行者山、岩倉山〜初冬の宝塚奥座敷の山

行者山東観峰から見る岩倉山の反射板
平成26年12月13日(土)
【天候】晴れ時々曇り
【同行】別掲


 師走のオフは例年飲み会が控えていたりして遠出はなし。今回も東六甲界隈、いわば宝
塚の奥座敷に当たる低山徘徊である。この辺りは昔、一度、東六甲縦走路を歩いたことが
ある。しかし、幹事はバリエーションルートが好きなKさん。距離は短いが一味違ったル
ートを紹介してくれました。

 近場で比較的距離が短いということで、集合は阪急宝塚駅に10時と比較的遅め。9時
に自宅を出れば、コンビニに寄っても十分間に合う。(^^; 気象台には寒い寒いと脅かさ
れたが、快晴で風もそれほどでなく、日に当たれば結構暖かい。

 5分前ほどに着いたらもう全員集まっている。Kさんから今日の行程図、先の愛宕山の
手書き全貌地図をもらう。誰の作か、しかしまあ良く調べたものだ。とてもじゃないが真
似出来ません。(笑)

 駅前をまっすぐに、宝来橋を渡ったホテル若水の前を左折する。マンション街を抜ける
と、徐々に傾斜地になり、とてつもない階段道に出くわす。途中にベンチが二つもある!
これは高齢者には大変だ。お袋が亡くなって以後、なんだかとみに高齢者のことが気にか
かるのだ。(^^;

 階段を克服すると武庫山ふれあい公園。町内会の餅つき大会があるようだ。蒸篭から蒸
気が上がり、餡が沢山丸めてある。食べて行きたい誘惑に駆られる。

 ゆっくりと広い道を登る。ほとんど人を見かけない。この辺りは高級住宅地。瀟洒な家
が連なり、駐車してある車も違うなあ。感心しきりの小生である。と、これから先はブロ
グやHPに公開するに少々憚りがあるとのことで、中略。要するに光ガ丘中学校の横に出
るのだ。住宅街の傍に素晴しい雑木林があり、コナラやアベマキ、ソヨゴ、それにタカノ
ツメの甘い匂いやマンリョウの赤い実が印象的だったとだけ記しておこう。

