箕面ぶらり散歩Part6
         〜外院尾根から谷山尾根

                          平成12年 6月 4日(日)
                          天候: うす曇のち晴れ
                          同行: 単独

 今日は好天になるという予報だが、このところ一寸疲れ気味。朝早く起きて遠出する程 の気力もなく、朝は犬の散歩とチビの自転車散歩に付き合う。それでも心地よい風に誘わ れて、ようやく昼から山歩にでもと箕面へ。外院尾根から、4月に点名『萱野』探索の際 に気になった谷山尾根を歩いてみることにする。  いつものように新御堂筋を北上し、府道箕面池田線を東へ。為那都比古神社の駐車場を お借りする。  準備を整え、再び府道箕面池田線へ出て東へ向かう。途中にあるローソンでサンドイッ チとお茶、それにキャンディを購入。帝釈寺北の交差点を北に向かう。すぐに家並みは途 切れて、田園風景が広がる中に、箕面市のふれあい農園の看板と勝尾寺の参道を示す最初 の町石が見出せる。まもなく次の町石が現れて、そこで道は二股となる。何となく右の道 を採ったのだが、山に向かわず前方の民家の方へ近づいて行く。向こうからやってきた子 供連れのおばさんに確かめると、やっぱり左の道だという。のっけから大間違い。(笑)。 でも焦ることもないぶらり山歩、これもまた一興だ。  引き返して小さなため池の横にやって来ると、池の周囲の雑木に芳香のある白い花がま とわりついているのを発見。スイカズラである。群れ飛ぶ白い蝶のような花びらは如何に もはかなげだ。写真に撮る。  田植えの終わった棚田を左右に見るようになると、ようやく山道になる。道はため池で 右に折れるが、多くの西国巡礼や参詣人が歩いた為か、岩でごつごつした道は船底のよう にえぐれている。  しばらく展望のない道を登って行くと、ポッカリと初めて遠望の効く場所に出る。眼下 にはいつも利用する勝尾寺への車道と勝尾寺川が眺められ、傍らには箕面市の三級基準点 が埋まる。ここには町石があって、左へ山道が分岐している。いずれこちらも探索してみ よう。  小さな白い壺形の花が道にこぼれている。まるでご飯粒を撒いたようだ。見上げれば規 則正しく並んだネジキの花であった。  小さな沢を越える。ほんのチョロチョロ水が流れているが、傍らの石に藤治郎の滝と書 かれてある。どれが滝やねん?首をひねる。  「スズメバチに注意」の看板を見て左に折れるとすぐに再び展望が開ける場所に出る。 本日一番の眺望が得られる所だ。遠くに生駒山、飯盛山、交野山、鷲峰山の山並み。近く には万博公園の太陽の塔や観覧車。名神高速道路が帯のように延びている。  床机が置いてあるので座って一息入れていると、周囲で何だかパリパリと音がする。若 葉に代わって枯れ葉が譲り葉の様に風で落ちる音なのだろうか?といぶかしんでいると、 足元の常緑樹に体長5cm程の毛虫。それに気がつくとあちこちに居るわ居るわ。さっき の音はその毛虫が葉を食害する音だったのだ。今年は虫の当り年、ということは天候不順 なのかも知れないなァ。  木々が焦げて黒くなっている所を通過する。山火事にしては規模が小さい。どうも落雷 の跡の様に思われた。  いくつかのアップダウンを過ぎて前方に案内板が現れると、左に豊能自然歩道の道を分 ける。今日は勝尾寺には向かわず、左に折れる。  しらみ地蔵の辻を左に折れて豊能自然歩道を行く。右手がこの前に探索した点名『萱野』 のあるピーク。今は当時よりも茂っていて歩きづらそうで、あの時はどこにとりついたの だっけと考えるほどだ。(^^;
ヤブの中にひっそりと立つしらみ地蔵
