陽春の三尾山
三尾山は西多紀アルプスの名山、兵庫県春日町に位置する。標高は586mと高くはな
いが、麓の広瀬の集落からの岩を纏ったピラミダルな姿は美しい。
昨日の日本酒が影響しているのか、一寸頭が痛いが9:43豊中を出発。舞鶴道春日インタ
ーを降り、下野村で県道69号に入り、のどかな丹波の風景の中を南下する。国領温泉の
看板を過ぎ、しばらくすると、佐仲峠経由の登山口標識。今回はここをパスして進む。
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国領付近からの三尾山 |
途中のパパママストアでカップ麺を購入。そこから300m程で三尾山登山口バス停。
三尾山城登山口の標識がある。ここを右折、ガイド通り舞鶴道高架下に車を停める。数台
の先着の車が停まっている。そそくさと靴を履き替え出発、谷川沿いの舗装路を歩く。
山頂まで1300mの道標、あかるい雑木林の中。堰堤横に山桜、花びらが舞う。
古い木橋を渡ると休憩小屋が見えてきた。その横を抜けて本格的な山道へ。石ころだら
けの道を快い沢の水音を聞きながら登る。道端に大きくなったふきのとう、ショウジョウ
バカマ、スミレ。コバノミツバツツジの赤紫の花が綺麗だ。水が岩を滑るような小さな滝
がある。とその沢が道を横切っている。濡れないようにしなければ...。
左手に大きな岩が見えてきた。窪みに地蔵さんが祀られている。岩蔭地蔵と勝手に命名
する。
路はますます険しくなってきた。谷筋の為、眺望なし。いつの間にか沢も消えてしまっ
た。汗が噴き出し、休憩回数が徐々に増えてくる。我慢しながら、明るい雑木林の中を、
一歩一歩体を持ち上げる。
前方に大きな岩。振り返るとやっと眺望が開けてきた。歩いてきた谷筋が俯瞰できる。
山桜が点々と若い緑の中にアクセントをつけている。この辺りから黄色い花をつけたシャ
クナゲのような灌木がそこここに群生している。これがヒカゲツツジらしい。それにして
も、今を盛りと咲くこの黄色い花は美しい。撮影モードで写真を一枚。
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満開のヒカゲツツジ |
さて、傾斜がやや緩やかになったと思ったら、やっと尾根筋に出たようだ。短かかった
が山腹を直登するような、胸突き八丁だった。
前方の木に案内板。東峰迄120mとある。そちらに向かう。途中、道端に赤いよだれ
かけをした地蔵さんが鎮座しているのが印象的。10畳程の山頂には先着の人が二人、昼
食中。挨拶して早速景色を楽しむ。
はるか直下に舞鶴道が巻いている。豆粒のような車。春日インターも認められる。真正
面には妙高山(565m)、東には西ヶ岳、三岳をはじめとする東多紀アルプス。 煙草を一
服、水で喉を潤したところで、路をとって返し、鞍部を南へ向かう。最後の急登を登り切
ると目指す山頂である。20畳位の広さがあろうか、その真ん中に春日町が建てた三尾山
城の立派な石碑。周りには桜が植えてある。流石にまだ蕾。
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山頂から東多紀アルプス遠望。中央奥に三嶽,手前は鋸山 |
腹がへった。早速食事にする。例の如く、カップ麺と握り飯、今日はデザートにバナナ。
食後の熱いコーヒーが旨い。足にタテハチョウが止まる。のどかです。
さて、一息着いたところで景色を愛でることにする。360度の大パノラマだ。南は指
呼の間に黒頭峰(620m)と夏栗山(600m)が仲良く乳房のように並んでいる。その間に
一際高い白髪岳(722m)と松尾山(687m)の尖峰。東南には、大野山(753m)、深山
(790m)の雨量観測所も双眼鏡で認められる。東には多紀アルプス、北に妙高山。一際
高いのは粟鹿山(962m)かなあ?。西には西丹波から、播州の山並み、千が峰はどれだ
ろう?
いつまでも眺めていたかったがそうもいかん。そろそろ佐仲峠へ向かおうか。
すごい急坂、木に掴まりながらの下降である。頂上で仲良くなった須磨から来たという
初老の方と一緒に下る。途中に岩がせり出した所あり。登ってきた谷筋が見える。
10分程でやっと傾斜が緩やかとなり、林道に出くわす。これをゆるゆると下る。佐仲
峠の分岐に、またまた地蔵さん。何を考えておられるのでしょうか?
ところで、同行することとなった須磨の人は、植物に詳しい方だ。下山はズーッと観察
モードに入りっぱなしとなる。モミジイチゴ、カタクリ、スミレサイシン、タラノキ、ス
カンポ、キランソウ、ワラビ、ゼンマイ...。まるで植物観察の会のように色々教えて
いただきました。それにしても自生しているシュンランを見たのは初めてでした。
いつしか林道は舗装路に変わり、右に桜の苗を植えた広場がある。そこからの三尾山は
岩と松それにミツバツツジの紫の配色で一幅の日本画の様だ。ここに別荘でも建てたいと
ころです。
突然、足元からバサバサと何かが飛び立つ。思わずドキリッとしたところが、なんとキ
ジではないか。雌のようだったが、本当にびっくりさせれられます。
ここまで来ると、沢は谷川となり、魚の姿も見える。地元の方の水源になっている様だ。
池の横を下ると間もなく舞鶴道の赤い高架下。ここを折れて高速道路沿いに南下する。
時々垣間見える三尾山の山稜が秀麗だ。16:20ようやく車のデポ地点に帰着。名残
惜しいが同行の方と挨拶し、ここで別れることとする。
県道69号からR173、R372、R423と乗り継いで帰着は18:38。さわや
かな春の一日でした。
【タイムテーブル】
09:43 自宅発
12:05 舞鶴道高架下(約140m)
12:10 出発
12:17 堰堤
12:22 休憩小屋
12:26 岩蔭地蔵
12:45 大岩
12:48 東峰分岐
12:51 東峰(530m)
13:00 出発
13:12 山頂(586m)
14:20 下山
14:50 佐仲峠分岐
15:30 休憩小屋
15:50 水源地
16:20 舞鶴道高架下
18:38 帰宅
平成9年4月19日(土)
三尾山のデータ
【所在地】 兵庫県氷上郡春日町
【標高】 586m
【備考】 西多紀アルプスの主峰。三つの峰からなるので三尾山となった
らしい。戦国時代は山城があったもよう。ヒカゲツツジの名所
でもあります。麓の国領温泉で一風呂浴びるのもオツです。尚、
秋の松茸シーズンは入山禁止となります。
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