箕面ぶらり散歩Part8
         〜オフ代わりに紅葉見納め

平成12年12月10日(日)
天候:雨
同行:単独
そぼ降る雨に濡れるモミジと勝尾寺の多宝塔
 

 今日は北摂ミニオフの日、行先は能勢のマイナーな山、堂床山。しかし、朝食の用意を
していると、雨の気配。窓を開けるとやや大粒の雨が路面を濡らしている。昨日迄の晴天
がまるで嘘のようだ。念の為MLを確認すると、姫路方面も雨だそうで早々と参加断念の
メールがチラホラ。でもSさんは集合地点へ行くとの事で、兎に角、出かける事にする。
 8時過ぎ、自宅発。止んでいた雨がまたぱらつき出した。川西市を抜ける頃には、やや
雨脚が強くなる。
「こりゃ、やばいかな?でも千丈寺山の時もこんなだったし、まっ、とりあえず」とつら
つら考えていると、携帯が鳴り出した。亀岡のDさんからだ。紫合の交差点を行き過ぎて
しまわれたようだ。交差点の角にある教習所をお教えする。

 9時前、思ったより早く着いた道の駅「いながわ」。建物横の自販機でコーヒーを買い、
暫く待っていたが、寒いので車へ戻る。と、また待っていたかの如く携帯の着メロ。Dさ
んから着いたとの連絡である。窓外を見ると携帯で会話中の人が...。

 というわけで、Dさんとと初対面の挨拶のあと、今度は二人で道の駅の戸口に佇み、灰
色の空を眺めている内にSさんの到着であった。

 三人で四方山話をしていたら、ふと大きなアンテナを着けた車が目に留まる。Sさんが
確かめに行くとやはりTさんであった。そうこうしている間に最後にKさんが新車で到着、
これで本日の予定者全員が顔を揃えたことになったが、皆さん一様に諦め顔。立ち話も何
なので、とりあえず道の駅の喫茶店に入ることに衆議一決。

 Kさん持参のエアリアマップで北摂のお奨めやら、ダムや高圧鉄塔、高速道等の開発が
が進んでいる状況やら、次のオフの話やらをワイワイ語り合う。

 こういう時間はすぐに経つものだ。瞬く間に1時間が経過したが、相変わらず雨は止む
気配がない。残念ながら今日はお開きにと10時半過ぎに決定。でも折角ここまで来たの
だからと、小生は土産に搗きたての大福餅を買う。

 後ろ髪を引かれる思いで戻ることにしたが、なんだか物足らぬ。昼食用にレトルトの鍋
焼きうどんや缶ビールまで用意していたのに、このまま家へ戻って食べるのも芸がない。
さりとてこの雨じゃあねと思案投首。そうだ、今世紀最後(ちと大袈裟)の紅葉の見納め
に、Sさんのテリトリの箕面へでも寄るかなと思いつく。そういえば政の茶屋園地には東
屋もあるしねぇ。

 道すがら、能勢の野間で岩に彫られた六地蔵を写真に納める。この近くには妙見宮の石
灯籠、30貫もある力石、奥の院へ八丁と書いた石の道標もあり、石仏ファンには見逃せ
ないエリアである。

 オフを中止したのに皮肉なものだ。雨が小止みになってきた。代わりに霧が湧いてくる。
フォグランプに白いベールが流れるのがよく分かる程。対向車に注意して野間峠を越える。

 12時過ぎ、政の茶屋園地の駐車場に着く。誰もいないと思いきや、大きい東屋は団体
が占有、もう一つの東屋も2組のハイカー。雨の中、皆さんご苦労様です。

 昼食後、さて天上が岳へ廻るか、勝尾寺を巡るかと迷ったが、紅葉の事もあるので勝尾
寺を選択。雨模様でもあり、平坦な自然研究路4号を利用することにする。

 かんたん橋では初老の男性3人組グループと一緒になる。毎月一回、大阪周辺を歩いて
いるそうで、何か面白い所はないかと問われ、まだ未踏とのことなので剣尾山へ是非と奨
めておいた。