 石の立派な道標が見えてきた。豊能自然歩道は左のウツギ谷へ降りていく。谷山尾根へ は道標はなく、ただ山友会の手製の案内プレートが枝に懸かっているのみ。しかし、踏み 跡は明確である。  ちょっとしたガレ場を過ぎると右側は植林帯となる。やがて三叉路になった小さな峠ふ うな場所に着くとここにも石の立派な道標がたっている。江戸時代にたてられた物とみえ 「右かちおじ 七丁」と刻まれてあって、側面には尼さんの名前も見いだせる。手製の簡 略な地図も備えられていたので眺めると、もう一方の道は箕面のドライブウェイへ抜けら れるようだ。ここで一息入れる。
信者が建立したらしい右、勝尾寺
まで七丁とある石の道標
 所々ササが茂っているが概して明快な道が続く。赤いプラ杭も現れた。しかし、尾根道 といってもほとんど展望はない。時折、ホトトギスの澄んだ大きな声が意外に近くで響く。 ガイドマップで紹介される外院尾根とは対照的に誰とも会わない。  林を透かして下界が見えてきた。池の向こうに車道が見えるが、すぐに木々に隠れた。  二股に出る。ここにも手製の案内プレートがあって、それは右の上り坂を示しているが、 かまわずそのままえぐれた道を降りていく。しばらく誰も使っていないのか蜘蛛の巣がう っとうしい。道がなくなったと思ったら、石の柵が垣間見える。飛び出したところは神社 の参道であった。  はて、何という名の神社かと石の鳥居の扁額に目をやると白姫大明神とある。大正13 年の大旱魃の際に霊験があり、雨を降らせたと沿革が記している。丁度、参道の山道に地 元のおばさんが神棚に備える木の枝をとっておられたので声をかける。  おばさんの話によると、上に水神さんの社があってそこから勝尾寺へ行けるとのこと。 採取しているのは榊ではないが地元で「シャシャキ」と呼ぶ植物であることなどを教えて もらう。  きっと先程の二股の片方の道は、その社に出るのではないかと確かめてみたいこともあ って、社まで行ってみることにする。  赤い祠を左に、なおも上っていくと二間四方位の社がある。その横を進んでいくと、や はり見覚えのある二股であった。  鳥居まで戻ると前は砂利道。その向こうに谷川が流れており、地図で確かめると道は谷 山谷の林道であった。  車が路肩に多く駐まっているのは、釣りめあての人達の車で、大きなため池があちらこ ちらにあり、多くの釣り客が糸を垂れていた。  ゆるゆると南下して白島東の交差点。左に折れて青松園のバス停近くの整備されたため 池の堰堤に床几風のベンチがあったので、一息入れてサンドイッチを頬張る。心地よい風 が頬を撫でる。いつの間にか上空は雲が消え青空が広がっていた。  谷山尾根は人気の外院尾根とはうってかわって静かな歩きを楽しめるルートだ。また一 つバリエーションが増えた箕面の里山山歩でした。 

   【タイムチャート】
   12:20自宅発
   12:45〜12:50為那都比古神社駐車場(約110m)
   13:00府道箕面池田線(帝釈寺北)
   13:07関旧参道案内標識と町石
   13:36〜13:40展望台
   13:59豊能自然歩道分岐
   14:10谷山尾根分岐
   14:13石の道標(かつおぢ七丁)
   14:44白姫神社参道
   15:10府道箕面池田線(白島東)
   15:30為那都比古神社駐車場
  
    
  箕面山系のデータ
       箕面山系、箕面国定公園及び勝尾寺園地については、
        「ニホンリスに遭遇、箕面ぶらり散歩」
       「箕面最勝が峰」
       「ササユリはまだ?最勝尾根から天上ケ岳」
       「箕面ぶらり散歩PART2〜勝尾寺園地」等をご
       覧下さい。
  【参考】 エアリアマップ 山と高原地図 『北摂の山々』



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