汗だくの妙見山


   梅雨明け後の三連休、高速道路はどこも渋滞とのことで、今日も近場へ向かうことにする。しかし
  今日は能勢の名山、妙見山。車では何度も行っているのだが、自分の足では初体験である。

   上杉尾根から初谷渓谷のコースを思い描いていたのだが、またまた最初から、軟弱の虫が頭をもた
  げてしまった。R477から上杉池横の鳥居を目指したのは良いのだが、またまたブッシュに恐れを
  なしたのである。そのササ藪、蜘蛛の巣、蛇がいそうなジメジメ、何か歩く気をなくしてしまう。夏
  はいやですね。

   ということで、ケーブルの黒川駅へ戻り、新滝道で山頂に向かうことにした。

   ケーブルの駅を左に見て、舗装路を妙見川の渓流沿いに登る。清流の音が耳に心地良い。が、やっ
  ぱり暑い。そして展望は当然ゼロ。文字通り汗が噴き出してくる。

   間もなく右に白龍稲荷、そして雄滝の行場。白装束の信者らしき人が熱心に経を唱えている。土手
  には野生のミツバが白い花を咲かせている。と、草むらに立て札。「マムシに注意」。湿った草むら
  に多いそうだが、そんな立て札を見ると、長い物がなんだか蛇に見えてくるから不思議だ。

   さて、しばらく行くと、斜面に橙色の群落が深い緑に彩りを添える。キツネノカミソリらしい。早
  速、一枚撮すことにする。

   渓流は道の右左と所を変えるが徐々にその流れを狭め、いつしか姿を隠す。

   前方に人影発見。一所懸命に藤蔓を集めている。尋ねると、篭を作る材料にとのこと。なるほどと
  妙に感心する。

   道はややその角度を増し、現れたコンクリートの階段を登っていくと右に廃屋が出現。覗くと、ち
  ゃぶ台と皿、お椀が散乱している。古いコンソール型のテレビが何かその家にあった唯一の文明の利
  器のような感じがした。その横に歩兵一等卒の墓が一つ。

   それを過ぎると、直ぐにリフト・ケーブル道との分岐。これをパスして直進する。

   最後の階段を登り切ると山陽自然歩道との出合い。そして見覚えある参道前広場に出くわす。三角
  点を捜しに参道を進む。でもその前に腹ごしらえと喉ごしらえ。展望台で食事とする。
 
   ここは南側が開けており、石堂が岡、鉢伏山、天台山から六甲山系が見渡せる。でもその横に新築
  中の信徒会館工事のクレーンが艶消しである。

   ところで、お目当ての三角点だが、参道を右に逸れて進んだ、忠魂碑の後ろ、樹齢百年以上の大き
  なブナの木々に囲まれてひっそりと静まっていた。四等三角点、色褪せたた登頂記念の銘板が数枚、
  風に揺れていた。

   19日の妙見山上は最高気温24度だったそうだが、如何せん、この暑さには参った。下山は山陽
  自然歩道をゆっくり下って、ケーブルで降りることに心の中で衆議一決。やっぱり軟弱です。(^_^!!

   白いホタルブクロの花を愛でながら、先程登ってきた道を左に見送り、広い砂利道を行く。妙見山
  展望道路というらしい。確かに、法華経寺の墓地からは北側の眺望が秀麗である。下の谷からセミの
  大合唱がわき上がる中、歌垣山、鴻応山、剣尾山、小和田山などが居並び、なかなかの絶景である。

   さて、リフトの下を潜りしばらくして、左に王子製紙の山の家が見えてきたら、クッキングセンタ
  ーの広場は近い。何はさておき「妙見の水」を捜す。

   平成5年、地下171mから湧き出したという天然ミネラルウォーター。三つの蛇口から勢いよく
  噴き出している。癖のない旨い水だ。天川の「ごろごろ水」にも匹敵する?持ってきたペットボトル
  にも詰めて持って帰ることにする。
 
   ブラブラとアジサイの咲く木陰の道をケーブル駅へ。ケーブル山上駅14:15発。14:25黒
  川駅着。270円也。思ったより安かった。

   駅横の茶店で例の如く缶ビール。一気に飲み干す。旨いの一言に尽きる。今日も又汗だくの真夏の
  山行でした。また、初冬にでも上杉尾根に挑戦してみたいと思います。

天台山付近から望む妙見山
   【タイムテーブル】    11:43    ケーブル黒川駅前    11:51    白龍稲荷    11:56    雄滝行場    12:05    石橋    12:15    石橋    12:27    ケーブル道分岐    12:32    山陽自然歩道出合い    13:15    山頂(四等三角点 660m)    13:20    下山    13:35    法華経寺    13:50    クッキングセンター    14:03    ケーブル山上駅(490m)    14:20    ケーブル黒川駅                                    平成9年7月20日(日)   
   妙見山のデータ    【所在地】 大阪府豊能郡豊能町   【標高】  660m(四等三角点)    【備考】  大阪府の最北部にあり、山頂に西の身延山と呼ばれる日蓮宗の能勢          妙見宮が鎮座します。寺紋は十字形をしていますが、能勢氏の家紋          でもあり、キリシタンの十字架と関連するとの説もあります。          又、この標高では珍しいブナの自然林があり、大阪府の保護林と          なっています。アクセスは能勢電車の妙見口から徒歩で黒川へ出て          ケーブル、又は山上まで池田からバスの便があります。
  トップページに戻る
inserted by FC2 system