深山で恒例ツクシ採り

平成12年 4月 9日(日)
天候: 晴れのち薄曇り
同行: 単独
顔を出したフキノトウ(深山山頂にて)


 我が家の恒例のツクシ採り。ちと大袈裟ではあるが、これを行わないと何となく春が来
た気がしません。好天に恵まれた9日の日曜日。

「今日、つくし採りに行こうか?」との問いに、かみさんは明日の始業式に持参する雑巾
作りやなんやかやで行けないとのたまう。勿論、上の二人の娘はそれぞれの道。それなら
と「チェリーとお山へ行く!」という三女を連れて、深山高原へ出かけることにする。因
みに去年は4月4日だったから、どうだろうか?もう遅いかなと懸念しつつの出発。

 川西の清和台近くのローソンで、むずがった時のオヤツを仕入れる。花見に何処も満員
だろう、渋滞しなければ良いがと思っていたが、あにはからんや、滞ることもなく順調に
進む。三女もご機嫌、「麺達は〜ま〜るで生麺!」とコマソンを大声で歌っている。

 北に行くに従って、桜はまだ蕾の樹が増えていくが、枝先は遠くから見てもピンクに染
まって良い風情。ぽかぽかとうららかな日差しを浴びて、山肌の雑木も萌黄色である。大
阪府民牧場も大勢の人出らしく、駐車場が満杯のようだ。

 はらがたわのトンネルを抜けいつもの深山方面の道へ。目的地に着いて車を降りると、
まず目に付いたのがフキノトウ。それももうトウが立っている。肝腎のツクシはと探すと
あった、あった。(^0^)/

 少し遅いかなと気を揉む必要もなかった。却って早すぎたくらい。3月が寒かったせい
だろう、桜と同じで今年は出が遅い。今しがた顔を出したばっかりというような丈の低い
物が多い。あちこちにウサギの糞が沢山。

 折角ここまできたので、深山山頂にも寄って行く事にする。建設省の雨量観測所の管理
道路ゲート前の広場に車を止めて、舗装路を進む。傍らにはタチツボスミレがちらほら。
キブシの黄色い穂が垂れている。しかし、栗やリョウブはまだ芽吹いていない。まだまだ
深山は早春の気配である。チビはというと路肩のコンクリートブロックの上に乗りながら
歩いて行くので、歩みは遅い。とうとうそれにも飽きたようで、
「ジュース!ジュース!」
ブロックに腰掛けて、取っておきのポテロングと紅茶のパックを出す。ウグイスがすぐ間
近で鳴く。
コンクリートブロックの上でご機嫌のチビ

 突然、背後からバサッと大きな音がした。驚いて振り向くと大きなヤマドリである。慌
てて翼をばたつかせて消えて行くところであった。こちらも吃驚したが、向こうもそれに
劣らず肝を潰したと見える。失敬。

 「カタツムリ!」チビは肩車のことを何故かこう言う。言い出したら止まらないので、
仕方なく15s(娘の体重)のボッカ。

 山頂では今日もラジコン機が1機、2機と空を舞っている。地上に降りた機体を見ると
結構大きな物だ。操縦席に人形が坐っているとは今まで知らなかった。

 ここ深山山頂の呼び物はその展望。大きな岩が御神体の深山神社の周りを巡る。

 今日は黄砂の影響だろう視界は今いちだが、それでも春めいた感じの北摂から丹波へと
波打つ山々。そしてここから見る剣尾、横尾、半国は大きい。

 ふと、足を止めるとあちこちに顔を覗かせているフキノトウ。しめしめ、というわけで、
少々お裾分け頂くことにした。

 帰路は南のピークへの分岐から、管理道を戻らずに直下の牧場跡へ向かう荒れた道を下
ることにする。この道はモトクロスバイクが良く使う道で、子供の頭大の石がごろごろし
ている。しかし周囲はアセビ、栗、リョウブやクマザサの良い感じの林である。つづら折
れを降りていくと、やがて牧場跡の荒地、真ん中に大きな一抱えもあるヒマラヤ杉が一本
ヌシの様に立っていた。

 南北に延びる荒れた道に出合う。と、なぜか牛のにおいがした。今でも放牧か何かに使
っているのであろうか。

 荒れた道が舗装路に代わり、再びチビを肩車しながらノンビリ歩いて行くと、ゲート前
の広場はすぐであった。

 その日の晩は指先を真っ黒にしながらのツクシのハカマ取り。翌日、そのツクシの卵と
じとフキノトウの天ぷら、ビールで、春を食したのは云うまでも無い。奇しくもBE−P
ALの5月号には、フキノトウ料理の特集が。

 カタクリの花も咲き、今年9年目の石楠花は、当り年で蕾は7つ8つも膨らんでいる。
牡丹も開花が間近。春爛漫はもうすぐそこであります。

   【タイムチャート】
   12:00自宅発
   13:20〜14:20ツクシ採り
   14:40建設省管理道ゲート前広場
   15:20〜15:40深山山頂(790.5m 三等三角点)
   16:15建設省管理道ゲート前広場

 
  深山のデータ
 
    「深山」、「春未だ浅き深山点描」等の山行記を参照下さい



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