小春日和の高代寺山

一庫ダム湖畔の洲張(すばり)から望む高代寺山
                           平成10年1月17日(土)                            天候: うす曇り                                 同行: 単独       
 休日毎に降る雨にうんざりの今日この頃。ようやくまあまあの天候に恵まれ、今年初め ての山行きは近場の高代寺山。                              妙見ケーブル黒川駅前の駐車場に車を止める。パラパラとハイカーがケーブルを待って いる。こちらは今日は皆とは逆方向だ。車道に出て標識に従い、高代寺を目指す。                    妙見川沿いに民家が散在している。黒川の集落である。今年は暖冬、能勢の山里でも白 梅が五分咲きであった。                                 道路改修工事の中を抜け10分程、黒い瓦葺きの木造校舎の黒川小学校が見えてきた。 小生も小学生の時は、そんな木造の二階建て校舎だったから、懐かしい思いが行き交う。    さて、エアリアマップによれば左に登山口があるはず。と、コンクリートに階段、標識 がある。その横はうらぶれた墓地、数多くの卒塔婆が傾いている。その前に六地蔵がひっ そりと並んでいた。                                   ようやく山道となる。左に沢の音を聞く。落ち葉の踏み音を聞きながら登っていく。所 々に朴の木?の大きな枯葉。                               右に折れ、丸太の階段を過ぎた曲がり角にはボーイスカウトだろうか池田ビーバー隊の 設置したという巣箱が一つ。                               尾根まで結構きつい登りだが、振り返れば南に剣尾山が姿を現してくる。この眺望は、 ときわ台カントリークラブの道にでくわす前に最高潮となる。暫し休憩。           ゴルフ場の中の道を進むに従い、今度は西側が180度大きく広がってくる。南に六甲 山、甲山も顔が見える。オッ海も光っているではないか。そして大船山に昼が岳、高岳、 剣尾山が一際秀麗。手前には一庫ダム湖が光る。                      県民グリーンランドの標識を過ぎるとしばらくで、NTTの電波中継所との分岐。これ を中継所に向かい、駐車禁止標識の所を右に折れて霊園奥の地道に入り、まもなくすると だだっ広いかやとが生える台地状の所に出る。山頂らしきものも見えてきた。そこへ向か うパイプで補強した階段。しかし、ここはやたら野鳥が多い。すぐ側で盛んに鳴き交わす のだが如何せん名前が分からない。残念。                          さて、階段を登るに連れ、今度は東側の視界が広がる。後でゆっくり愛でることにして、 雑木をかき分けるとあっと言う間に山頂。が見通しは利かない。灌木に囲まれたやや荒れ た感じのする中に、なんと二等三角点。その周囲に山名板が二つ三つぶらさがる。側には 建設省か何かのテレメータ中継所の建物が建つが、三角点がなければ通り過ぎてしまいそ うな雰囲気だ。暫く周囲をうろつき、いつものように三角点の石標にタッチして、さっき の階段へ戻ることにする。                              
頂上の二等三角点
 素晴らしい眺望、東と南方向の眺めが抜群である。妙見山の全貌、明が田尾山、石堂ヶ 岡、鉢伏山、五月山等々が屏風のように並ぶ。遠くには和泉山脈も霞んでいる。そうだ、 以前、エクスポ記念の森の展望台に登った時、高代寺山がよく見えていたっけ。と思い出 して、双眼鏡で捜すと、ありました、木製の展望台が。鉢伏山の右、鉄塔の下側に。一度 行った所を見つけると、何となく懐かしい感じがするものです。             
頂上直下より妙見山(左のピーク)方向を望む
 分岐に戻って、霊園を左に見て舗装路を下っていくと間もなく高代寺。今は寂れている ものの、昔は高野山に代わる寺、女人高野として栄えたそうな。丁度本堂の修理の真っ最 中でした。                                       境内を散策し、江戸時代の宝筺印塔を見学後、鐘楼横でパンと缶コーヒーで一服。喉の 乾きを収める。                                   さて、下山は水場横の林道を使うことにする。妙見山とときわ台の住宅地が指呼の感で ある。それにしても夥しい家の群、能勢の山里の中の異世界のようだ。            途中、「ササユリ採らないで下さい」の札。皆さん野暮はやめましょう。          一庫方面とのT字路を左に、新光風台、ときわ台の住宅地の縁を巻くように進み、20 分程で能勢電ときわ台駅に到着。電車で妙見口へ戻ることにする。一駅区間は150円。    電車が来る迄、駅前で再び缶コーヒーで一服し、15:31分の電車に乗車、黒川に戻 ったのは15:50であった。                              ところがここでまたまたいやな音。靴を履き替えてザックをトランクにしまい、車に乗 ろうとしたその瞬間。バーンという大きな銃声。陰々滅々と山々にこだまする。ここの所 山行ごとに聞く有り難くない音をまた聞いてしまった。いやですねぇ。動物に同情を禁じ 得ない平成十年の初山行でした。                         
    【タイムテーブル】     11:40     自宅発     12:40     黒川(約265m)     12:50     出発     13:00     登山口     13:25     車道     13:40     県民グリーンランド     14:05      山頂(488.7m 二等三角点)     14:20     下山     14:30〜14:40  高代寺          15:10      新光風台ふれあいの森     15:18     能勢電ときわ台駅     15:50     黒川



   高代寺山のデータ

    【所在地】 大阪府豊能郡豊能町
     【標高】  488.7m(二等三角点)
    【備考】  能勢妙見山の西に位置します。北側にときわ台カントリークラブが
          、山頂の南東側に真言宗高台寺があります。高代寺は天徳2年(9
          58)創建で、昔は37もの堂宇を数え、良寛も訪れたという古刹
          です。また西南山麓には一庫ダム湖が碧の水をたたえています。
          アプローチは能勢電ときわ台または妙見口駅から登山道が通じてい
          ます。
 
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