猛暑の中にも初秋の兆し〜ポンポン山

                           平成12年 8月27日(日)
                           天候:晴れ
                           同行:単独
 

 暫くご無沙汰の北摂の山。何処かに行きたいけれどこの暑さじゃ二の足を踏んでしまう。
でもやっぱり...。というわけで、暑さ覚悟で昼からフラリと何年ぶりかのポンポン山
へ出かけてみることにした。しかし予想以上の猛残暑、やはりこの時期は500m以上の
地点から登り始めるような山でないと、小生の如き根性無しにはつらい事を、改めて実感
した次第。(!^^;;

 途中のコンビニで飲み物とサンドイッチを仕入れる。しかし、コンビニの駐車場で車を
降りた時の暑さはどうだ。熱風がウワーッと体中を覆い尽くす感じ。こりゃ先が思いやら
れる。

 R171を高槻の今城町で折れ、府道枚方亀岡線を北上する。神峰山寺の参道入口の手
前に駐車できる空き地があるが、パスして桧尾川沿いの参道を進み、神峰山寺の駐車場を
お借りする。(帰りに「ハイキングの方の駐車はご遠慮下さい」という注意書きに気づい
た。すみませんです。  m(_ _)m )

 流石に樹木に囲まれているので平地と同じというわけではないが、やっぱり暑さがミン
ミンゼミやアブラゼミの音とともに襲ってくる。帽子の下に汗拭きと日よけ兼用のタオル
を被って、野生ラン園(8月末まで休園)を右に見ながら本山寺への林道を進む。この辺
りは「神峰山の森」と云うそうで、バーベキューも可能とのことだが、運良くあの特有の
匂いは漂ってきませんでした。

 文字通りモワーッとする草いきれ、木いきれ。林道は杉桧の植林や雑木の茂りがあって、
直射日光をある程度防いでくれるのだが、同様に風も防いでしまう。汗が噴き出す。途中、
大阪の市街地方面が遠望できる所でようやく風に当たる事が出来たので、一息入れる。

 川久保集落への分岐を過ぎて暫く進めば本山寺の駐車場が右に。意外に近いやないかと
思ったのだが、ここからがきついということをすっかり忘れていたようだ。小豆坂と呼ば
れるこの坂には丁石が立っていて、凡そ十丁石から三丁石付近まで坂が続く。喘ぎ喘ぎ、
丁石毎に止まっては、眼鏡や首を伝う汗を拭く。水を飲む。早くも500tが空。

 ようやく宝筺印塔の立つ小さな広場に着く。ここは西側が開けていて、爽やかな風が吹
き通る場所だ。単独兄さんが丸太に腰掛けて休憩中である。
「本山寺に自販機ありましたっけ?」と問いかけると、くだんの兄さん「ここから先は無
いですねぇ。でも境内に水場がありますよ。」それに勇気づけられて、二本目のペットボ
トルを半分飲み干す。

 単独兄さんが下山していったので、兄さんの座っていた丸太でもう暫く涼を取ることに
する。北摂の山々の向こうに六甲らしきかすんだ姿が見える。直下には亀岡へ抜ける府道
だろうか、くねった道を豆粒ほどの車が行き交う。左側に営林署の掲示板があって、例の
クマに注意の張り紙。7月に神峰山の参道付近で目撃されたのだという。いまは篠山付近
を徘徊しているとのことだが、無事生まれ故郷へ帰れればいいのだが...。

 ハイク道と分かれて勧進掛の下を本山寺へ向かう。本山寺は毘沙門天が本尊で、箕面の
西国札所、勝尾寺と同じく開成皇子が開基の古い寺である。その本殿へ向かう石段の下、
庫裡の前に御霊水の表示があって、柄杓が置かれている。先程の兄さんが云っていたのは
これらしい。が、大丈夫かと飲むのを躊躇していると、10m程離れたベンチで休憩中の
ご夫婦。「飲めるよ。私も飲んだから。」(笑)