 落ち葉を叩く雨音を聞きながら歩くのもいいものだ。色褪せた紅葉が雨に打たれてハラ
ハラと地に落ちる。そんな風情もまた良し。

 カラスザンショウもコシアブラもホオノキも葉を落としている。その中にあって、コナ
ラ、クヌギの落葉広葉樹の黄色が美しい。フカフカとした黄色い絨毯となった小径を確か
めるように歩く。モリアオガエルはもう冬眠だろうか、小さな池は澄んだ水をたたえてい
るが生物の姿はない。イノシシの掘り返し跡だけが妙に生々しい。

 夕闇と見紛うばかりに鬱蒼とした植林帯が出てくれば、勝尾寺はまもなくである。植林
帯を抜けた所に、左に登る踏み跡があったので確かめてみると、すぐに奥の院の六角堂に
飛び出した。更に北に踏み跡が登っているのは最勝が峰へ登る道らしい。又確かめてみた
い。

 小さな六角堂の中には古いお堂の柱(旧奥の院の柱?)のようなものが納めてあり、そ
の周囲は賽の河原のように小さな石がびっしり。荒涼とした雰囲気を醸し出している。

 自然石の石段を下っていくと、『熊谷塔』と呼ばれる鎌倉初期の五輪塔と丈六の金銅仏
のある広場に出る。

 と、ここで素晴らしい眺めが待っていた。ここからは勝尾寺境内が見渡せるのだが、盆
地状になった境内にガスが立ちこめ、峰の先端が島のように浮いているのだ。まるで水墨
画の世界に迷い込んだよう。丹波の雲海もさぞかしこのような風情なのだろう。予期せぬ
幽玄の世界を暫し堪能させて頂いた。
水墨画もかくや、幽玄の世界を醸し
出すガスに煙る勝尾寺境内

 源頼朝が建立したという勝尾寺最古の建造物、薬師堂の前に出る。雨はほとんど上がっ
たようだ。境内には最後の紅葉を楽しもうという観光客が悪天にも拘わらず意外に多い。
盛りを過ぎてはいるが、二階堂、多宝塔付近は黄や紅に染まったカエデが最後の映えを競
っているようであった。
法然上人所縁の二階堂と最後の冴えを見せるモミジ

 般若心経の読経が流れる境内を抜け、日本最古の町石のある旧参道を登って、自然研究
路5号で政の茶屋方面に戻る。八天石蔵の発見された大杉を右下に、しらみ地蔵からの小
径を左に見て車道に合流。暫く茶長坂川沿いに車道を下って駐車地に戻る。もう他の車や
人は見えない。まだ4時前なのに夕闇が迫ってきたような錯覚を覚える。そういえば何時
の間にやら師走、冬至ももう間近であった。

 追伸:折角の北摂オフが中止で残念でしたが、お二方に初対面でき、相互の交流を深め
    るという一方の目的は達成できたかなと感じています。みなさん今後とも宜しく
    お願いいたします。 m(_ _)m 

【同行】WeekendMasterさん、かねちゃん、佐竹さん、伊達さん、小生(五十音順)

  【タイムチャート】
    8:10自宅発
    8:55〜10:30道の駅「いながわ」
   12:20〜13:10政の茶屋園地(駐車地)
   13:50自然研究路5号分岐
   14:15勝尾寺奥の院
   14:25〜14:40勝尾寺
   15:05府道出合
   15:15政の茶屋園地(駐車地)



 箕面公園のデータ
   箕面山系、箕面国定公園及び勝尾寺園地については、
   「ニホンリスに遭遇、箕面ぶらり散歩」
   「箕面最勝が峰」
   「奧箕面探勝〜最勝尾根から天上ケ岳」
   「箕面ぶらり散歩PART2〜勝尾寺園地」等をご
   覧下さい。



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