三国ヶ岳、愛宕山〜母子から摂丹尾根周回 |
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今日は毎年恒例の山の会の猪鍋オフ。いつものように篠山の『渓谷の森公園』のロッジ に宿泊して当日と翌日に低山トレッキングするという趣向なのだが、今回は初日が摂丹境 界にある太平三山のうち、三国ヶ岳と愛宕山の縦走。翌日が三田市の烏ヶ岳の予定。本稿、 まずは三国ヶ岳と愛宕山縦走についてのレポートである。 1月19日、上々の天気。北摂隊は千里中央に7時半に集合。JR川西池田駅前にて、 川西隊と落ちあった後、猪名川町の道の駅から西に向かい、有馬富士公園横から千丈寺山 の東麓を永沢寺方面へ北上する。乙原を越えて山道になるにつれて、路面に雪が増えてく る。永沢寺を見下ろす峠を越えると、母子の集落は一面の銀世界だ。積雪は10cm位だろ うか。同じ三田市街、標高が違うとはいえ十数キロ程度の距離でこうも違うものか改めて 驚く。
るに便利なのだ。隣りに『スポーツクラブ21母子』の小屋があるので目印になろう。9 時過ぎに着くともうUさんの車が先着しており、これで今日のメンバ10名が全員集合で ある。 一旦、県道49号を東へ戻って母子小学校の前を通り、県道309号との分岐手前から 間道を上母子集落の民家の間に入る。『茶香房きらめき』の看板があるところだ。すぐに 村道になり尚も道なりに進むと車道は尽きて植林下の狭い林道風になる。数cmの雪が積も った道にほとんど勾配はない。やがてヘアピン状に右斜めに上がって行く小道が現れる頃、 小さな私製道標が現れた。古街道と同時に飛脚らしい稚拙な絵が描かれ、直進は『笹ゝ山』 やって来た方向は『三田』と記されている。そこから笹がやや被る雪道を50mも進むと 前方が視界が広がり、左から広い道が合流してきて見覚えある近畿自然歩道の道標が立っ ている。美濃坂峠から上がってくる登山道で、数年前、同じく雪の中をやって来たことが ある道である。 合流してすぐ、ヘアピン状態に折れてようやく勾配のかかった山道となる。雪が次第に 深まって行く。雪嫌いで定評のある小生にとってはこれ以上の雪は嫌いだ。(笑) 雪と枯葉で滑る急勾配。所々ロープが準備してある。ヒサカキやリョウブの幹を掴んで 体を持ち上げるように登る。左に折れて小さな尾根を登って行くと10分ほどで山頂であ る。雪に埋もれた二等三角点。展望図が描かれた台には積もった雪は凡そ20cmである。 下山は近畿自然歩道を利用せずに摂丹国境を忠実に辿る。山頂からやや南方向に下ると 篠山市と三田市市境を示す石標がある。それを目印に右の斜面を降りる。薄い踏み跡だが 人一人通れるくらいの空間がある。そして青いPPテープが現れた。あとは石標とPPテ ープを忠実に辿って行けばよい。鞍部から登り返せばCa500mのピーク。左前方に民家 らしきものが垣間見えてくる。と、植林帯が現れて、飛び出したところは美濃坂峠の最上 部で、雪を被る茶畑の上部である。ふきのとう休憩所の東屋が50m左に見えた。
東屋で小憩したら次は愛宕山だ。美濃坂峠を横切る県道から西の斜面に踏み跡がある。 庭石にしたいような大きな石の横から雑木林の急斜面を上がって行くと、今しがた歩いて きた三国ヶ岳方面が木立越しに望める。綺麗な三角形は三国ヶ岳の西にあるCa550mピ ークであろう。いつの間にやら落ち葉に埋もれて黒いプラ階段上を歩いているのに気づく。 道がいいと思ったら、やはり関電の巡視路を歩いているのだった。周囲はなだらかな曲面 に葉を落とした清雅な雑木林である。馬酔木の蕾がもう大きくなっている。一年で最も寒 い時期を迎えていても、もう二週間もすれば立春である。 遠くからみればなだらかだが、いざ歩けば流石に稜線、そこそこのアップダウンがある。 播磨中央線bR6の鉄塔を抜けて、鉄塔の北側から巡視路を進む。やや笹が被っていて歩 き難い所もあるが、そこは巡視路、何の問題もない。やがて茶畑が出てきて543mの四 等三角点南東の茶畑に出ると、広い作業道だ。