2千年初詣登山は上杉尾根から妙見山

                           平成12年 1月 9日(日)
                           天候: 曇り        
                           同行: 単独          


Y2K問題のお蔭で正月は会社。メーリングリスト見るにつけ、皆さんが羨ましい限り。
故に私にとってはハッピーマンデーを含めこの3日間が小正月。
 ところが上手くは行かないもので8日は法事。そしてようやく9日に時間が取れ、20
00年の初山行は初詣を兼ねて、北摂の名山妙見山を上杉尾根から。

 いつものようにケーブル黒川駅前の駐車場に車を置く。R477を南に少し下ると、左
手にある上杉池の奥に、妙見さんの江戸時代の石の鳥居が立つ。ここが旧参道の出発点。
しかし、上杉池からの流れをまたぐ橋が朽ちている。ここは一旦戻ってやや南の、能勢電
妙見口駅への道の分岐にある道標に従い、民家の前のコンクリート道を辿ることにする。

 民家を過ぎ、左にカーブして前方に見覚えあるポンプ場らしき建物が見えた所で、右手
に豊能町の道標。3年前の夏、ヤブの為に撤退した時とは様変わり、良く整備された登山
口になっている。

 葉を落した雑木の下、丈の低いササの茂った中を少し登ると小さな祠。所々色の剥げた
けばい木彫りの像が鎮座、にゅーと顔を出したのには驚いた。

 台場クヌギがそこここにある。今は手入れする者も無いのか、延びた枝が幹ほどにもな
っているものもある。その間の道は幾多の善男善女が歩いたのであろうか、身の丈ほどに
も深くえぐれている。流石に今はそこを通るものは少ないと見え、横にエスケープ道が出
来ている。
深くえぐれた妙見参りの旧参道

 木の葉の絨毯に滑りながら。時には石ゴロ道に躓きながら、久しぶりの坂道に顎を出し
ていると、ポッカリとテラス状に突き出た場所に出た。ここで一息つく。南方向の展望が
開け、青貝山、高代寺山、ときわ台の町並みが近い。晴れていたらさぞ絶景だろうに。

 再び歩き出す。所々に植林帯があるが、概して雑木の中。くねりながら道はひたすら尾
根上を登って行く。

 傾斜が緩んだ道の左の繁みの中に、妙見宮と彫られている石灯篭が現れた。そばには大
きな山桜が佇立している。そしてまもなく小広い八丁茶屋の跡。冬枯れのブッシュ越しに
北方面が眺められ、新滝道の通ずる妙見川の谷を隔てて、ケーブルの山上駅とリフトが良
く見える。しかし顔を出した妙見山頂はまだ遠い。
ササの中の妙見宮の石灯篭

 何か匂いがする。周囲を見まわすと、カラスザンショウのあばた面が並んでいる。こん
なににおうものか、それにしても大木である。

 ササの丈が高くなってきた。が、道の幅だけ刈り取られ歩き良い。そして、前にもまし
て南の展望が良い場所に出る。

 尾根道は小さなピークを越えて左にカーブしていく。右は植林帯。左の谷の源頭を巻く
と、道はようやく妙見山頂方向に向いたようだ。

 心地よいアップダウンを繰り返していくと、宝珠の欠けた石灯籠が現れ、まもなく車の
エンジン音が遠くから聞こえ出すと、やがて右側が開けて天台山から光明山にかけての稜
線が広がり、丈の低いササの中を妙見宮の広い駐車場に飛び出した。

 20名程の人が何やら集まっている。能勢2mBBS同好会のウインドブレーカーを着
た男性も。その真ん中には高いアンテナ。今年初の例会なのか、新年の挨拶を交わす人達
もいた。

 駐車場を横切って、鳥居をくぐって参道へ。妙見宮所縁の能勢頼次の像などを見て、す
ぐにY字路。右の坂を登れば四等三角点のある妙見山の山頂だが、三角点への標識が設置
されている。山頂を尋ねる登山者が余程多いと見える。以前には無かったものだ。とりあ
えずそちらへ向かう。ブナの木に囲まれた山頂は、丁度本殿の南の高みだが、多くの人々
の靴に踏まれて土が固くなっているようで、周りのブナには災難以外の何物でもなかろう。

 山頂を後にして信徒会館横から本殿へ参る。まずおみくじ。幸先良くなんと『上々吉』
が出た。気分を良くしたところで家内安全、無病息災を祈って賽銭を上げる。

 急に空腹感を覚えたと思ったら、もう1時だ。信徒会館隣の旧展望台で昼食とした。

 例によって、缶ビールを空けながら、景色を愛でるが、生憎の曇り空、視界は良くない。
それでも、石堂ヶ岡、天台山、明ヶ田尾山から五月山連山、ときわ台から高代寺山が
顔を出していた。

 偶々一緒になった光風台から来たという中年男性にコーヒーをご馳走して別れる。

 初谷渓谷で下山することにし、ブラブラと車道をしばらく歩いた後、天台山コースと別
れて、下の植林帯に降りて行く。初谷川の源頭だ。まもなく水がチョロチョロと姿を見せ
る。ガレた沢道で杉林を抜けると右側が伐採されて明るい場所に出る。前方は天台山。

 やがて谷が右にカーブする頃には流れはひとかどになり、道は何度か沢を徒渉する。鉱
山跡なのか明らかに人工の穴を見ながら、砂防ダム迄来れば道も林道然となる。猟犬を訓
練するおじさんや、杉の若木の枝打ちをする地元の人が現れれば里も近い。

 R477に出て、吉川保育所横から黒川迄は約30分の道程である。

 この一年、無病息災、家内安全で文字通り『上々吉』と行きたいもんだ。そんな意を強
くした新ミレニアム初の山歩きでありました。

   【タイムチャート】
   10:25自宅発
   11:15〜11:20ケーブル黒川駅前(駐車場)(約240m)
   11:25登山口
   11:43〜11:45テラス
   11:59〜12:04八丁茶屋跡
   12:28妙見宮山上駐車場
   12:42妙見山山頂(660.1m 四等三角点)
   13:00〜13:50展望台
   14:15初谷コース分岐
   15:22吉川保育所前
   15:50ケーブル黒川駅前(駐車場)



   妙見山のデータ

『汗だくの妙見山』をご覧下さい。



エアリアマップ 山と高原地図『北摂の山々』



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