平成11年 1月30日(土)
天候:晴れたり曇ったり
同行:単独
囲炉裏村などで皆さんの山行記録を拝見していると、国土地理院の地形図を参考にして
おられる方が多い。当たり前ですわね。(^^); 遅ればせながら当方もそのまねごとを始め
た。が、地図はあっても利用せねば「猫に小判」、「豚に真珠」。そこで、二万五千図の
の読図の練習には何処が良かろうかと、つらつら考えるに、第一に手軽に行ける所、第二
に出来れば未踏の山。というわけで、兼武さんや島田さんのHPを参考に、神戸市千苅水
源地近くの大岩岳に決定。
いつものように遅い出発、県道川西篠山線から川西三田線へ。宝塚市境野の集落から西
に入り、酪農センター手前の路肩が広まった部分に車を止めていざ歩行開始。
まず布見ケ岳を目指す。ところが、地形図には点線で示されている踏み跡が、目印の池
の奥で消えている。戻って直進するヤブ道を行けば良さそうなものなのだが、何か気分が
乗らずあえなく撤退。(^^! 時間だけ浪費してしまった。ガックリ。
気を取り直して今度は南へ向かう。それにしてもカラスが多い。気持ちが悪いことこの
上なし。そこかしこで鳴き交わし「アホー、アホー」。「エーイッ、馬鹿にするな!」
畦道から舗装路に出る。東にピラミダルな山が目立つ。古宝山だ。「また訪ねる山が増
えたわい。」などと考えている内に程なく境野大池。丸山のずんぐりした姿も近づいてき
た。
右に林道ふうの1車線ほどの地道があったので進んでみる。かつては別荘用地だったよ
うだが今はやや荒れている。しかも進むほどにいつしか道が細くなり消えてしまった。磁
石と地形図を見る。今来た道は北に向かっているようだ。しかも傾斜が少ないやや広い沢
状。ン?、現在地ほぼ判明。間違えたようだ。(^^ゝ
引き返して更に南へと行きたいところだが、パイプで作った柵があり、すぐに行き止ま
り。が、良く見てみると踏み跡があって二手に分かれている。とりあえず直進しササのブ
ッシュに突入。しかし、方向が逸れていくようだ。再びバックしてフェンス沿いの踏み跡
へ向かう。
今度の踏み跡は順調に西へ向かっており、杉林から竹薮を抜けると左手に流れが現れ、
小さな沢の出合いに朽ちた丸木橋が架かった二股の分岐に出た。右手のヤブの中に小さな
標識を見つける。「左、川下川ダム(淀川歩こう会)」とある。地形図に記載された登路
に入ったようだ、これで安心、二股を右へ向かう。
昨日は雪が降ったようだ。切り株や石の上に名残雪。そういえば豊中でもちらちらして
いたなと一人ごちつつ歩を進める。
やがて沢から離れるとザレ場。アルペンガイドに「砂山」と書かれているのはこの辺り
だろうか、地形図には土の崖の表示がある。北方向には大岩岳と思しき峰が見え出す。足
元に兵庫県が設置した三級水準点の金属標が埋まっていた。
踏み跡は一旦尾根に乗った後降りだす。倒木を避けたりしながら進むと再び分岐。直進
にも白テープ、右折にも赤テープ。とりあえず直進してみたが、ますます降っていくよう
で、北へ向かう右への踏み跡を選択する。
出水の時に流れてきたのか、流木のような枯れ木がそこここに積み重なった荒れた沢筋
沿いの踏み跡だが、枝に赤いテープが多く巻きつけられているので助かる。
前方の枝に木札がぶら下がっている。山友会が架けた「東山橋」の木札。これまでの分
岐にも架けられていたものと同じ物だが、いずれも東山橋方向を示すもので、今回辿って
いるのは通常とは逆のコースのようだ。
さてこの分岐も直進方向に白テープ、左の尾根に直接取り付く方には赤テープ。ここは
直登を選択。
いきなりの岩場、ロープも用意してあるがトラバースぎみに登る。これが山名の由来に
なった岩だろうか?窪みに溜まった落ち葉に滑らぬよう注意。
市界尾根であろうか石標が所々に埋まっている。とすればこの踏み跡は地形図には無い
が...。(^^)
周囲の小ピークが一気に眼の下へ、這い松のような小松の岩場から雑木の林に入る。す
るとフーっと傾斜が緩んで前方の景色が視界に入る。二等三角点が鎮まる山頂である。
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山頂から北を望む。左が羽束山、木の間から大舟山 |
関西独標会と山ランの2枚の山名板がぶら下がる10畳程の狭い山頂からは、聞きしに
勝る景観、360度のパノラマが得られる。とりわけ北方の羽束山と大舟山の姿は特筆も
の。そして冬枯れの千苅のダム湖。羽豆八幡宮の鳥居も見える。西には三田市街の広がり
と有馬富士。南は重畳と丹生、六甲連山。そして大峰山が大きい。丸山も山頂は岩だらけ
だ。
三角点横の坐るに手頃な岩に座って遅い食事を済ます。一陣の風と伴にコゲラだろうか
ギーッという声が近づき去っていく。西に傾いた冬の陽と時雨雲にまだらに染められた山
腹を見せる北摂の山々を熱いコーヒーを飲みながら眺める。
一時間足らず山頂を独り占めしただろうか。三時前下山開始。駐車地帰着は丁度四時で
あった。
登り降りの最中に一人とも出会わなかった今日の山歩き。都心に近い低山にもかかわら
ず手が入っておらず、読図の練習には最適の山だったが、見落としたり、地図にない踏み
跡などがあって、今自分がどの辺りなのか見極めるのはなかなかの熟練が必要。やっぱり
読図は難しい、を実感した1日。ツツジの季節に又訪れたい里山でした。
【タイムチャート】
10:50 自宅発
12:00〜12:05 酪農センター手前(駐車地)
12:05〜12:45 布見ケ岳周辺徘徊
12:56 境野大池
13:00〜13:15 丸山北側の林道付近徘徊
13:20 登山口
13:30 川下川ダム分岐
13:40 三級基準点
13:50 東山橋分岐
14:05〜14:50 大岩岳山頂(384.1m 二等三角点)
15:26 川下川ダム分岐
15:35 登山口
16:00 酪農センター手前(駐車地)