深山


    今日は天気が下り坂ということで、草山温泉にでも湯治?に行こうと剃刀、ブラシも用    意したのだが、何と薄日が射しているではないか。ウーン、これなら山行きも大丈夫だろ    う。そろそろススキもいいなと思い、かねて行こうと考えていた深山に急遽行き先を変え    る。大して歩かなくても良いから誰か一緒に行くかと訪ねると、下の小4の娘が行くと言    うので、ヨーキーのチェリーも同行することとなった。        本日新装開店とチラシにあったSSへ寄って、ガソリンを補給し、神戸屋の食パンを景    品にもらって出発。時に12:57。     阪神高速下の府道を池田方面へ進み、R176からR173へ。今日は以外に空いてい    る。渋滞もせずに一気に一庫を抜け、この前登った剣尾山を右に見て快適な道を行く。       まもなくはらがたわトンネル。以前はトンネル南側の入り口前は急カーブだったが、道    路がつけかえられて今は真っ直ぐとなっている。その分、旧道はこの前走ってみた時には、    両側から雑草が生えだしてきていた。        トンネルを過ぎ直ぐの分岐を右へ、ここの道も以前より良くなっているようだ。しばら    くすると右に岡牧場、ここで山中への道が分岐している。これだなと思ったが、万一を考    えて40mほど過ぎたところの待避ゾーンらしき所に車を止めて出発する。なんとまだ1    4:00過ぎだ。岡牧場の牛舎の裏の道沿いに栗の木があり、いがも有るが手の届く所に    はもはや無く、帰りに狙う?ことにする。     先ほどの山道へ入る。オッ、そこここに芝栗の木が...。枯れ枝を拾っていがを叩き    落とす。だが、まだ早いようで実は白っぽいものが多い。後十日ほどすれば熟して丁度良    くなりそうだ。体育の日前後が狙い目かな?       20分ほど歩くと右側に湧き水がある。誰かがパイプを通して汲み易くしている。結構    水量は豊富である。少し手で掬って飲んでみたが、旨かった。今度はペットボトルを持っ    てこよう。       さて、また歩き出そうとヒョッと地面を見ると、縄が落ちている。と思った途端驚いた。    サーッと動き出したではないか。長さ30cm程の蛇だ。ジムグリか?直ぐに道脇の茂み    に潜んだので判別し難かったが、シマヘビではないことは確かだ。娘は寿命が縮まったそ    うだ。       やや開けた所へ出た。左手に10m程の杉の木を残して周囲をぐるりと削った所がある。    台風が来ればすぐ倒れそうだ。無惨なことをするものだ。       そうこうしている間に前方が開けてきた。例の駐車場代わりの広場である。数台の車が    止まっている。やはり栗の木が多い。ここで小休止。       右手にレーダー気象観測所への舗装路。ゲートが閉まっているが、人の出入りできるゲ    ートがその左にある。横には深山宮参道の看板が...。       桜並木のやや登りの道を進む。10分ほど進むと雑木林が途切れ、一面熊笹の斜面が前    方に見えてきた。左にレーダー観測所の建物が白亜の姿を現す。       レーダー観測所への道から外れ、熊笹のピークへ向かう。10分程で頂上である。手元    の高度計では750mぐらいだ。ラジコン飛行機のマニアが5〜6名、吹き流しを立てて    先着していた。  
南の笹原のピーク
    ところで、深山は大阪、京都、兵庫の県境だが、ここからの展望は立木が無い為、36    0度まさに絶景である。北に観測所のある深山のピーク(791m)、その左は多紀アル    プスの男性的な姿。西にNTTのアンテナのある大野山、その南遠くの秀峰は大船山か。    そのまた奥には遠く六甲連山がかすむ。     南やや東に雄大な剣尾山と横尾山。その下には瑠璃渓ゴルフ場が広がっている。東には    半国山の勇姿とその奥は愛宕山塊か。北東には京都北山から若狭方面の山並みが重畳と続    く。曇っていた為、やや靄っていたが、それでも深山の熊笹原と周囲の山並みが堪能でき    た。       たばこをふかした後、ゆっくりと下山する。途中、イモリのようなヤモリのような変な    動物を捕まえる。娘に学校から爬虫類図鑑を借りてもらおう。       16:30、栗少々、ススキ、マツヨイ草らしき黄色い花とを手みやげに帰路につく。    今度は弁当持ちでまた来ようという気になる、久々に期待を越える収穫のあった深山の半    日であった。                                                                               平成8年9月29日(日)