 飲んでみると冷たくてなかなか旨い。何でも諏訪明神に祈願して湧いた水なんだそうだ。
川久保にも諏訪神社があるので、この辺りは諏訪信仰が浸透していたようだ。

 三杯飲んで、石段を上がり、本堂横から山道に入る。やがて、山腹をジグザグに登る丸
太の階段が現れる。よっこらしょと乗り越えると、しばらくで先程分岐したハイク道と合
流する。

 深くえぐれた道を進むと、右に「高槻の古木」と呼ばれる樹齢300年の杉。根元にう
ろがあり、祠が置かれている。小休止していると単独小父さんが降りてこられて話を交わ
す。豊中から来たというと、今は高槻にいるが、以前豊中に住んでいたことがあるのだと
懐かしそうにおっしゃっていた。ポンポン山には良く登られているようで、今日は川久保
に降りられるとのことだった。

 道は非常に明快、概して植林の中で展望は効かないが、一部西側が開けた所があって、
湯谷が岳や鴻応山が望める。

 植林が途切れて雑木が増えてくると頂上は近い。そして道を一寸それて高みに登った所
がポンポン山の頂上。二等三角点と京都市の案内板、木のテーブルとベンチが置かれてい
る。先程団体さんとすれ違ったので、誰もいないかと思ったら、親子連れ3人組、夫婦組
と単独おじさんが休憩中であった。
 
 失礼して上半身裸になり、脱いだTシャツを乾かす。水滴が滴りそうな程濡れている。
やや?ベンチに尻の跡がくっきり。パンツまで濡れているとは...。まるでお漏らしし
たようだ。(笑)

 涼しい風が吹いてきてやっと人心地がついたところで、サンドイッチ。ここで2本目の
500tのお茶の残りが空。更に3本目を半分。やっと落ち着いた。

 以前来た時には湖東の三上山が見られた展望は、今日は白く霞んで芳しくない。それで
も北は木の間越しに特徴ある愛宕山。西に北摂の山並み。ドームのある深山が同定出来る
ので、そこから剣尾山、横尾山、半国山と主な山々を同定していくことが出来る。晴れて
いれば多紀アルプスも望めそう。東には手前の釈迦が岳の向こうに京都市街。京都タワー
がよく目立つ。東南は淀川の流れと高槻から枚方市街。奥に霞むのは生駒山のようだ。今
日の枚方の花火大会もここから望見出来そうだ。

 赤トンボが空を切る。黄金グモが盛んに獲物に糸を搦めている。ホトトギスだろうか、
やや大形の鳥が頭上を越えて灌木の茂みに消えていく。大分陽が傾くのが早くなってきた
ようだ。3時半、空気にやや茜色が混ざってきた頃、下山にかかる。

 日が陰ると暗い道。ガサっという音に驚くと50p位の蛇。雑木林で明るくなるとツツ
ピーツツピーとシジュウカラの声。ヒグラシが鳴き出した。本山寺への分岐をパスして直
進すると、10分ほどで再び合流。やがて宝筺印塔の立つ小さな広場へ戻る。ここで持参
の水は空になった。

 林道をブラブラと戻る。夕方になると、さすがの猛暑もやや勢いを弱めてそよ風が心地
よい。気づくと道端には萩の赤紫の蕾。ツクツクボウシがそこかしこで鳴き交わす。暑さ
の中にもほのかに秋の兆しが感じられるようだ。

 戻った駐車場にはもうほとんど車は無い。丁度5時。お寺の子だろうか一人の子供が自
転車で遊んでいるだけだった。暑さにはまいったが、なんとなく充実感の後味に包まれた
北摂ポンポン山山歩でした。

   【タイムチャート】
   11:55自宅発
   13:05神峯山寺駐車場(約165m)
   13:16川久保分岐
   13:50〜13:55宝筐印塔前
   14:00〜14:05本山寺
   14:20〜14:25杉の古木
   14:50〜15:30ポンポン山山頂(678.9m 二等三角点)
   16:00杉の古木
   16:20〜16:25宝筐印塔前
   17:00神峯山寺駐車場(約165m)
  
    
   ポンポン山のデータ
       『ブラッとポンポン山』を参照下さい。
  【参考】 エアリアマップ 『京都西山』



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