大岩岳散歩、春隣

東大岩岳の岩から望む大岩岳(右)と南大岩岳(仮称)(左)。遠景は六甲山

平成26年 2月 1日(土)
【天候】晴れ時々曇り
【同行】単独


 今日土曜はまだしも日曜は天候芳しからずという。とはいえテンションが今いち上がら
ず、朝早くから出かける気力も金もない。(^^; こんな時、ふらっと向かうのが北摂三田
は大岩岳周辺。人工林がほとんどない上に、県や市の所有林なのでハンターもおらず安心
なのだ。しかも車で1時間程度と近い。

 またもサンデーモーニングのスポーツコーナーを見てしまう。その前の報道コーナーで
のコメンテーターの屁みたいな下らぬコメントは聞きたくもないが、このコーナーは面白
い。担当の唐橋さんもよろしい!(笑) そんなことで10時半も過ぎてようやくの出発。
昼の食べ物を近くのコンビニで仕入れて、1時間あまりで西谷の森公園前を抜けて宝塚市
境野の農道終点に到着。珍しや数台の先着車がある。

 節分間近とはいえまだまだ寒の内。が、今日明日の季節外れのぽかぽか陽気は桜の咲く
頃に匹敵するという。用意する間に虫の羽音が耳に飛び込んできた。

 一応タブレットには地形図を収めてきているものの、どう歩くかもはっきり決めておら
ず気まぐれの行き当たりばったり。とりあえず西コースで廻るとしよう。丸山の分岐を左
へ、更に湿原方向の道を左に見送って小さな流れに沿いながら進む。10年以上前に初め
て大岩岳に登ったのは多分このコースだったと思う。当時はまだこれほど整備されておら
ず、初心者にとっては地形も顕著でなく枝道も多くて悩ましかった記憶がある。昔はザレ
場だったような記憶がある高み辺りに東山橋への分岐がある。もやって白っぽい空からぽ
かぽかと日光。そこここのミツバツツジの枝先も心なしか膨らんできた感じがする。ヒサ
カキの花の懐かしいガス臭に包まれるのまもなくだ。

 小一時間で東山橋・千苅ダム方面との三叉路。ハイキング道の交差点みたいな場所で、
もちろん信号なんてものはないが、色とりどりのテープが木々に巻かれている。大岩岳方
面へ右に折れ緩い谷に入る。小川沿いは大水が流れたからか猪が掘り返したからか、崩れ
て荒れているが、歩くには支障はない。まもなく人間の頭大の石がゴロゴロ転がる箇所に
行き当たる。注意すると左手上方に大きな露岩があるのが分かる。

大きな石の間を登る大岩岳最短コース

 来る度に踏み跡が顕著になっている。下の立ち木に留められた、大岩岳の方向を示す私
製標識が目立つ所為で、正規コースを最後まで辿らずこちらを正規コースと見做す人が多
いのだろう。(笑) 大岩は赤茶けて小野アルプスの紅岩と同じ組成のようだ。その大岩の
横に立つと六甲方面が見晴らせるが今日はいつになく白っぽい。

大岩岳南の岩稜から眺める東大岩岳と竜の背

 露岩の上に出るともう大した坂はない。ソヨゴや小さな松が生える痩せ地を進むと、対
極に東大岩岳の露岩や竜の背と呼ばれる岩稜が眺められる。丁度その時。正午のサイレン
が聞こえてきた。道理で腹の虫が鳴くはずである。

 山頂方向から人の声が流れてくる。やはり思ったとおり多くの人が入山しているみたい。
山頂に飛び出ると20名近くの団体さんがお昼時である。少し離れて北東への降り口近く
の露岩で小休止。額の汗をぬぐう。それにしても2月になったばかりなのに暑いくらいだ。
これでは「着更着(如月)」ならぬ「脱ぎ更脱ぎ」だ。(笑)