歩くに従ってどんどん道が良くなり、周囲 が開けてくる。200mばかりも歩いてくると、美濃坂峠2.2kmの標識がある農道と出 合った。 出合から谷川沿いに北へしばらく歩く。右手の山間にはさきほどまで下に立っていた高 圧鉄塔が望める。暫くすると左手に鳥居が見えた。そちらは一面の雪に足跡はない。ザク ザクと雪を踏みしめると右手の大きな岩壁(天狗岩)の下の棚にお稲荷さんの祠が二つ。 祠の名前が分らぬが大岩稲荷とでも呼んでおこう。今も地元の方の信仰を集めているらし く、新しいお供えが神前に置かれている。驚いたのは祠の上に直径60cm大の巨大なスズ メバチの巣がぶら下がっていることだ。秋ならとても近づけまい。雨はかからないし、南 向きで日当たりはいいし、それにしてもいい場所を選んだものだ。(笑) 祠の前の日溜まりは春のように暖かい。というわけでここで食事を摂ることに衆議一決。 我々も考えることはスズメバチと一緒のレベルであるなあ。(爆)
付近も少しササがかぶる部分もあるが、なにせ近畿自然歩道だから歩き易い。古いイノシ シの罠を右奥に見つける頃から徐々に山間の作業道。すぐにY字路が現れた。方や右は龍 蔵寺への道、方や直進は愛宕山への登路。別かれ目に頭が取れて自然石を乗せたお地蔵さ んが立っている。その自然石にマジックで目鼻が書かれているのがユーモラスであった。
バキ、馬酔木など常緑樹が多くやや暗めの道。平坦な台地に出ると山頂まで700mのオ フィシャル道標がある。黄赤テープに導かれて再び傾斜の増した斜面をゆっくり辿ると、 見覚えある龍蔵寺からの道と合流する。愛宕社からの超劇斜面を思い出した。雪が混じる 今日のような日にここから龍蔵寺へ下ろうなんて冗談でもいやであるなあ。(爆) まもなく如意ヶ峰の表示のあるテラス。篠山盆地が一望出来る。やや霞が出てきたよう だ。三国ヶ岳から見た時は雪を被っていた多紀アルプスも南斜面にもう雪の気配はない。 自然歩道のただの通過点みたいな愛宕山の648m標高点ピークを抜け、いったん下って 登りかえして南峰へ。赤白鉄塔には寄らずに西尾根を快適に進む。この先に岩の鎖り場が あるので、雪が付いていれば嫌だと少々心配していたけれど、それほどのこともなく、1 0mばかりの岩場を鎖を頼りに下る。その先も中尾ノ峰との谷間へと下る急斜面は続く。 土と雪の斜面をズリズリと滑り落ちるようにしながら、武庫川源流といわれる鞍部によう やく降り立つ。 大きな杉の植林で埋められた鞍部を今回は南の三田側へ歩く。ところがこちらはなんと 50mも歩けばもう林道で、その通行止のゲート脇に出てしまった。以前歩いたことのあ る北の篠山側はガラガラと大石の転がる歩き難い道で、龍蔵寺の境内までかなり時間を要 して下らねばならなかった事を覚えている。それを思えばいかにもあっけない。それだけ 母子地区の標高が高いのだ。
林道は母子大池への道を分けると、南から東へ向きを変える。母子大池の北東にある池 (こちらも結構大きな池なのだが)の縁を忠実に辿ると、池の北東の林道出合。ここで林 道を辿るのをやめてリーダーはショートカットするという。地形図を見ると東へ行けば2 00m程で林道終点に出られるようだ。確かに踏み跡があり、昔はよくつかわれていた形 跡がある。張り出した茨や倒木が多く、枝に残った溶けた雪で冷たいがしばらく我慢すれ ば徐々に歩き易くなって、いつの間にか茶畑の畦の間を歩いているのだった。やがて軽四 輪も通れる程に広がった道が県道に合流した地点は、『茶香房きらめき』の建物の50m ほど東の地点である。あとは県道を歩いて駐車地点に戻るのみ。手打そばの有名店の横を 通過して駐車地点へは10分と少しの距離であった。 もう心は今夜の宴会。地元スーパー買出し組と猪肉と酒調達組に分かれて母子を後にし たのはそれから10分くらい後でした。
■同行: 裏人さん、北山さん、幸さん、高やん、たらちゃん、二輪草さん、 ハム太郎さん、水谷さん、もぐさん(五十音順)
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