箕面ぶらり散歩Part3〜初冬の政の茶屋から清水谷

                            平成10年12月12日(土)                             天候: 曇り                                     同行: 単独        
   今冬は寒いとの長期予想に反し、耳が痛い程の寒さはまだ来ない。それどころか、紅葉   が12月になっても見られると云う。今日、ぶらっと昼から出掛けた箕面でも、最後の木   々の宴を垣間見ました。                                 いつもの様に政の茶屋園地に車を置く。流石に冬、車で溢れかえる夏とは違い、やや閑   散としている。今日はここから勝尾寺へ向かい、最勝尾根から清水谷に下り、箕面ダムを   経て政の茶屋に戻ってくるというコース。きつい登りは最勝尾根へ登る時くらいのお手軽   コースである。                                     準備を終え、東海自然歩道の起点の階段を登って自然研究路4号に入る。かんたん橋を   渡ると雑木林の中、路はふかふかとした褐色の落ち葉の絨毯。初冬の山歩きの醍醐味の一   つである。                                       すっかり葉を落とした大きなカラスザンショウのごつごつした幹を右に見て、道が右に   カーブする所で思い出す。5月に来た時にラショウモンカズラを見つけた場所だ。用水池   らしき水溜まりがあり、モリアオガエルの説明板がある。モリアオガエルといえば箕面で   は才が原池が有名らしいが、そういえば、あの時はオタマジャクシがいたっけ。        ベンチで休憩中の単独の方と挨拶を交わして桧の植林帯の下に入る。ここはニホンリス   に遭遇した地点。今日も会えたらいいのにと淡い期待を持つが、これは宝くじに当たるよ   り難しいかも...。案の定でした。  (^_-)                      ベンチと道標が現れれば勝尾寺分岐、5月の時はここで右へ曲がったのだった。今日は   直進。                                         右側が深い傾斜の山腹を縫う道は鬱蒼とした植林帯の中だが、意外に明るいのは、枝打   ちなどの手入れが良くされているからであろう。規則正しく林立した幹、傍らには営林署   の広針混交林育成試験地の説明板もある。                         その先にあったニホンシカの説明板を読む。箕面山系では鉢伏山東面でよく見かけるそ   うだが、ひとところに留まらず、摂丹山域を行き来し、かなり活動範囲は広いそうだ。一   庫ダムの知明公園にも沢山のフンがあったっけ。                      急に周囲が明るくなったと思うと、左に古い墓石が並んでいる。勝尾寺境内に出たよう   だ。奥の院への階段を見過ごすと薬師堂横へ飛び出した。スピーカーからは読経の声。     勝尾寺は今、伽藍整備の真っ最中。山門、新しい信徒会館の次は本堂。二階堂横の最勝   尾根への道も、木々を切り倒しアジサイの植わる道に変わっていた。何だか情緒が無くな   ったと感じるのは私だけではないと思うのだが...。ゆっくりお参りもしていられませ   ん。が、二階堂前のモミジが人間の営みなんか意にも介せず、名残の照りを見せていたの   が唯一の風情でありました。                               今日唯一の難所?最勝尾根への急坂を登る。みるみる建物が小さくなり、車道の車が玩   具のようだ。大阪平野から生駒の連山が霞む。                       尾根に出る直前、路は左に折れ、すぐに東海自然歩道と合流する。ここは十字路になっ   ていて、東西が東海自然歩道。真っ直ぐ植林帯に吸い込まれる小径があるが、今度歩いて   みようか。                                        自然歩道を茨木市泉原方面へ向かう。右側のミツバツツジ、アカマツの繁る疎林の中に、   ひっそりと二基の宝篋印塔があるのを見つける。室町時代のものか、いずれ勝尾寺ゆかり   のものに違いない。塔前にはシキミが供えてあった。                    勝尾寺園地への分岐を過ぎてしばらくで、自然研究路5号の分岐である。木製のベンチ    が備えられてある。植林の中を真っ直ぐに進むと、清水谷の源頭と思しき部分にぶつかり、   小径は左に折れ急傾斜で降りていく。夏は草が繁茂していた所だが、今は枯れて歩きやす   い。盛りを過ぎたモミジガサには白い綿毛のような種が実っている。             T字路に出る。長谷・勝尾寺線と書かれた道標があり、左は植林帯に消えている。先程   の東海自然歩道出合いに繋がっているようだ。                       ここで右に折れすぐに左へ沢沿いに下る。間もなく小鳥の鳴き声と自分の足音以外には   聞こえない静寂の世界に、水の流れる音が微かに聞こえだす。それが木橋を渡る頃にはし   っかりした流れになってくる。しかし次の木橋を渡る頃には、又いつの間にか伏流して枯   れてしまった。                                     やがて小径は徐々に広がり、いつしか林道程度の太さになる。以前、鉢伏山の帰りに寄   った心当たりの場所に出る。一寸した広場に間伐材で作ったベンチがあったので、ここで   小休止、コーヒーブレーク。                               気温は6度。湧かした熱いコーヒーと卵サンドで暖をとりつつ、近くに説明板があった   ので読んでみる。                                    この周辺は緑の基金が費用を出して、ボランティアで間伐作業がなされているそうだ。   林業も外国の安い材に押され、後継者不足に泣かされているという。その影響を垣間見た   感じがした。                                      清水谷園地はそこからすぐである。いやな府道歩きでトンネルを抜け、箕面ダムの堰堤   沿いに、15時半過ぎ、政の茶屋へ戻る。                          駐車場の閉鎖時間にまだ間がある。今日もふらりとビジタセンターに立ち寄る。鹿の角、   ニホンリスの食べ残しの通称エビテンの展示、箕面の動植物の分布等々。いつ来ても参考   になります。 (^_^)                                  東京から来た人が驚くほど、都心近くにある国定公園箕面。木々が葉を落とし、隠して   くれるものが無くなったからか、今日は至る所でゴミが目立つ。きれいな自然を後世に残   すのは私たちの勤め。私たちを癒やしてくれる自然へのそれがせめてものお返しではない   だろうか。そんな思いがつのる初冬の午後である。                 
     【タイムテーブル】      13:35     政の茶屋(駐車地)      13:40     かんたん橋      13:57     勝尾寺分岐道標      14:15     勝尾寺      14:28     最勝尾根(東海自然歩道出合い)      14:36     研究路5号分岐(清水谷園地分岐)      14:45     長谷・勝尾寺線分岐      15:00〜15:15  植林広場       15:20     清水谷園地      15:41     政の茶屋(駐車地)
  箕面山系のデータ        箕面山系、箕面国定公園及び勝尾寺園地については、        「ニホンリスに遭遇、箕面ぶらり散歩」        「箕面最勝が峰」        「ササユリはまだ?最勝尾根から天上ケ岳」        「箕面ぶらり散歩PART2〜勝尾寺園地」等をご        覧下さい。
  トップページに戻る
inserted by FC2 system