金剛山〜スノーハイクで文殊東尾から細尾

地蔵の辻から湧出岳と葛木岳(左)
平成27年 2月15日(日)
【天候】曇り時々晴れ
【同行】別掲


 ロープウェイ前のバスターミナルにバスが着く毎に沢山の人が吐き出される。前日まで
の寒波で降った雪でスノーハイクを楽しもうという人が多いのだろう、広場は大賑わいだ。
ニ、三顔見知りの顔もある。ここは金剛山。今月の月例オフの舞台である。

 初参加のPさんが渋滞に巻き込まれて少し到着が遅れたが、無事全員が集合して自己紹
介の後、メインルートの伏見峠道を登る。登山口には靴下や簡易アイゼンを売る露店も出
ている。ルートに入ってすぐに右の桧林の間に踏み跡がある。これが下山コースに採る予
定の細尾コースのゴールなのだそうだ。ほぼ同じ地点に戻ってこれるとはなんと効率の良
いことか。(笑)

ハイカーが引きも切らず登って行く伏見峠コース
路面はアイスバーン
文殊東尾入口。まだこの辺りは大丈夫だったが...
 文殊東尾のコース入口は登山口から10分くらいだろうか。今度は左の植林帯に上がる 明瞭な小道で、サブメインコースと呼んでも差し支えない。切り返すように急斜面を一気 に上がっていく。これまでの伏見道も雪が踏まれて所々アイスバーンになっていたが、丸 木の土止め階段道を登るに従って雪の量が増え、しかもバリバリの状態で、不用意に体重 を乗せると滑ってしまう。なるべく水平の地面に足を踏み鳴らすようにドンと靴底を着く。 なんとか急斜面をこなして支尾根に上がった所で全員、アイゼン装着。昨日、簡易アイゼ ンを点検していたら合成ゴムのベルトが切れたので、持参はカジタックスの六本歯。10 年ぶり。一寸手間取って女性陣にアシストを受けてしまった。まことに面目ない。(^^;;  流石にアイゼンの威力。滑っていたのが嘘のよう。ガシガシと凍結部分に喰い込む。そ の音が標高を稼ぐ間に次第にザクッ、ザクッへと変化する。雪が深くなってきたのだ。雪 嫌いの小生、内心(帰ろっかな)。といっても山頂付近でもせいぜい10cm強くらいで、 普通の人にとっては全く大したことはないのである。(笑)
尾根に上がると一面の雪になってきた
 文殊東尾根に上がると植林が途切れて、自然林の中にブナもチラホラ現れてくる。梢に 残る雪は常緑樹含めてほとんどなく、雨上がりならぬ雪上がりによくある雪爆弾攻撃も心 配がない。(^^/ 左手に見えるのは大和葛城山らしいが曇り空に少々霞んでいる。  小さなアップダウンをこなし、やや緩くなってきた桧林の斜面を進む。やがて五輪塔が 並ぶ立派な墓所の前に出た。葛木家墓所とある。葛木神社代々の神職の墓地だが、なぜか あまり小生の記憶にない。金剛山には都合両手に余るほどの回数訪れているはずだが、ル ートをあまり覚えていないのだ。金剛山を知悉したメンバと来ることが多いので、ずぼら をして自分で何も考えないからであろう。(^^ゝ  神社の裏手から国見城跡の広場へ。どこかの遊園地ではないかと見紛うばかりの人出に はびっくりする。今年一番の人出じゃないかの声もある。一段上がった場所で大休止とす る。プラスチックのソリで遊ぶ子供が大はしゃぎである。
Rさん丹精の豚汁で暖を取る
 食事はRさんが持ち込んでくれた豚汁。ザックの簡易寒暖計を手に取れば、気温は正午 でほぼ0℃。豚汁のカップから上がる湯気がなんともいえないご馳走である。  売店と社務所の間の細道から葛木神社の裏手に廻ると何人かの人が集まっている。野鳥 の餌付け場所である。餌を手のひらに乗せれば、ブナやナラの梢にいたコガラやシジュウ カラが忙しく飛び回りながら近づいてくる。そしてお気に入りの餌を見つけるや恐れ気も なく手に飛び乗って素早く餌を啄ばむと、さっさと元居た枝に戻っていく。結構、珍しい 鳥も来るのだそうだ。写真を狙ってみたが、なかなか小さい被写体をピントに捕らえるの は難しい。  水越峠への分岐に出て、次は伏見峠へと向かう。ここもアイスバーンでバリバリである。 一等三角点のある湧出岳を左に見て、1kmばかり歩くと千早園地。ここも雪で遊ぶ親子連 れで芋の子を洗うような盛況である。あちらこちらで上がる子供の歓声につられてか、曇 りがちだった空にもやや青みが現れ、いつの間にか薄日も射してくる。
千早園地にて。何がモデルか聞いたけれど忘れた (^^ゞ
