景観は圧巻。秋なら関西ハイキングの付録「六甲山から見える山々」を持って
きて山座同定も面白いだろうなぁ。

 さて、車に戻って今度は十国展望台付近に向かう。

 ここでの呼び物は展望パレスからの眺め。眼下に大阪湾と神戸港が広がる景観はなかな
かすばらしいもの。大阪空港から九州方面へ飛ぶ飛行機からの眺めのようだ。だが今日は
風が弱いのか白くもやって残念ながらあまり視界は良くない。淡路島は見えなかったが、
それでも双眼鏡で見ると、大阪市内は大阪ドーム、OBPが確認でき、正面には六甲アイ
ランド、西宮沖では沢山のヨットが帆を張っているのが見える。その間に白い航跡が延び
ていく。

 黒豆ソフトクリームを舐めながら居ると、左の方から何やら賑やかな声がする。三女を
連れ行ってみると、なんと野生のタヌキが展望台下にやってきて、エサをねだっていると
ころであった。意外に痩せているが、野生というものはそんなもの。まるまると太ってい
る方がかえっておかしいのでしょう。

展望台下に現れた野生のタヌキ

 そのタヌキがにわかに警戒する雰囲気である。するとまもなく大きなイノシシが出現。
観光客が落とすスナック菓子を好んで食べる。当方もソフトクリームのコーンをちぎって
落としてやると、素早く食べてしまった。

 次に訪れたNTTの通信天文館。無料で通信の歴史等が学べる。戦前の電話交換風景や
電話機の変遷も面白いが、六甲山の歴史がパネル展示してあって興味深い。それによると、
庶民の身近な登山のメッカとして親しまれた六甲だが、戦前には早くも新聞社後援で縦走
競争があったのだそうだ。

 天文棟には50pの反射望遠鏡があって覗くことが出来る。今回は太陽が目標とのこと
で、プロミネンスを観察することが出来た。

 通信天文館をお暇し、途中のガラス工芸館を見学して駐車場に戻ったのが16時半。2
時間の基本時間を過ぎていたが、駐車場のおじさんにお目こぼしをもらう。m(_ _)m

 北東からゴロゴロと雷の音。途中でポツポツ来たが、大降りにならず18時過ぎ無事、
我が家に着く。家族サービスを兼ねた超手抜きの六甲最高峰周辺巡りでした。

   【タイムチャート〜車で移動し出没した凡その時間帯です。】
   12:10自宅発
   13:15〜13:40一軒茶屋
   13:50〜14:00六甲山最高峰(931.1m 一等三角点)
   14:10〜15:10十国展望台、展望パレス付近
   15:20〜16:10NTT通信天文館
 

 
  六甲山のデータ
   【所在地】兵庫県神戸市
   【標高】931.1m(一等三角点)
   【備考】 実は六甲山という名の山はなく、西宮市、芦屋市、神戸
市の北に連なる山塊の総称です。山名の由来については、
付近の古名の「牟古」から訛った説、神宮皇后が六人の
逆臣を誅し、その甲を埋めた説、難波京から見た際の「
向こう」の山が訛った説等がありはっきりしません。近
代登山発祥の地と云われ、昭和初期より神戸アルプスと
して親しまれ、加藤文太郎の登山家としての下地を育ん
だ場所としても有名です。
尚、NTT通信天文館に六甲の歴史がパネル展示されて
おり興味深いものがあります。
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