千代山?実は五月山〜日溜まりピークハント

五月山ドライブウェイから千代山を望む
                            平成10年12月19日(土)                             天候:晴れ                                      同行:単独         
   千代山という名の山をご存じでしょうか?知っていればかなりの通? (^^)/         エアリアマップを見ていて気づいたのだが、実は池田の通称五月山の正式名称。一人前   に三角点も持っているのだ。しかし、五月山以外の名前では誰も呼ばないであろう、そん   な低山へ今日は日溜まりピークハント。                          いつもの例に漏れず今回も昼からの出発。なみはや国体の時に出来た池田市の体育館駐   車場に車を置く。                                    ポカポカと暖かい日差しの中、府道を少々戻り、杉が谷川沿いに池田市の都市緑化植物   園を目指す。                                      すぐに温室が見えてきた。ところで登山道はと?水やり中の女性職員の方に聞くと、裏   に回った所に道標があるという。左手から裏に出てみると、ひょうたん島コース、杉が谷   コースの分岐道標が目に留まる。どちらを採るか迷うが、なんとなく谷沿いに右に向かう   ことにした。                                      まず迎えてくれたのが、厚さ5cmはあろうかというベージュの素晴らしい落ち葉の絨   毯。クヌギ、ナラ等の落葉樹はまだしきりに葉を落とし、カサコソと絨毯の厚みを増して   いる。落ち葉の踏みしめる音に時折、バサッとキジバトが足下から飛び上がるのにドキッ   とする。車の音も消え、静かな散策路だ。                     
杉が谷コースの落ち葉の絨毯
   右手の谷が徐々に深くなる。谷向こうでは数人の人が山仕事。               やがて砂防堰堤が前を遮る。路が無くなった。と、堰堤左側にナイロンロープ。ここを   よじ登るようだ。(といっても大人の身長程度です)                    堰堤の上に出ると沢沿いの路は一気に狭くなり山路らしくなる。フユイチゴのルビー色   の実が綺麗だ。しかし本当に冬?と思えるほどの暖かさ。一気に汗が噴き出してきた。こ   の時期、こんなに汗を拭き拭きの山歩きも珍しい。                     右側の流れが溝程度になる頃、右にカーブした路は湿っぽく、周囲は笹が茂るようにな   る。低山なのになかなか深山の趣。前には大きなエノキが立っている。            沢の源頭を詰めると、T字路に出くわた。道標には「自然とふれあいコース」とある。   左は五月台、右が市民の森だそうだ。ここでしばし休憩、汗を拭きつつエアリアマップを   取り出す。                                       楓の木が多い。親木は既に色褪せていたが、去年落ちた実生の紅葉はまだ色鮮やか。そ   の色に見入っている内に車の音が聞こえてきた。ドライブウェイが間近のようだ。だが路   は車道に出ず山腹を巻いている。笹の間を進むとやがて駐車場が現れ、車道の向こうは五   月山霊園。その奥の高みへと舗装路が続き、日の丸展望台が姿を見せている。         舗装路を登っていくと、背後に初めて麓の景色が見渡せるようになるが、まるで春の様   な靄が立ちこめ視界は良くない。                             左にある階段を登ると展望台前の広場に出た。嬉しいことに自販機がある。早速冷たい   お茶を購入し小休止。横に霊園の管理事務所らしい建物があり、人がいたので「駄目もと   」と三角点の在処を聞いてみる。が、案の定要領を得ない。まあ適当に捜してみるかと、   それらしいところを物色すべく展望台に向かうことにする。              螺旋階段を上っていると側の雑木林に白い札が懸かっているのを発見した。目を凝らす   と「千代山」と書かれてあるではないか。多分その辺じゃないかと思っていたのだが、し   めしめ、後で行ってみよう。                               誰もいない展望台最上階に立つ。しかし、通常なら池田から宝塚、川西と見渡せるはず   が霞んでさっぱり。東の六個山のドーム状の山容と、天上ヶ岳方面の意外にボリュームの   ある姿のみが印象に残ったのみ。                             展望は諦めて先程の雑木林に向かう。すぐに踏み跡が見つかった。ブッシュをかき分け   ていくと先程の木札は山名板ではなく頂上方向を示す標識。五月台山友会とある。それに   従い余り明瞭でない踏み跡を辿っていくと、すぐに例の「三角点を大切にしましょう」の   白い棒があった。その横には角のかけた三等三角点の石標。花崗岩製で、「点」が旧仮名   遣いなのが嬉しい。但し、雑木の中、展望はゼロである。近くの木に平成4年に懸けられ   たらしい山名板が一つ。やっぱり余り知られていないようだ。            
雑木の中にひっそりと三等三角点の標石
   石標にタッチした後、車道に戻って豊能自然歩道の道標に従い、今度は山の家を目指し   て下ることにする。駐車場の案内図によれば五月平・大文字コースというそうだ。       左右から笹が被さるが踏み跡は明瞭。しかし人気の五月山にしてはあまり歩かれていな   い雰囲気、南に延びた尾根上を進んでいく。尾根が途切れるところからは、たかが低山と   馬鹿に出来ぬ程の結構な急降下。しかも落ち葉が滑って始末が悪い。所々にロープが渡し   てあるのが有り難いのだが、やっぱり尻餅をついてしまった。                ところで今回は一度もテープを見ない。その代わりが池田市消防本部の火の用心の丸い   標識のようだ。そうこうする内にあっと言う間に家並みが見え、飛び出した所は五月丘の   十字路であった。                                   「ん?」山の家がなかったなあ。大文字も...。どこかで間違ったのか、山の家の東側   に出てきてしまった。次に来る時は山の家から登ってみるか。(^^);              市街地近くで短い間ではあるが意外に深山の雰囲気を味わわせてくれた五月山。又一つ、   昼過ぎからフラッと出掛けられる所が増えたわいとほくそ笑む白夜の貴公子であります。
     【タイムチャート】      12:35     自宅発      13:05     池田市体育館駐車場      13:13     池田市都市緑化植物園      13:25     堰堤      13:36     自然とふれあいコース出合い      13:45     五月山霊園      13:53〜14:07  日の丸展望台      14:13     千代山山頂(315.3m 三等三角点)      14:25     五月山霊園      14:50     五月丘      15:05     池田市体育館駐車場
  千代山(五月山)のデータ    【所在地】 大阪府池田市    【標高】  315.3m(三等三角点)    【備考】  箕面山系が猪名川にその高みを扼される最西端の高まりを総称          して五月山と呼び、三角点が置かれているのが千代山です。多          くの登山道があり、種々組み合わせて変化をつけることが出来          ます。更に、西の中腹から麓にかけては池田市によって五月山          公園として整備され、動物園、植物園もあり、また桜の名所と          しても有名です。また、8月には「がんがら火祭り」が催され、          花火大会、大文字の火が焚かれます。          尚、「呉春」は五月山の南麓で醸される銘酒です。阪急池田駅          が便利です。
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