ここのところ、訪れるは超低山ばかり。今日も生駒の北の超低山、交野山。実は、何処
か出掛けようとの意識だけはあるのだが、前日に準備もせず、行先も決めていない報いで
ぐずぐずするうちに気が付けばもう11時。交野山も本来は私市から『くろんど園地』経
由で歩くのがポピュラーなのだが、間に合わない。とりあえず、戸外で食事だけはと食料
を仕入れて車を走らせる。
R1を天の川の交差点でR168へ。次の信号で左折し橋を渡って直進する。この道は
カミさんの実家へ行く時に使う道でもある。実家への曲がり角を過ぎた出鼻橋の交差点に、
いきものふれあいセンターの標識があるのを知っていたからだ。
出鼻橋を直進し、次の府道を左折してすぐに右折すると生活道路のような道になり、右
手に機物(はたもの)神社の境内。小生の家の近くの服部や池田市の呉服と同じように、
この近辺も機織りを生業とする古代の帰化人の居住地であり、彼らの崇拝した氏神なのだ
ろう。
突き当たり迄来ると、いきものふれあいセンターの案内図があり、駐車場へはここを折
れて山際を南に向かうようだ。
案内図に従って倉治の集落を抜けるとブドウ畑が広がる。前方に創価学園の校舎が見え
てくると、変則十字路があって、左の山側へ車道は入っていく。「カーブ狭し、大型車通
行不能」の標識。道路地図にもそう書いてあったっけ。
暫く登っていくと路肩に残雪が現れた。急傾斜でしかも1車線の狭い道はまさか凍結は
していまいとは思うのだが少々不安よぎる。路肩の広い所で停車して様子を窺っている
と、ハリアーが1台同じように登ってきて、小生の車を追い越した所で一旦停まったが、
意を決した様に進み出したから小生もついて行く事にする。(^^);
つづら折れを登りきって右に折れると駐車場。ハイカーがたむろしている。一番奥に車
を置いて準備を整える。
低山にも係らず、雑木の間にクマザサが茂りなかなか良い雰囲気。あちこちに踏み跡が
あるが、とりあえず北へ向かう。
丸木で階段状に整備された道を登っていく。小さな尾根に上がるとほぼ平坦となり、前
方には交野山と思しきピラミッド状の高みが現れる。横のベンチでは女性2人組が食事中
であった。
まもなく分岐が現れ、下るのがいやなので右の尾根道を選択すると、すぐに車道に出て
しまった。交野ゴルフ場の管理道らしい。慌てて取って返し、左の下りの道を採る。(山
行記を看ると、あきゆきさんも一度同じ事をされたようです (^_-) )
2・30m下ると雪の残るちょっとした沢の源頭部分に出て、「こげらの小路」と「せ
みしぐれの小路」が分岐する。「こげらの小路」を進むと、左にちょろちょろ水の音。杉
かヒノキの植林を抜け、登りにかかると今度は「やまかぜの小路」との分岐。更に進むと、
右に東屋、左に何やら石標。「岩倉開元寺の跡」とある。そこからも尾根伝いに小道が分
岐している。ここにはふれあいの里の案内板があって、木の間越しに河内平野が望めた。
前方に赤い鳥居が見える。それをくぐると岩が現れて、道はその岩を巻いて木梯子を登
るようになっている。岩上に登ると、更にその上にも岩があり、梵字が彫られていて三宝
荒神の祠があった。
三宝荒神の前を失礼すると、山頂の巨岩が姿を現わす。その前に「古代磐座の跡」とい
う石標が立っており、岩は「観音岩」というそうだ。落書き禁止の注意書きもあるが、そ
れもものかわ、そこいら中に落書きがある。困ったものだ。
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日陰に雪が残る交野山山頂の観音岩 |
とりあえず観音岩に登ってみる。と、眼前に現れたのは河内平野を中心に絶景という他
無い光景であった。OBPや梅田のビル街。片町線の電車が玩具の様だ。大蛇のようにく
ねるのは淀川。そして枚方大橋。その向こうには能勢からポンポン山と続く山塊だ。男山、
天王山、京都競馬場。今まで見えていた愛宕山は雲の中に消えかけている。鷲峰山も今は
灰色のベールの向こうだ。しかし風が強い。押さえていないと帽子が飛ばされかける。
俄かに、辺りが暗くなったと思ったら飛雪が舞い出し、見る間に吹雪のようになった。
ここは一旦避難して、先程の東屋で食事を摂る事にした。
今日はおにぎりと鍋焼きうどん。だが、ストーブの火力が弱い。ボンベにはまだガスが
あるのだが...。それでも何とか煮立てる事が出来て一安心。フハフハさせつつ、湯気
の立つ熱々を口に運ぶはまた格別の旨さであるわい。(^_^)/
いつの間にか青空が戻り、太陽が顔を出している。再び、山頂へ戻り景色を楽しむ。
それにしてもこの山には三角点は無いのかな?辺りを捜すが見つからず。見つかったのは
ゴミのみだった。
岩の先端へ出てみる。恐怖感が支配する。おまけにこの風、油断すると吹き飛ばされそ
うだから尚のこと。早々に引き下がった。
風上に当る北西の方角に大きな灰色雲が広がってきた。その下は雨か雪が降っているよ
うだ。それがマントを広げるように大きくなり、どんどん近づいてくるのが分かる。しよ
うがない、戻るベえか。
小さなピークに戻った頃、再び雪が舞い出した。駐車場に着く頃には空一面が暗い。一
寸長引きそうに思えたので今日はこれで引き上げにした。(下界では本降りの雨が20分
程続いてこの選択は賢明のようでした。半分負け惜しみ?)
公共の土地の為か、あまり荒れた感じがなく気持ちの良い「いきものふれあいの里」。
縦横に小道がついていて、多くのバリエーションが組めそうだ。定番は前述の如く、私市
からくろんど園地を経て、源氏の滝へ抜けるのコースのようだが、いつかその道も歩いて
みたいと思わせる飛雪舞い散る春まだ遠き交野山でした。
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