 北東側の急坂を下りていくとまもなく丸山からの東西コースの分岐道標がある。西コー
スはここから南へ下っていく浅い谷の中を下るのだが、その谷を西の大岩岳とともに形作
っている東側の尾根がある。最高峰は東大岩岳とほぼ同じ高さのCa360mで、三角形の
なかなかそそる形をしている。ちょっと寄って行くことにしよう。

 いい塩梅に境界見出し杭の切開きがある。以前はなかったように記憶しているが、例に
よって記憶違いかも。大した抵抗もなく雑木林の中を進む。Ca350mの小ピークを越え
ると最高峰が見えてくる。木の間隠れに大岩岳を真東から見る位置にいるのが分かる。ち
ょっとしたザレ地を抜けると再び雑木の中。ずるずる滑る最後の傾斜を我慢するとすぐに
山頂に行き着く。もうちょっと展望があるかと思いきや皆無である。山名プレートも当然
なし。この後に登った東大岩岳からいい姿に見えたので、無名ピークであるのも可哀想だ。
東大岩岳と大岩岳の南に位置するので『南大岩岳』と私的には呼ばせてもらおう。(笑)

南大岩岳(仮称)山頂は展望無し

 東コースの道に戻って東大岩岳の取付きの目印になるオフィシャルの道標へ移動。大岩
岳から登山者の姿があるのを確認していたが、岩の下でその人たちであろう下山する男女
3名のグループとすれ違う。多分もう山頂は無人で独り占めできるだろう。(笑) それに
しても東大岩岳の登路もますます明瞭になったものだ。
 東大岩岳のプレート横の岩で昼食。この岩での昼食はこれで都合三度目だ。(笑) 千苅
ダム湖の小さい浮島、大岩岳や先に登った『南大岩岳』、向山や羽束山も眺められ気分が
良い。すするラーメンも美味いというものだ。久しぶりに食後のコーヒーも飲んでまった
りと1時間ばかり過ごす。
東大岩岳から。羽束山が霞む

 東西分岐に戻って西コースを下る。ほんの5分で往路の石ゴロの箇所。後は三叉路に出
て、30分で駐車地に戻る。

 文字通り春隣の陽気に誘われてやってきた大岩岳。手軽な割りに結構楽しめる山域であ
ることがあらためて感じられた半日の散歩でした。



【タイムチャート】
10:30自宅発
11:35〜11:40境野農道終点(駐車地)
12:05東山橋分岐の三叉路
12:10〜12:12岩場分岐
12:26〜12:30大岩岳(384.1m 二等三角点『千苅』)
12:35東・西コース分岐
12:45〜12:46南大岩岳(仮称)(Ca360m)
12:53東・西コース分岐
12:59〜13:40東大岩岳(370.2m)
13:45東・西コース分岐
13:55東山橋分岐の三叉路
14:20境野農道終点(駐車地)

■今回のルートはこちら


大岩岳のデータ
【所在地】兵庫県神戸市、宝塚市、三田市
【標高】384.1m(二等三角点)
【備考】
神戸市の千苅水源地の東に位置する低山です。水源地の
周囲は水源涵養林として兵庫県が所有している為、よく
自然が残されています。近年、整備され歩きよくなりま
した。最寄は阪急宝塚駅から阪急田園バスで境野又はJ
R福知山線道場駅です。
東大岩岳のデータ
【所在地】兵庫県宝塚市
【標高】Ca360m
【備考】 大岩岳の東のコルを隔てた双耳峰です。山頂に大きな岩
があり、また北のピークとの間は岩が馬の背を形成して
おり、展望も絶佳です。
南大岩岳(仮称)のデータ
【所在地】兵庫県宝塚市
【標高】370.2m
【備考】 大岩岳と東大岩岳の南に位置する無名峰です。展望はあ
りませんが、大岩岳からも目立つ綺麗な形をしている為、
仮に南大岩岳と命名してみました。
【参考】
2.5万図『武田尾』



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