 下山に使う細尾(地蔵尾根)の降下点は、伏見峠の出合を直進し、千早峠方面に1km弱 入った地点にある。一旦、1,022m標高点まで30mばかり木の階段道を登って下る と石地蔵の辻が見えてくる。北に金剛山の最高峰の葛木岳と三角点峰の湧出岳が仲良く並 んでいるのが見られる地点だ。但し、背の高い落葉樹があるので、眺めることができるの は冬枯れの今の時季だけだろう。
地蔵の辻にて
 お地蔵さんの前で小休止した後に出発。千早峠方面への道は左側に下りて行くが、細尾 へはお地蔵さんの祠の前を直進する。このお地蔵さん居るということで、通称地蔵尾根と 呼ぶということだ。ここも歩く適期はこの時季で、夏は熊笹が被さり、ダニも嫌がられて 歩く人は少ないのだという。適期といわれる今でも、あの山頂の喧騒からは雲泥の差の静 けさで、熊笹の茂みの手前の雪に一人の足跡があるきりである。出発しようとした頃に地 蔵の祠にやってきたカメラ小父さんも、下る我々を見て一寸怪訝な顔をしていた。
地蔵の辻から細尾で下山
 尾根は左が植林、右が自然林という境目になっており、意外に顕著な尾根でちゃんとは っきりした踏み跡もある。人の声がすると思ったら、ロープウェイの山上駅のスピーカー から流れてくる乗車を促す声らしい。それもそのはず伏見谷を隔てた右手の山の中腹には、 山上駅と千早ミュージアムの建物が思いの他、指呼の近さにある。  時折、植林の中に幅広の道が分かれてゆくが、細尾のルートは分岐の道より細くとも、 ひたすら尾根に忠実に辿っていけばいいのだという。次第に傾斜を増しながら植林帯に突 入してしばらくすると、聞きなれない唸るような動力音が聞こえてきた。すると突然植林 が開けて鉄の支柱が現れた。そこへタイミングよく山上方面からロープウェイの懸垂車両 が下ってくるではないか。車両は満員の客を乗せて、我々のほんのすぐ鼻先をかすめて通 過していく。手を振ると乗客も振りかえす。お地蔵さんの前で、手を伸ばせば届くくらい だと前もって話には聞いてはいたのだけれど、それは誇張ではなく全く話の通りなのであ った。(笑)
鼻先をかすめてロープウェイが通過する
覗くと千早駅が見えた。もう意外に麓は近い
 再び植林帯に入る。ほんの数日前に間伐されたような桧の幹が転がる。枝葉が散乱した 急斜面をジグザグに折り返しながらどんどん下る。そのうちに右下に舗装された坂道が白 っぽくチラチラ見え隠れし始め、カラフルな防寒着のハイカーの声も上がってくる。伏見 峠道だ。しばらくその伏見峠道と並行しながら歩いて、谷川が向こう側に移ったとみるや、 道は伏見峠道と合流する。ほんのすぐそこに伏見道の登山口がある。アイゼンや靴下を売 る露店がまだ店開きしている。沢で泥だらけのアイゼンをすすいで車道に立ち、賑やかな オフを終える。
伏見道に合流
 前日までの寒さから一転、晴れぬまでも穏やかさを取り戻した日曜日。スノーハイクオ フとしては絶妙のタイミングだったのではないだろうか。参加できてよかった。幹事のR さんはじめ、参加の皆さんありがとうございました。今夜の晩酌の肴にと、恒例、まつま さの豆腐と厚揚げを買って帰途に着く。パラパラと小雨が来たがすぐにやんだ。
【タイムチャート】
08:10自宅発
09:25〜09:30ロープウェイ前駐車場(駐車地)
09:35〜10:25ロープウェイ前バス停
10:25伏見峠ルート登山口
10:35妙見尾ルート分岐
10:50〜10:55 支尾根出合
11:45〜11:46葛木家墓所
11:52〜12:40 国見城址(昼食)
12:50〜13:00野鳥餌付け地点
13:20〜13:30
千早園地
13:32伏見峠
13:45〜13:53石地蔵(細尾取付)
14:10〜14:11ロープウェイ支柱
14:34〜14:38伏見峠ルート出合
14:38伏見峠ルート登山口
14:40ロープウェイ前駐車場(駐車地)
■同行:北山さん、二輪草さん夫妻、パピレオさん、蓮さん、SACHIさん(五十音順) ■今回のルートはこちら


金剛山のデータ
【所在地】大阪府南河内郡千早赤阪村、奈良県御所市
【標高】 1,125m(葛木岳)
(一等三角点『湧出岳』1,111.9m)
【備考】 大阪府と奈良県の県境にあって大阪府の最高峰で、金剛
生駒紀泉国定公園に指定され、大阪全域から葛城山と並
んで望むことが出来ます。手軽に納涼ハイクや雪山が愉
しめ、四季賑わいます。山上に香楠荘があり宿泊も可能
です。近鉄富田林駅、南海河内長野駅からバス便があり
ます。
【参考】
金剛葛城自然歩道ダイヤモンドトレール地図



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