春霞立つ半国山

亀岡市加舎より見た山容雄大な半国山塊
                           平成10年 4月 4日(土)                            天候: 晴れ                                    同行: 単独        

   北摂山系に連なる山々を語る上で、見落とせない山の一つが半国山。R477からの姿、  深山高原からの風景に、前から足跡を残したく思っていた。                   しかも登山コースが幾つかあり、車で行っても登・下山に別コースを採れる数少ない山  の一つでもある。今回は、亀岡市赤熊から音羽渓谷コースを採る。             久しぶりの早出?10時過ぎ、赤熊ハイキングコースの案内板に導かれ、音羽川にかか  る新橋を渡る。山頂まで4.5kmか..。久々に骨がありそう。 (^^;          左に音羽川の瀬音を聞きながら日差しを浴びて進み、まもなく林道終点。祠が一つ、車  2、3台は置ける広場あり。                              ここからはいよいよ10〜20cm位の石がころがる山径となる。左に音羽渓谷。次々  と5m程度の小瀑が続く。結構水量が多く、瀬音、滝音がかまびすしい。山容が大きい為  か水が豊富な山だ。がそのせいか、この山道迄がまるで沢なのである。右の山裾から沢が  合流しようと迫れば、必然的に径を横切ることになる。中には径を川と間違える水がある  のである。                                   
音羽渓谷の数多くの小瀑の内の一つ
  桧、杉の植林帯、雑木帯を交互に抜ければ、行きに見えた山がいつの間にか目の高さ、  音羽川はすぐ横に寄り添い、徐々に径は狭まる。所々に山友会の表示板。          関電ルートとの分岐を過ぎると薄暗い鞍部。径は右へカーブして傾斜を増す。       谷底のチョロチョロ水もなくなり、植林の針葉樹帯、谷の源頭を見過ごして、えぐれた  踏跡をトレース、山腹を登り詰める。そろそろ杉ケ沢コースとの合流点と思いきや、やっ  と尾根筋に飛び出した。半分朽ちた杉ケ沢・赤熊の表示板下でどっかり腰を下ろし喉を潤  す。その間に先程追い抜いた中年夫婦の方が先行していかれた。              さて、ここはT字路になっており南へ向かえば山頂。                  ネジキ、リョウブ、ミツバツツジ、北摂で見慣れた風景の中を再び進む。疎林越しに周  囲の山々がやっと顔を出してきた。が、この尾根道が結構長い。あれが山頂と思ったピー  クが唯のピーク。その奥に本当の山頂は鎮座している。クマザサがあらわれてからも暫く  喘ぎが続くのである。                              
山頂手前の尾根筋を通る登山道
  ひょっこり現れた山頂は、短い芝草の生えた中に三角点、亀岡市の山名板、そしてお不  動さんの線刻された岩がある。10名ほどのボーイスカウトのメンバ、先程の夫婦、単独  行のおじさんでもう満杯の狭さ。                         
半国山頂の山名板とお不動さんの石
  お不動さんの裏で食事。例によっておにぎりと1L入りの「おーいお茶」、みかん。    肝腎の眺望は、360度とは行かず。しかも春霞で視界は今一。亀岡市街と愛宕山は何  とか分かるが、丹波の山は勉強不足です。西に剣尾山らしき山発見も、木々に邪魔されて  深山のドームは分からず仕舞いであった。                        というわけで今回は短い滞在時間で下山にかかる。腰辺りまで来るクマザサの中を進み  南を目指す。一旦急下降した後はプロムナード。ゆるゆると下降、アセビの花が馥郁と香  る。                                         井出・るり渓分岐道標に出る手前はアセビ、ヤマツツジなど雑木の下に低いクマザサが  繁り、大台ヶ原を彷彿とさせる風景だ。ウグイスがすぐ近くで鳴く。ツーピーツーピーは  シジュウカラかヤマガラか?。                           5分程、沢の源頭のような緩い傾斜の灌木帯を進む。井出への分岐を見送る。宮川への  標識はない。しかし道はしっかりしており、概ね北方向に延びる。             前方にミニ槍ケ岳のような岩が現れた。エアリアマップにある岩峰であろう。高さ3m  程の地獄?の針の山。                                平たい岩のかけらが散乱するところを過ぎてまもなく径が二股に分岐する。下(左)へ行  く方が広い。でもテープは上(右)の狭い方の径に巻かれて有る。テープを信じて右へ、  一寸心細い。しかもやや登り。このルート、さっきからMPCとマジックで書かれたテー  プをよく見かけるのだが、ここにもあった。やや安心する。                径は山腹を巻いた後、ようやく下りだして、時々、麓の宮前であろうか集落が見え隠れ  するようになり、木々の間が窓のように空いた向こうに、一度だけ金輪寺のトタン葺き屋  根も見えた。                                     斜度を増した径はガレ場を下り、植林帯のジメッとした中を沢沿いに前方の明るみを目   指すと、ぽっかりと舗装された林道に飛び出した。「宮川−半国山」の標識あり。しかし、  その登山口は沢の流れの中、まるで小川の様だった。こちらから登ろうとすると一寸最初  は不安だったろうな。                                 とりあえず林道を下る。が、いつまで歩いても金輪寺に出ない。渓流沿いにかなり下っ  たところでエアリアマップを見ると金輪寺へは逆だった。下りという先入観が邪魔をした  ようだ。しようがない。観察モードでぶらつく。                     そこここで咲くタチツボスミレに混じって白い可憐な花がある。ミヤマカタバミだ。オ  オイヌノフグリも点々と青いアクセント。春の日差しが心地いい。             集落へ出る手前、川に飛び石が敷かれている。清流を渡ると延喜式内社宮川神社の前に  出た。その前に案内板がある。それによれば今歩いてきたのはどうも車道で、ハイキング  道は神社横から金輪寺へ向かうのが正当のようだ。                    尚、下山からここまで一人の人にも会わずの静かな歩行でした。             さて、宮前の集落の中を旧R372へ。宮前郵便局横に電気店、古い懐かしいナショナ  ルの看板を見つける。電気釜、絞りハンドル付き洗濯機の絵。写真に撮る。      
亀岡市宮前集落の電気屋の昔懐かしい看板
   うらうらとした昼下がり、旧道をブラブラと赤熊へ戻る。ふと見ると道端に土筆が..。  ローソンの袋があったっけ。                              結局、袋一杯の収穫。今夜は土筆の卵とじで一杯が楽しみだ。              春に霞む丹波路、14時過ぎ帰途につく。行程約10km。久しぶりにしっとりした山  らしい山を歩きました。                             
   【タイムチャート】     8:35    自宅発    10:07    赤熊バス停(赤熊コース登山口)(180m)    10:20    林道終点    10:57    関電ルート分岐    11:11〜18  杉ケ沢コース出合(約620m)    11:35    山頂(774.2m 三等三角点)    12:05    下山    12:15    るり渓分岐    12:20    井出分岐    13:00    林道出合(宮川コース登山口)    13:25    宮川神社前    14:10    赤熊バス停   

   半国山のデータ

   【所在地】京都府亀岡市
   【標高】 774.2m
   【備考】 正確な所在地は南丹波になりますが、北摂山系に連なる名山の一つ。
        丹波の半分を見渡せることからその名があります。当域では珍しく
        広い裾野を南側に持っており、R477本梅付近からの姿は雄大で
        す。
        主な登山コースは上記の他に、井出コース、杉ケ沢コース、千が畑
        コースなどがあります。
        交通機関はJR亀岡等から京都交通バスがありますが、本数が少ない
        ので注意。
 

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