初秋の箕面勝尾寺散策

                          平成12年 9月24日(日)
                          天候: 晴れたり曇ったり
                          同行: かみさん、三女朋加


 しつこかった残暑もようやく朝夕は影を潜めだして、爽やかな日が続くようになった今
日この頃、この秋分の日の雨で、更に秋めいてきた感じがする。近くの小学校では運動会
の歓声も開かれ、秋本番も間近。待ちに待った低山徘徊派の季節、なのだが...。
 
 前日のオリンピック中継や今日の早朝のマラソン実況中継を最後まで見てしまい、さり
とて天気はいいしで、このまま家にいるのもつまらんなぁ。結局、かみさんらとお手軽箕
面の勝尾寺散策にでも、で納まった。が、本当は給料日前で金欠だったもので。(^_-)

 小学校の運動会を覗いたりで陽も傾きかけた午後三時過ぎ。いつものように新御堂筋か
ら府道箕面池田線、更に勝尾寺川沿いに登る。途中、洪水監視用か何かに使われているク
リーム色の建物を過ぎた辺り、川の右岸の山肌に、三段程の高さ30m程の滝があるのを
読者の方はご存じだろうか。夏は繁みで見難いが、雑木が裸になった春先に雨が降った時
なぞ、なかなか豪快に流れ落ちている。地形図に表示もなく、一体、名前は付いているの
だろうか?

 30分程で、勝尾寺園地の駐車場に車を置く。ここから勝尾寺迄は100mちょっと。
以前は山門横に入山受付があったのだが、今は土産物屋と軽食堂を兼ねる「花の茶屋」を
通らねば出入りできない様になっている。そういえば、参道の階段を登った広場にあった
自販機も撤去されていた。少々商魂逞しい感じではある。因みに入山料は大人400円也。
 
 茶屋の横は放生池。中央に噴水があって大きな錦鯉が悠々と泳ぐ。朋加が鯉のエサを買
えとぐずる。
 
 池の横の遊歩道にはギボウシやヤマブキ、マンネングサ、ツワブキ、マツバギク、セイ
ヨウシャクナゲ。その多くの草木が植えられている中に真っ赤なヒガンバナ。そういえば
ちょうど秋の彼岸。墓地には香華を手向ける人達が三々五々。

 多宝塔から二階堂方面へ廻る。勝尾寺の開山、開成皇子の御陵がある最勝尾根へはここ
から登る。今はここも綺麗に整備され、アジサイやレンギョウ、シャクナゲなどが植えら
れている。道には咲きこぼれた萩の花。

 何処からともなくやや弱々しいツクツクボウシとミンミンゼミの声。まだ鳴いているん
だなぁ。でも昔のままなのはこのセミの声と、モミジや杉の古木だけ。

 本堂は丹の色も美しく修理され、面目を一新している。賽銭をあげ、鐘を鳴らして家内
安全を祈っておく。その間にも「おいづる」を着た札所巡りの人々が拝みに来る。

 応頂山勝尾寺は西国23番の札所。奈良時代に善仲、善算兄弟が庵を構え、近くで修行
していた桓武天皇の兄、開成皇子が参じて次第に寺の形が出来たという古刹である。吹田、
豊中辺りにも「かちおぢ」と書いた道しるべが残っているので、昔から大いに栄えた跡が
伺える。

 お参りした後、横におわすびんづる尊者の頭をチビに撫でさせようとしたら、怖いので
あろう背を反らせていやいやをした。思えば小生も小さい頃、知り合いのおばさんの所に
あった福助の古い置物が怖かった覚えがあるなぁ。

 本堂前には色とりどりの縁起物を売る店。そして勝尾寺といえば「勝ちダルマ」のおみ
くじ。ではあるが、金欠?で今日はパス。 (^^;

 本堂横、鐘楼のある広場はなかなかの景色で、遠く枚方、生駒を見晴るかす。旧参道の
町石道の尾根も、今は陽が陰り、黒みを増している。

 大師堂の横には開山堂。ここの軒下にはアリジゴクの巣がある。擂り鉢の底を掘ると、
死に真似をした体長1cm位のアリジゴクが現れた。成虫のウスバカゲロウとは似ても似
つかない形をした虫を、チビは珍しそうに眺めていた。

 勝尾寺で最古の建物、薬師堂から奥の院への道を過ごし、宿坊応頂閣の前の石段を下っ
て観音池の前へ出て、持参の一口ドーナツを頬張りながらベンチで一休み。
 
 大分、日も短くなり、五時を過ぎれば辺りは薄い紫のベールを被ったようにかすみだつ。
帰りに立ち寄った「花の茶屋」も後片付けが始まっていた。

 駐車場への道すがら、ススキ、ふじむらさき色のヒメジョオンの花を摘んで、すっかり
薄暗くなった箕面をあとにする。初秋の勝尾寺散策の一場面でした。

   【タイムチャート】
     計測していません
  

  トップページに戻る

inserted by FC2 system