エルニーニョ現象とやらで暖冬予報が出ていたこの冬、ところがどっこい例年以上の寒
い冬。原油価格の下落でいいものの、例年通りだったらどれだけ暖房費がかさんだことだ
ろう。(^^; そんなことで行く山は雪の心配のない低山ばかり。今日も山友さんと甲山の
北側の低山へ。ゆっくり食事をしても3時間ほどで周回できる500m足らずの山並だが、
なかなか馬鹿には出来ない展望が得られる山です。
Mさんとは阪急夙川駅前のバス乗り場で8時過ぎに待ち合わせ。事前にスマホで調べて
みると、夙川には特急が停車するので、7:40に電車に乗れば良い。これは便利。
バス停で待っているとクリーム色と青色のいつもの阪急バスとは違う塗装のバスがやっ
て来た。「さくらやまなみバス」というそうだが、しかも途中のバス停をパスしていくの
で快適、20分足らずで起点の「かぶとやま荘」に到着した。
今日は樫ヶ峰から社家郷山にかけてのんびり歩く。ここは10年以上も前に歩いたこと
がある。いい展望を眺めながら食事した覚えがある。その時は東の宝塚方面から取付いた
のだが、今日は南から登って南に降りる算段である。まずは取付きにと、県営の保養施設
六甲保養荘の玄関を過ぎて道なりに広い坂道を登ろうとしたら、ちょうどそこへジモティ
ーらしい小父さんが降りてきた。その道は行き止まりだという。樫ヶ峰へはその右の小道
からだといって先を歩いていく。確かに道の曲がり際に小道があって、手製の道標が地面
立ててある。この先、テープ類はほとんど見当たらなかったが、要所に樫ヶ峰ルートを示
す小鳥を描いた青い案内プレートが目印になる。
雨が降ると水溜りが現れるという長谷原と呼ぶ湿り気を帯びた平地を抜けると、ウラジ
ロシダの茂る中に、どこかで見かけたようなプラ階段が現れた。案の定、高圧鉄塔の案内
標識がある。良く整備されていると思ったらやはり関電の巡視道だったのだ。地形図の等
高線ほどきつい登りもなく高圧鉄塔横に出て尾根に取り付く。
振り返れば六甲保養荘の屋根が小さくなっている。お椀を伏せたような甲山に阪神競馬
場が真正面にある。そして市街地には雲海のように霞がたなびき、ニョッキリと高層ビル
がその頭を突き出している。中でも阿倍野ハルカスは一際高い。その向こうには生駒、葛
城、金剛の山並がまるで大きな島のように霞の海に浮かんでいるのが見える。少し登って
来ただけなのにこれだけの展望が得られるとは、誠にコストパフォーマンスがいい。(笑)
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高圧鉄塔付近から。地平の左は生駒、右は金剛葛城の山並み
霞みの中に高層ビルが頭を出す。右手は海 |
前方に社家郷山の稜線が望めるようになると、ようやくやや急登の尾根道となる。小さ
な偽ピークが幾つか現れ、その度に一旦下りながら徐々に高度を上げていくと、やがて以
前に歩いた宝塚からのルートと合流する。樫ヶ峰の山頂は思いの外広く、山頂プレートが
あるのは、出合から30mばかり西へ歩いた地点である。
常緑樹が茂り、展望は思うに任せない。一息入れた後は社家郷山最高峰に向かって東へ
稜線歩き。今回のハイライト、短いが馬の背がある。花崗岩の崩れた砂と露岩で立ち木が
少ないので展望が良い。譲葉台の老人ホームや六甲の山並みと東六甲のドライブウェイも
すぐそこ。右手下方にも細い稜線が見え、その先がキレット状になっているように見える。
馬の背のオフィシャル道標を過ぎる。前回はこの辺りで食事したような。
前方から黄色い声が響いてくる。それは着かず離れずで前を行くようだったが、社家郷
山最高峰で小休止していた”昔お嬢さん”のグループ。最も年配の方がリーダーらしく、
小笠峠を経て大平山へ向かうとのことである。
