藤無山〜小春日和の奥播磨オフは賑やかに

平成11年11月14日(日)
天候: 晴れ
同行: 別掲
賑やかに同行メンバーの記念撮影(藤無山山頂にて)

 あきゆきさんが毎年春秋の2回主宰されている恒例のオフ。今年の秋は無いのかなと思 っていたら、オフという触れ込みではないけれど、「奥播磨の藤無山へ行きま〜す。」と いう入山届がMLに。しかも沢山の方々が参集するという。一度皆さんの顔も拝見したい し、播磨の山は遠い事もあって一寸縁が薄い、ましてや鳥取県、岡山県に近い今回の奥播 磨ともなると、こんなイベントがない限りとんとご無沙汰である。だが、中国道使えば、 天川より近そうだ。天気も絶好というわけで、前日の土曜日に支度を開始。翌日を待つ。  コンビニで食料を買い込み、7時前に出発。スイスイと宝塚ICから中国道。山崎IC からR29を北上する。少々早く着きすぎるかなと、途中、道の駅波賀でトイレ休憩など 時間調整する。                                   音水湖畔を過ぎると山々が錦をまといだし、霧が羽衣のように峰を流れて幻想的。今日 の穏やかな日差しを約束しているようだ。                       以前、食したことのある宮水の流し素麺を左に見て、暫く行けば道谷口の県道分岐。新 戸倉スキー場分岐を過ぎて、道はどんどん登って若杉峠を越える。葛籠折れから下り基調  に変わると大屋ディアパークスキー場入口。しかし、何故か「ここじゃない」と行き過ぎ、 ぐんぐん下って不動滝遊歩道入口でおかしいことに気づく。道路地図を見ると明らかに行 きすぎ。さっきのスキー場がそうだろうと戻る。はじめの駐車場でロッジふじなしの道を 若いおねえさんに聞くが不得要領。建物に入ってようやくおじさんに教えてもらえた。    ロッジふじなし前の駐車場には、早くもそれらしい人達が車のトランクを開けて準備中。 3人程集まっておられる中に小生、西川のりお並みの大きい顔を突っ込む。       「兼武さん...で、す、か?」                          「そうですが...。」                              「お久しぶりです。豊中の白夜の貴公子です。」                   「あ〜っ。どうも。」                               というわけで、かいさん、さたけさん、あきゆきさん、たじまもりさんと挨拶。そこへ大 垣さん見参。丹波のたぬきさん夫妻が10時ジャストに到着となった。今日は加古川の島 田さんのダジャレが聞けなくて淋しいと盛り上がる賑やかなオフメンバである。      さて、定刻より10分遅れで出発。スキー場のパトロールセンターの通路からゲレンデ へ出る。ディアパークの名の通り、雄ジカ1頭が繋がれており、草を喰んでいる。そして そこら中に鹿の糞。俊一君が糞を踏んだとかねちゃんに注進している。          ガイドには杉林を登るとあったが、かまわずゲレンデを行く。しかしなかなかの急登で ある。ゲレンデの上部が見えているのだが、いっかな近づいてこない。頂上に着いた時に は、額に汗が滲む。しかしそのつらさも一瞬。北が開けて妙見山、蘇武岳。西に広大な氷 ノ山がうずくまり、その右に鉢伏山が乳房のような山容を見せているのを目の当たりにす れば吹き飛んでしまう。新鮮な景色に感動。                    
ゲレンデ最高部より北西方向、紅葉の山並を
見る。一番奥が氷ノ山
 ゲレンデ上部は鮮やかな黄葉が取り巻く。その雑木の林の手前に、高さ1m程の錆びた 細い鉄柱が立っていて、見落としそうな手製の小さな木札がつけられ、登山口とマジック 書き。そこから明瞭な踏み跡が続いている。しばらくは灌木の中、落ち葉踏みしめる尾根 上のプロムナードだ。それを味わいながら、色とりどりの落ち葉を眺めていて前方への注 意がおろそかになった途端だ。急に前を遮るものが現れた。倒木だ。額を打ち、危うく眼 鏡を壊すところだった。くわばら、くわばら。                     再び現れた傾斜を登り切ると、992mピークの南東尾根。下の林道から上がってきた と思しき切り開きが合流する。ここで小休止、水補給。汗をぬぐう。周囲を眺めると、南 に植林に覆われたCa950mピークが見える。東には、これから登る藤無山が1076 mピークの後ろに鎮座。オーッ!まだまだ遠いなぁ。                
何の葉でしょうか?ルビーと見まごうばかりの紅です
 歩行再開。先程のCa950mピークの山腹に当たる檜の植林帯へ入る。鬱蒼として昼 なお暗し。だが未だ若木なので枝が邪魔。払いのけながら進む。             踏み跡はどんどん下っていく。アー折角稼いだ高度がもったいない。下りきって谷の源 頭になるジメッとしたコルを過ぎると、今度は厳しい急登が待っていた。高見山の小峠の  直上の道に似ている、文字通りの胸突き八丁。おまけに土が湿っており、滑って歩き難い。 転けたら最悪のパターンだ。時間的には5分程だったのだが、贅肉のついた体には1時間 にも思えたのだった。                                ここを過ぎるとクマザサの茂る町界尾根に出て程なく982mピークに立つ。ここで3 回目の小休止。だいぶ藤無山が迫ってきた。が、その手前の1086mピークが案外端正 だ。                                      
これから辿る藤無山への気持ちよい稜線
