振野〜花曇りの妙見でBBQの前に一山稼ぐ

妙見ケーブルから眺める振野
平成26年 4月13日(日)
【天候】曇り
【同行】別掲


 今年で2回目となる4月の妙見山BBQオフ。昨年は桜の盛りにはやや遅れたからと、
今年は二週間早めた甲斐あって、まさにどんぴしゃのタイミングに遭遇することができた。
心配した天気も崩れず、幹事さんの心遣いに感謝の一日となった。その前に腹ごなし、ビ
ールをより美味くするために一山稼いでいきましょう。(^^;

 9:30に能勢電の妙見口駅前に集合というので、ネットで調べて9:22着の電車に
乗る。川西能勢口駅でMさん、電車内でTちゃん、Kさんと合流。妙見口駅にはもう参加
メンバが揃っている。Kちゃんが来れていないようだが、先発してくれとのメールが既に
入っているようだ。

 電車から吐き出されたハイカーや観光客もあらかた出発した後、駅前の土産物屋をひや
かしたりなどして、ゆるりと出発する。この道は花折街道。妙見宮参詣の人々が古来行き
来した道。近在の氏神様の参道辺りまで来ると、周囲の山々の若緑が美しい。国道との交
差点を直進すれば上杉尾根コース。当初はこの道で登る予定が組まれていたのだけれど、
急遽、今回は大堂越で行かないかと提案する。実は取りこぼしていた振野をこの機会にと
思っていたのと、後に控えるビールをより美味くしようという魂胆だったのだが、幹事さ
んの太っ腹、予定はすんなり変更され、左折して国道を北へ向かう。やがて右手にケーブ
ルの黒川駅。見上げたケーブル軌道沿いの桜並木が美しい。