  再び深山へ


    そろそろ芝栗も熟れ頃かなと小4の娘、父、犬を連れて再び深山を散策することにした。
 
    10:10、例によってコンビニで満腹おむすびなる物を買い、みかんを少々とゆでた
   まご、インスタントコーヒーを魔法瓶に詰めて、娘は自分だけのおかずを作って、出発。
 
    多田周辺で渋滞に巻き込まれ、今日は深山着は12:00頃となる。前回と同じ所に車
   を停め、前回使った木ぎれを捜すと、あったあった道路の牧場側の斜面。
 
    栗を捜しながらブラブラと散策、落ちている落ちている。いがからこぼれ落ちて木の葉
   の蔭に隠れている。全部で二、三百は拾ったろうか。

    栗拾いに夢中になっていると、又蛇がとぐろを巻いている。マムシの様だ。動きが若干
   鈍かった様で危うく難を逃れた感がある。慌てて木ぎれで藪に押しやる。これ以外にも、
   ジムグリらしき奴、シマヘビなど、計5匹を目撃。見た蛇は全部種類が違った。内2匹は
   死骸であった。
 
    12:55,深山宮への参道に入る。西が開けて、大野山、高岳が顔を見せる。南の笹
   原ピークとのY字路を今日は直進し、レーダー観測所方向へ向かう。
 
    だらだら坂を15分程でレーダー観測所が正面に。この尾根道は素晴らしいの一語に尽
   きる。西と東に摂津、丹波、山城の山々が手に取るように見渡せる。
 
    レーダー観測所の背後に石の鳥居、深山宮である。臼塚、俳句の碑が並んでおり、奥に
   大岩が鎮座しており、これが御神体の様だ。古代の磐座信仰を彷彿とさせる。内陣へは立
   入禁止だが周囲は巡れる様で、一周してみる。
 
深山宮。境内に三角点
    これが又360度、未曾有といっても過言でない最高の景観である。北から、多紀アル    プスの三座、三嶽(793m)、西ケ嶽(793m)、小金ケ嶽(725m)。手前に福住    近辺の山里と弥十郎ケ岳(715m)、西には下に天王の集落、大野山の大きな山容、高    岳、大船山の鋭鋒、その南は羽束山が顔を出している。その奥には六甲山地の大山塊、甲    山も一寸顔を見せている。その左に大阪市街、南港のATCの摩天楼。       真南は剣尾山と横尾山が指呼の間である。剣尾山の頂上には人影が双眼鏡で認められる。    東南には半国山(774m)の雄大な姿と能勢の山並み、東に愛宕山(924m)の山塊    とその奥に比良山系と思しき山並みも見いだせる。北東には亀岡市街と遠くに見える雄大    な山は長老ケ岳(917m)か?頭巾山か?北東に一際峨峨たる山稜が見いだせるが、同定    未熟で如何ともし難し。誰か山名の分かる人はいないかな?       暫し景観を愛でた後、ここで昼食とする。やや風が強く、陽が陰ると寒い。ホットコー    ヒーがありがたい。ラジコン機が2機青空を舞っている。       鳥居に石乗せで遊んだ後、14:30過ぎ、今度は南の笹原のピークへ向かう。わざと    熊笹の道をとる。風速計と壊れた百葉箱があった。観測所の所有物だろう。紅葉のドウダ    ンツツジの群落の横で、来た道にでる。  
雨量観測所をバックに父と次女
    南のピークで小休止し、写真を撮った後下山。途中の泉で再び小休止。ミカンと残りの    コーヒーを飲んだ後、下山再開、16:00過ぎ瑠璃渓別荘地、畑野、宿野経由で家路に    着く。       能勢随一の標高を持つわりに楽に頂上を極められる明るい感じの山。幾度でも来たくな    る深山である。                              平成8年10月10日(木)