 更に町界を示す石標に導かれながら歩を進める。片側が植林、片側はブナ、ナラなどの 自然林。ここまで来ると、落葉樹は既に全ての葉を落として冬支度である。        1076mピークで再び小休止。西南に三室山と思しき山が現れた。その他の山は残念 ながら良く分からん。やがて頂上直下に到達。素晴らしい眺望が背後に広がる。      氷ノ山の長い稜線の最高点にはとんがり屋根の避難小屋まではっきりと見える。そして、 先程の鉢伏山から蘇武岳、妙見山。その手前は、杉ヶ沢高原。その下の谷に滝百選に選ば れた天滝があるという。東を見れば須留ヶ峰、粟鹿山。その北は床尾山系だろうか。北摂 では味わえない風景。そしてここから一登りすると藤無山山頂であった。         雑木の中の30畳程の頂上はヤブが刈り込まれ、その間に二等三角点。裸木のそこここ に新しい山名板がぶら下がる。「兵庫ふるさと50山」に選ばれてから急にメジャーにな ったようだ。展望はというと、雑木が葉を落としている加減でまあまあだが、やはり先程 の頂上手前の所がいい。                               三角点付近は先行パーティに占領されていたので、奥まった所に我々は陣取ることにす る。                                        皆さん思い思いに坐って昼食開始。小生は相変わらずのラーメンと助六寿司である。そ の間に全員で記念撮影、丹波のめだぬきさん差し入れの柿を賞味させて頂くなど和気あい あいの内に時間はアッという間に過ぎていく。丹波のたぬきさんの無線は、和歌山の伯母 子岳からの波を拾ったようだった。                            帰路はたぬきさん夫妻のお住いの氷上町周辺を話題にしながら歩く。言葉を交わしなが らの下山は忽ちの内であったが、コルへの下りに見つけたツルリンドウの実のルビーの輝 きが印象的であった。                                992.3m峰の南東尾根で戻って休憩。クッキーを頂く。往路ではチョコレート。有 り難うございました。                                14時丁度。再び、ゲレンデ。おじさんがパラセールでスタンバイOKの風待ち体制。 それを見ていると、風に乗って飛ぶクモの吐く糸が傾いた陽を反射して、光の直線を空の キャンバスに縦横に引いているのに気づいた。TVで以前、風に乗るクモを紹介していた が、それを目の当たりに出来たわけである。                      皆さん、思い思いにゲレンデを下る。パトロールセンターに集合した頃、くだんのおじ さんがようやくテイクオフ。空を舞いながら無事麓に着地、私たちの喝采を浴びたのだっ た。                                        駐車場で今日のクローズミーティング。名残を惜しみつつ、又の再会を約して本日のオ フは無事散会となった。                               そのオフから2日後。木枯らし1号が吹く寒さがやってきた。こんな寒い日でなく、小 春日和の暖かい陽光の下でオフを迎えられたことは、皆さんの精進の賜物? (#^0^#)   穏やかな快晴の空の下、折角準備したフリースの出番はなかったけれど、山は良いねぇ を実感する一日を過ごせました。皆様有り難うございました。都合が着けばまた春にご一 緒させて頂くことを楽しみにしています。                                          【同行】:あきゆきさん夫妻、大垣さん、かいさん、かねちゃん親子、佐竹さん、たじま      もりさん夫妻、丹波のたぬきさん夫妻  (50音順)          
    【タイムチャート】       6:50     自宅発       9:40     ロッジふじなし前駐車場(約685m)      10:10     スキー場パトロールセンター前      10:30〜10:35  ゲレンデ上部リフト終点      10:45〜10:55  992.3m峰南東尾根      11:02 コル      11:08〜11:15  982mピーク      11:35〜11:45  1076mピーク      11:55〜12:45  藤無山山頂(1139.2m 二等三角点)      13:34     コル      13:40〜13:50  992.3m峰南東尾根      14:00〜14:10  ゲレンデ上部リフト終点      14:25     スキー場パトロールセンター前



   藤無山のデータ

    【所在地】 兵庫県養父郡大屋町・宍粟郡一宮町
    【標高】  1139.2m(二等三角点)
    【備考】  鳥取県境運に近い奥播磨、氷ノ山の東に位置します。か
          つてはガイドに紹介されているようなヤブ山だったよう
          ですが、北麓にスキー場が出来、アプローチが楽になっ
          た現在は、ヤブもなく、比較的明瞭な踏み跡と要所にテ
          ープが巻かれています。
          JR姫路駅から山崎経由で神姫バスがありますが、本数
          が少ないので車利用が便利です。
          ■近畿百名山
    【参考】  2万5千図『戸倉峠』


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