女性グループと別れて、我々は社家郷山最高峰から南の尾根を採る。西に行けば女性グ
ループが辿る小笠峰から小笠峠で、ドライブウェイと合流して東六甲縦走路にも行けるし、
ゆずり葉台へ下ることもできる。南の尾根道は所々に吊るされた標識には林間ルートと記
されている。エアリアマップには双子岩やくずれ壁岩などと名づけられた岩の印があって、
面白そうだと期待感を持たせるのだが、現れた岩を見て思わずつんのめってしまった。確
かに赤っぽい二つ並んだ岩なのだが、高さ1mばかりの、岩というよりどうみても”石”
である。本当にこれが昭文社の地図にも載っている岩なのか?キョロキョロ探してみても
他にそれらしい岩はない。ならば、くずれ壁岩も...。それらしい岩は尾根道にはなく、
昼食を摂った東屋から下る途上、道から50mばかり離れた所に赤っぽいザレ気味の10
m弱の崖みたいなのが樹間から望めたのがそれらしかった。
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双子岩。こんなに小さいの?と首をひねるMさん
エアリアにも記載があるのだが... |
左にキレットルートが通ずる中尾根を見ながら、ゆっくりと高度を下げていく。林間ル
ートというだけあって、見えるのは中尾根とその向こうの樫ヶ峰程度。でも全山二次林、
三次林の雑木林で雰囲気がいい。ただ一つ、ドライブウェイを走るバイクの騒音ががうる
さいのが玉にキズ。(^^;
ちょっと早いが、食事に向いた展望のいい場所はとどんどん下るうちに、かなり下って
前方に東屋が見えてきた。御誂え向きにテーブルもあってしかも最高に展望良し。真正面
の甲山を肴に食事にするべくザックを置く。
東屋から10分も下れば四季の道と名づけられた遊歩道と合流する。もうこの辺りは社
家郷山キャンプ場の敷地のようだ。右へ進路を採ると、やがてキャンプ場敷地のゲートが
現れた。左に折れて小川にかかる木橋を渡って、後は取付け道をズンズン進む。大きな丸
太を渡したゲートを潜ってコンクリート階段を下ると車道。太い丸太には社家郷山キャン
プ場の文字がある。六甲保養荘前のバス停まではほんの1、2分であった。
11年振りの社家郷山界隈。ミツバツツジの花芽もやや膨らんで、野鳥の声も心なしか
賑やかに聞こえる。ここのところ寒い日が続くけれど、着実に春は近づいているようです。
【タイムチャート】 |
08:05〜08:20 | 阪急夙川駅(集合地) |
08:40〜08:48 | かぶと山荘 |
08:50 | 樫ヶ峰登山口 |
09:03〜09:05 | 高圧鉄塔 |
09:30 | 宝塚ルート出合 |
09:31〜09:33 | 樫ヶ峰(457m) |
09:39 | 馬ノ背岩 |
09:44〜09:46 | 東三ツ辻 |
10:02〜10:08 | 西三ツ辻(社家郷山(489m)) |
10:25〜10:59 | 東屋(昼食) |
11:10〜11:15 | 長谷峠(キレットルート出合) |
11:30〜11:31 | 社家郷キャンプ場入口 |
11:33 | かぶと山荘バス停 |
■今回のコースはこちら
樫ヶ峰、社家郷山のデータ |
【所在地】 | 兵庫県西宮市、宝塚市 |
【標高】 | 457m(樫ヶ峰)、489m(社家郷山) |
【備考】 |
逆瀬川を挟んで北の東六甲と、南の甲山の間に派生する
山塊です。小規模ながら自然林の中を縦走でき、中間に
は馬ノ背もあって展望もよく、家族で楽しめます。南麓
に西宮市の社家郷キャンプ場があります。 |
【参考】 | 国土地理院電子地図 |
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