いにしえより妙見詣に歩かれた花折街道は春爛漫
冬枯れが残る中に満開の桜
 駅舎の横から山の中へ入っていく。係員の車が並ぶ川っぷちの道、最後の民家の前を抜 ける。右に沿う谷に合わさる谷を跨ぐコンクリート橋から仰ぐ山肌。こんなに沢山桜の木 があったのかと思うほどあちらこちらに桜があって花を競っている。芽出し前の梢の先は 薄いピンク、芽を吹いたのは萌黄色。稜線は綺麗な雑木林。自然のキャンバスにこれほど 達筆に描ける画家も居まい。
大堂越のコンクリート橋付近から見上げる斜面
こんなに桜があったんだ。雑木の稜線の向こうがケーブル軌道
 自然林が尽きて杉林。沢を二度ばかり渡って谷を遡る。大堂越を歩くのは10年振りに なろうか。以前は沢自体が道だった部分もあった様に記憶するが、右岸、左岸と移りなが ら、あぜ道ほどな小道がつけられていて歩きよくなっている。それは振野への取付を見て もっと驚くことになる。  杉林の真ん中辺りに大堂越の峠がある。ちょうど大阪府と兵庫県の府県境だ。黒川から やって来ると、右が妙見山、左が振野なのだが、その振野への取付がまったく様変わりし ている。以前。あったように思う振野への道案内プレートはなくなってはいるが、全く下 草もなくしっかり踏み跡があるのだ。小休止の後、BBQ広場に先行して準備しておくと いうGさんとUさんと別れて7名で振野に向かうことにする。  以前は急斜面の植林と雑木林の境目を直登するしかなかったが、踏み跡は植林の作業道 もかねているのだろう、小刻みなジグザグを切ることでよほど歩きよくなっている。ただ、 斜面上部は直登でやっぱり厳しい。とはいえ標高差は150m弱。さしもの急斜面も、植 林を抜けて勢いのない笹の雑木林に変わると、フーッと傾斜が緩み、自然林の広い台地と なる。
振野の山上台地。弱々しい笹の雑木林は明るい
 以前なら、振野の特徴のない広い山上台地はコンパスと地形図頼りに、時折現れる府県 境を示す「界」と頭に刻まれた石杭を追いながら進むしかなかったと思うが、今は明快な 踏み跡を辿っていけばよい。石杭には黒いプラスチック棒が傍に設置されているし、なに よりテープが頻繁にあるので迷う心配もない。途中、テープが二手に分かれるが右を採る。 何の気になしに行くと直進してしまうから注意。(実は直進してしまったのだが)  ほとんど傾斜のない台地の中でもやや高くなった部分を目指すと、ちょっとした切開き に二等三角点が見つかる。意外にも山名板などがほとんど見かけられないのが新鮮。北摂 では無名に近いものでも大抵、2、3枚はプレートがかけられているものだが...。(^^; 「振野」とはまた変わった山名である。ナカニシヤの『北摂の山』によれば、妙見大菩薩 は実は北極星のことなのだが、この山に星が降ったとの言い伝えから降野。転じて振野と なったという。そう思えばなんだか由緒のある山に思えるから不思議。
振野の三角点
 我々の声以外にはウグイスの鳴き声くらいの静かな山頂に展望はない。しかし、芽出し を始めた雑木に山桜の白がぽつぽつ目立って美しい。小休止してもと来た道を戻る。降り 際、妙見山が目の前に大きく見えた。  急坂を大堂越に戻って今度は逆方向に妙見山を目指す。ヒサカキのガス臭がプーンと漂 う中の九十九折れ。タムシバの白い花を始めて見かける。横尾山や深山等、能勢の北部で はタムシバだらけだったが、南の方では少ないのだろうか。能勢北部でも北側の斜面に多 いので北方系の植物なのかもしれない。  山道からちらちら見える振野とほぼ同じ高さになると、車道との合流地点も近い。出合 で左に折れると、北摂北部の山々の展望台だが、今日は寄らずに右に折れてリフトの麓側 の乗り場を目指す。麓では散り果ての桜がここでは満開。向こうに見える上杉尾根にも点 々と桜があり、ちょっとした吉野山の風情。そういえば、妙見と尾根続きの天台山、光明 山の南面にも桜が多いことを思い出す。(R423から高山集落に通ずる府道から見る桜 の風景は一見の価値あり)。と、BBQ特有の鼻をくすぐる匂いが流れてくる。急に空腹 感が襲ってきた。
リフト乗場付近から高代寺山
 BBQ広場はまた拡張整備されたようである。雨天でも大丈夫なように今日は屋根付き なので降ってきても安心。もっとも雨の心配は全くなさそうである。Gさん、Uさんのお かげでもう炭がいこっていて、後は金網に肉や野菜を載せるのみ。まずは缶ビールで乾杯 し、そのあとは各々、舌鼓を打ち、会話に花を咲かすのだった。  宴がお開きになった後はケーブルで帰る人、新滝道で降りる人。初め、新滝道で帰るつ もりであったけれど、空きっ腹に少々アルコールが効いたのかほろ酔い加減が過ぎた小生、 こりゃ、山頂広場までの上り道に体が持たないわと急遽、ケーブル組に横流れて楽をする。  お誂え向きの花曇りに安価で美味いBBQ。二年連続の妙見山BBQオフ、この分では 毎年恒例の集まりになりそうだ。幹事のGさん、Tさん有難うございました。参加の皆さ ん、お疲れさまでした。おっといい気分で居眠りしていると乗り越しそうでした。
【タイムチャート】
09:22〜09:35能勢電車妙見口駅
10:00妙見ケーブル黒川駅
10:10〜10:15
10:29〜10:40大堂越
10:55〜10:57振野(547.2m 三等三角点『野間』)
11:10〜11:13大堂越
11:30車道合流
11:40妙見の森BBQテラス

■今回のルートはこちら

■同行 裏人さん、北山さん、呉春さん、高やん、たらちゃん、二輪草さん、もぐさん、
    蓮さん(五十音順)


振野のデータ
【所在地】大阪府豊能郡能勢町、兵庫県川西市
【標高】547.2m (三等三角点『野間』)
【備考】
妙見山の北西にある台形状の独立峰です。妙見山とは黒
川と野間を結ぶ古道の大堂越で隔てられています。以前
は頂上台地は「猪の楽園」とも呼べるほど少々薮っぽか
ったのですが、今は笹の勢いも弱く、踏み跡と指導テー
プに従えば難なく三角点に到達できます。展望はありま
せんが、雑木の林は山上の別天地の趣があります。
【参考】2.5万図『妙見山』



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