光が丘中学校付近から岩倉山東尾根の黄葉
 さて、光ガ丘中学校の敷地横を歩いてゆくと前方に黄葉が素晴しい山肌が見えた。車道 が見え隠れるするのは塩尾寺へ向かう参道らしい。それにしても本来渋い色であるはずの 茶色も冬日に輝くとこれほど鮮やかになるのかと思わせる。  学校を離れ、光ガ丘の住宅街を適当に山側に向かうと、まもなく道路の先が山裾に腹に 阻まれる。道路左に一本の標柱。『行者山ハイキングコース 光ガ丘口』とあって、親切 に地図も添えられている。見ると行者山には逆瀬台口、ゆずり葉台口とか幾つか取付があ るらしい。
行者山光ガ丘登山口にて
行者山ハイキングコースの案内地図
所謂ノースアップではないので注意
 ここは直進せずすぐにせせらぎ沿いに左に折れる。黒いホースがあるのでどこかで取水 もされているようだが、澄んだ細流を渡っていよいよ山に入る。木立に隠れた砂防堤への 小道を右に過して、しっとりした雑木林を進む。流石、里山。これ以後は至る所に分岐、 枝道があって初めて来た者にはわけが分からなくなる。(笑) ただ、要所には入口にあっ たようなオフィシャルな道標があるので、それを守っている限り初心者でも心配ない。  緩々とした道は田の畦道のごとく良く踏まれている。まずは行者山東観峰へ。行者山へ の道から左に分かれて、六甲山系特有の花崗岩の砂の間に小さな露岩が埋まるごつごつし た小道を一登りする。やや険しくなるが、丈の低い松が疎らに生えるCa380mの山頂は あっという間。しかしその展望はアベノハルカスより若干高い高々400m足らずの山な のに素晴しいの一語。日の光を反射して輝く海が見え、アンテナを戴く大平山とその奥に 六甲最高峰。南西には甲山があって、緑の中に北山貯水池、深谷貯水池が良く分かる。そ の向こうは阪神の市街である。東側は宝塚から西宮の市街。阪神競馬場や武庫川の流れが 指呼。北側は岩倉山が山頂手前の反射板を見せている。
行者山東観峰から南方向
甲山や貯水池、遠くに瀬戸内海が光る
行者山東観峰から東北方向。中国道や武庫川、奥は北摂連山
市街地の中央に残された林の中を歩いてやってきた
 先ほどの分岐に戻って行者山本峰に向かう。ミツバツツジが多いので、春はここも薄い 赤紫の花盛りだろう。大した急登もなく、南展望台と名づけられた裸地に着く。左手につ いさっきまでいた東観峰の小さな円錐形がある。阪神間の市街地が東観峰より更によく見 える。遠くから若々しい声が聞こえてくるのは宝塚高校か西高でクラブ活動でもしている のだろう。
行者山東観峰
 行者山本峰はちょっとした丸い空き地だが展望がない。標柱が立っている先を数m南に 行けば少し展望があるが、特筆すべき程でもない。それより行者山とは何を根拠に名づけ られたのだろうか。それらしいものも見当たらず、険しいというでもないので修行の山で もない。一寸首をひねってしまう。そういうわけでそそくさと次の目的地、目の前に聳え る岩倉山へと行者山を後にする。
行者山山頂風景
 北方向へ道なりに降りていくと、鞍部があって小道が錯綜している。それは東六甲縦走 路へ続いていたり、譲葉台であったりややこしいが、要するに北の光ガ丘または塩尾寺方 面を目指す。すると落ち葉に覆われ洗掘された道に出る。多分、東六甲縦走路の支道だろ うが、途中で岩倉山を示す私製の板柱が現われ、踏み跡が右に別れている。少し斜度を増 した踏み跡は分岐から10分くらいで巻くように斜面を登りだすと、下界の景色が見え隠 れし始め、行者山東観峰から小さく見えていた反射板が前方に見えてくる。  幹事さんの予定では、反射板辺りの陽だまりで昼食の予定だったそうだが、折悪しく先 客が2名。ここは空間が狭いので木立の中だが風は遮れるだろうと岩倉山の本峰へ移動す ることになる。因みに反射板は阪急電鉄の所有物だそうだ。  すぐに飛び出したのは広い道。東六甲縦走路だ。岩倉山頂は縦走路からほんの少し入っ た高み。不動明王の石像を祀った石小屋があって、その前にある三等三角点も見覚えがあ る。前回はいつだったか、これで二回目の訪問である。  食事の為、じっとしていたら体が冷えて寒さが忍び寄ってくる。風も意外とあって手が かじかんでしまう。こんな時に限って雲で日が翳る。20分弱で食事は切り上げる。  北側に下りてもすぐに東六甲縦走路。六甲全縦にも使われる林道ほどもある大手道だ。 傾斜も緩く安心して歩ける。鳥居などが新調された塩尾寺の奥の院、砂山権現に寄って、 次第に花崗岩の砂が混じるごつごつとしだした道を急降下してゆくとやがて塩尾寺。「え んぺいじ」とはなかなか読めないだろう。境内は閑散として、単独小父さんがただ一人、 丸太のベンチに座ってバーナーで湯を沸かしているのみである。  ここから下は塩尾寺の参道なので狭いが車も通れる舗装路。雑談などをしながら下って いると、「あれ?」前に皆さんがいなくなったと思ったら、参道を離れ、左に延びる小尾 根を辿っている。まもなく関電の高圧鉄塔『有馬線bR0』の下。立入禁止を示すのかそ うでないのかよくわからないが、鉄塔横のトレースには黄色いテープがゴールテープのよ うに引かれている。無視して進めば小尾根はやたら狭くなり、花崗岩質の白っぽい砂で滑 る急坂となる。眼下には参道が見えるのに何で好き好んでこんなとこを、と普通人は思う だろうが、そこは普通の道を嫌うメンバ、出来る限り尾根を辿ろうというわけである。
鉄塔の尾根から劇下りを行く
 木立越しに生瀬や名塩、中山から箕面方面辺りが眺められ、中国道の防音壁が横一文字 に景色を区切る。そんな景色も楽しみつつ足元にも怠りなく下れば、いつの間にかほぼ水 平の作業道風の踏み跡となり、横に甲子園大学の敷地のフェンスが現れると、再び塩尾寺 の参道に復帰する。参道が大きくヘアピンを切る辺り、宝塚市水道局の施設がある辺りだ。
塩尾寺参道に合流。右は甲子園大学のフェンス
 後はゆるゆると車道を甲子園大学の敷地沿いに下っていく。キャンパスを離れるとやが て急流の左岸の堰堤沿いとなる。今はコンクリートで固められてしまった流れもその昔は 渓流だったろう。坂は半端な斜度でない。フーフー肩を上下させて、小学生が自転車を押 しながら上がって来た。最近、日経のネットでは都会でも限界集落化している地区がある と話題になっているが、急斜面を造成した新興住宅地は高齢者には少なからず住みづらい だろう。  閑話休題。塩尾寺の参道であることを示す十一面観音を祀った祠で左にとって、再び戻 ってきた宝来橋南詰。左手には安藤忠雄さん設計の宝塚温泉の建物がある。橋を渡れば宝 塚駅前で最寄のビル2Fにある「aa」でまずは餃子と生ビール。河岸を変えて石橋の焼 き鳥屋で夕方4時から再びアルコール。今度は日本酒の濁り酒を味わって、忘年会を兼ね た師走オフは大団円。この後、梅田の百貨店で利き酒会にも行ったという今日の後半はア ルコールまみれの人もいて、盛り上がった一日だった。皆さんお疲れ様でした。
【タイムチャート】
10:02〜10:02阪急宝塚駅(集合地)
10:15武庫山ふれあい公園
10:50光ガ丘水源地
11:02〜11:06行者山ハイキングコース光ガ丘口
11:30〜11:34行者山東観峰(389m)
11:43〜11:44行者山東展望台
11:45〜11:46行者山(415m)
11:58岩倉山反射板分岐
12:08岩倉山反射板
12:15〜12:33
岩倉山(488.4m 三等三角点『小林』)(昼食)
12:50塩尾寺
12:57鉄塔の尾根分岐
12:58高圧鉄塔(有馬線bQ0)
13:19塩尾寺参道出合(甲子園大学フェンス横)


■同行: 北山さん、高やん、たらちゃん、中井さん、二輪草さん夫妻、ハム太郎さん、
     ひろぴぃさん、水谷さん (五十音順)
■今回のルートはこちら


駒ノ尾山のデータ
【所在地】兵庫県宝塚市
【標高】488.4m(三等三角点『小林』)
【備考】 東六甲縦走路の最初の三角点ピークです。山頂は縦走路
より、やや北に入った所にあり、不動明王の石仏の祠が
あります。雑木に囲まれ展望は皆無です。
行者山のデータ
【所在地】兵庫県宝塚市
【標高】415m
【備考】
東六甲縦走路が通ずる岩倉山の南に盛り上がります。本
峰からの展望はあまりよくありませんが、やや東の展望
地、更に東に派生するピークからは阪神間や瀬戸内海、
六甲が見渡せ、手軽に絶景が愉しめます。
【参考】
国土地理院電子地図



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