初秋の甲山、ファミリー散歩

                         平成11年 9月 5日(日)                           天候: 晴れ時々曇り                               同行: かみさん、一番下のチビ
 朝目を覚ますと久々の上天気。涼しい風も吹き抜ける。日中はまだまだ残暑が厳しかろ うが、日頃単独行が多い事だし、今日は久方ぶりに家族で散歩と洒落るかな。が、実のと  ころは、前日何処へ行くのか決めておらず、出遅れて方向転換したのが本音なのだ。(^^ゝ    さて、行き先の思案である。チビもいるし近くて余り歩かなくてもいい所。それでいて 一度行っておきたい所、三角点と休むところがあれば尚良いな。そんな条件を満足する所 ということで、お手軽な甲山。北摂から六甲方面を望めば、お椀を伏せたような優美な姿 を見せ、一目でそれと分かる山である。                        R176を宝塚から武庫川沿いに西へ。標識に従い左折しJRのガードを潜って有馬方 面へ向かう。すぐに見えてくるのが小学校の遠足で行ったことのある蓬莱峡の奇観。更に 船坂で左折して西宮方面へ進む。峠を越えて六甲方面への分岐を過ごし、右に折れれば北 山貯水池。そしてまもなく左に現れるのが神呪寺である。今日はここが起点。       県道沿いに無料の駐車場があるのが嬉しい。ラッキーなことに丁度空きもあって、スム ーズに駐車できた。                                 車を降りるとミンミンゼミに混じってツクツクホウシの声。人間界のドタバタを知って か知らずか、季節の主役は着実に交代しているようだ。                 参道の石段が本堂へと延びている。これを見て早くもカミさんは音を上げる。チビは寝 起きで機嫌が悪く、肩車。ボッカしてると思えば大したこと無いか。でも暑いなぁ。      神呪寺は新西国札所巡りの際に一度訪れた場所。甲山大師として名高く、阪急甲陽園か ら大師道が通じている。しかも清掃の行き届いた境内の端にある展望台からの眺めが又良 し。今回もこの展望台の東屋で一息入れた。                      若干もやっているが今日もなかなかの眺めだ。大阪市街から、神戸市東部、海には点々 と船が浮かんでいる。箕面・五月山連山もこの方角から見ると新鮮だ。近くには阪神競馬 場の屋根。武庫川沿いは緑のベルト。南欧風の建物は関学だろうか。           飛び上がる玩具のようなジェット機を眺めていたら、傍らでチビが「ジュース、ジュー ス」とかしましい。ここでへそを曲げられたらいかん。手提げの簡易クーラーから缶ジュ ースを取り出す。こちらは山上までビールを我慢だ。                  納骨堂横に赤い鳥居があって、正確な文言は忘れたが『甲山 神宮皇后甲埋設伝承地』 なる額が上がっている。ここが寺の裏の甲山の登山口。                 
神呪寺の納骨堂横の鳥居から登山道が始まります
 多宝塔を左に見て進むと、西宮市が立てた甲山の案内板があり、分岐している。右の道 は北側の登山口に続くようだ。                            常緑樹が多いのか、ほの暗い葛籠おれのやや湿った道が続く。風が通らず暑い。椎なの かコナラなのか、青い実がそこいらに落ちている。それをチビが拾い集めている。「その 調子、その調子、そのまま登っていってね。」(^_-)                  登るに従って、視界が広がってきた。浄水場の円形の池、森林公園の緑が綺麗だ。    ジグザグを繰り返して20分も経ったろうか、上方が明るくなって頂上に飛び出した。  充分ソフトボールが出来るほどの広さの草っぱらの周囲は雑木が生え、下に書かれてあ った360度のパノラマとは行かない。ベンチの前で、中高年の団体さんが下山準備の真 っ最中。前に西宮連合婦人会が建立した平和祈念塔。その横にヤマケイの『兵庫県の山』 の写真の通りに、国土地理院の標識と綺麗な二等三角点の石標が埋まっていた。ここで登 頂記念撮影(チト大袈裟ですが)。                        
甲山山頂の三角点で記念撮影 はいポーズ!
 木陰のベンチで一休み、持参の缶ビールを例によってプッシュー。汗を拭いていると、 ようやくそよ風が吹き渡ってきた。                          ベンチの横の一抱えもある木はナラだろうか、その梢にタマムシが羽を光らしたのを見 つける。が、手が届かず逃げられてしまった。残念。                  人心地がついたところで頂上探検、一巡りする。先述したように頂上中心部には木がな いのだが、その代わり、ハギやカヤのような草が茂っている。そこにいるわいるわ沢山の バッタ。歩くと左右にシャワーのように飛び散るのである。そこで久しぶりにバッタ獲り に興じてみた。保護色のツチバッタ。トノサマバッタは羽を広げると意外に華麗。ショウ リョウバッタは後ろ足を持つと、ヒョンヒョン屈伸運動。小さい頃に良くやったなぁ。懐 かしい限りだ。                                   うろうろしているともう三時、そろそろ下山にかかる。                 下っていると地元の方らしい夫婦連れや、白い犬を連れた初老の方が上がってこられる。 甲山は地元のみんなに愛されている里山でもあるのです。                何十年か振りに童心に帰り、バッタとりに興じた初秋の甲山。お土産はビニール袋の中 の青いドングリでした。それにしても、チビさん良く歩いてくれました。さぞ疲れたので しょう。帰りはずっとスヤスヤでした。                      
    【タイムチャート】      12:20     自宅発      13:27     神呪寺駐車場      13:35〜55   神呪寺      14:15〜15:10  甲山山頂(309.4m 二等三角点)      15:23〜37   神呪寺      15:44     神呪寺駐車場



   甲山のデータ

   【所在地】 兵庫県西宮市
   【標高】  309.4m(二等三角点)
   【備考】  六甲山塊の東側に位置し、お椀を伏せたような山容で、
         元は火山だったと思われる独立峰です。その形と、神宮
         皇后が甲を埋めたという伝説から命名されたようです。
         また古代は神南備山でもあったようで、頂上から銅戈が
         出土しています。
         東麓に仁川ピクニックセンター、甲山森林公園があり、
         家族連れやハイカーで賑わいます。
   【参考】  山と渓谷社 分県登山ガイド『兵庫県の山』
 

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