  春爛漫の深山


  [深山へ]

    昨日は西多紀アルプスの三尾山へ遠征?したが、今日は家族で春を探しに行ける所とい
   うことで、能勢の深山高原を目指すこととした。
 
    10時半頃出発。途中、能勢町栗須のうどん屋で昼食を摂る。ここは猪鍋、鹿鍋もメニ
   ューにある店で、結構有名な店らしい。
 
    さて、懐かしい剣尾山の横を通過してR173を北に向かう。瑠璃渓方面へ右折して、
   岡牧場横をデコボコの林道へ入る。途中の水場は先客が占拠している。それを横目に管理
   ゲート前の広場に駐車する。先客が4〜5台。
 
    13時過ぎ、舗装路をゆっくりと登り、レーダー雨量観測所のある最高峰へ向かう。

  [植物観察モードでの散策]

    ウグイスがそこここで啼きかわす。いつもと違って今日は家族連れなので、ゆっくり散
   策、いきなり観察モードとなる。
 
    道ばたにはスミレが咲いている。タチツボスミレが多いが、エイザンスミレの白っぽい
   花も見られる。昨日教えてもらったタラノキもある。フキノトウはもう30cmにもなっ
   てつぼみがついている。こっちにはナガバモミジイチゴの白い花、あっちにはタムシバが
   白い花。黄色い花が枯れたような木の枝に群がっている。アブラチャン?植物の同定も楽
   しいものだ。南のピークへの分岐を過ぎて100m程行った所左手には大きなアセビの木
   が満開だった。こんな所にこんな大きなのがあったとは...。

  [深山頂上にて]

    相変わらず、深山頂上はすばらしい。春霞とはいえ、四方がぐるりと見渡せる。北に三
   岳を主峰とする東多紀アルプスの連山。昨日行った印象から、遠く北西に霞む黒頭峰と夏
   栗山と思しき山並。北遠くに霞んでいるのは長老ヶ岳連山かなぁ?西には大野山、高岳、
   大峰山、羽束山、南には剣尾山、東には近くに半国山、遠くに愛宕山を中心とした北山連
   山。あれですねぇ。以前登った山を見つけると、なんとなくうれしいものです。
 
    娘と深山宮の鳥居に石乗せごっこで興じる。やっぱり今日もラジコン同好会の方々が多
   く来てました。
 
    コーヒーブレークしようってことで、頂上から少し下がった東側の空き地でラーメンと
   コーヒーの湯を沸かす。熱々はやっぱり最高です。

  [駐車場で]

    帰りはケンタッキーに寄ろうと相談して車に荷物を入れていたら、カミさんが「あっ。
   つくしッ。」と声を上げた。見れば草むらのそこここに、少しトウがたっているが沢山の
   つくしんぼ。みんなで採集モード。小一時間で袋一杯採れました。来年はもう少し早く来
   ましょうか。それにしても、深山は秋の栗、春のつくしと、恵みの豊かな山です。暑くも
   寒くも無く、のんびり、ゆっくり過ごした半日でした。 

                              平成9年4月20日(日)
 
  深山のデータ   【所在地】 大阪府豊能郡能勢町   【標高】  791m   【備考】  剣尾山の北東、能勢山地の最高峰です。山頂はクマザサの原で見晴         らし抜群です。南の山麓に瑠璃渓とファミリー牧場があります。
  トップページに戻る


inserted by FC2 system