そこはかとなき秋を感ずる剣尾山

平成24年 9月 9日(日)
【天候】曇り
【同行】単独


 ほんの2年程度だろうと思っていたのが調べてみたら前回から5年も過ぎている。そん
なになるのか。もっともその間、強い雨に途中リタイヤというのが挟まっているけれど。
北摂の代表的な山、剣尾山への耐暑登山である。残念ながら今回はカメラを持参せず、画
像はありません。m(_ _)m

 車の一部調子が悪く、土曜にディーラーに持ち込むと部品の都合で日曜の昼過ぎに再度
来てほしいとのこと。それなら秋の絶好シーズンに向けて体を鈍らせてはいけないので午
前中にでもどこかひと山と考えた。そこで浮かんだのが前述の耐暑登山というわけである。

 登山口まで1時間程度もあれば行けるので、できれば昼前までに降りて来たいとはいえ
ども8時前に家を出れば間に合うという近さ。持ち物もそろそろ山頂からの展望も視界が
伸びて良かろうと、双眼鏡をメインに大したものも持たず、後は着替えと傘に虫除けの薬
類程度。入れ物もナップザック。そうそう、この時季、何はなくともタオルと日除け付き
帽子は必携である。ついでにウチワ。(^^; でもカメラを忘れた。最近何かと一つは忘れ
るなあ。まあええかっ!

 今日はいつもと違ってナビの指示通り。(^^; するとR176経由でR173と出た。
池田まで信号が多いのが難なのだが、これが最短距離なのであろう。途中のコンビニでお
茶とサンドイッチを仕入れて現地到着は9時少し前。駐車場所探しに少し手間取って、用
意を終えて行者口の登山口に着いたのは9時15分である。狭い林道の路肩に車が何台も
並ぶ。早朝登山の人が多いようだ。

 最初は植林下の丸木の階段道だが、大日堂まで我慢すれば明るい雑木林主体になる。昔
は草に埋もれていた北摂大峰の各行場も、私製ではあるけれど今ではきっちり案内標識が
整備されている。これは一度じっくり廻って見ねば...。 (^^;  巨岩に刻まれた大
日如来の線刻彫りを見て、今にも転がりそうなこれも巨岩の脇に建てられた大日堂まで登
山口から10分。行者山へは更に5分。自分なりにいいペースである。蒸し暑いけれど何
となく空気は心持ちひんやりしているような感じがする。蝉の主役もツクツクホウシ。所
々にススキの穂が揺れる。

 行者山から小さな砂地の鞍部を踏んで、コナラ、アベマキ、赤松主体の針葉樹、広葉樹
の混交林に入る。しばらく来ない内にキクイムシにやられた赤松などの伐採、整理が進ん
で登山道周辺は明るく見通しが利くようになっている。とりわけ六地蔵手前の丸木階段の
途中から大阪湾が覗いているのには驚く。

 左、伐採木を束ねた向こうに横尾山から連なる尾根沿いの鉄塔のピークが見える。今ま
でなかった『風の峠』の案内が目につく。てっきり六地蔵の手前の鞍部だと思っていたが
ここだったのか。確かに今まで無かった微風が吹くが...。

 いつものようにニホンジカの説明板の前の岩の上で小休止。途中で抜いた小父さんがや
って来たのをしおに「暑いですね」の挨拶を残してお先に出発する。200段に及ぶ丸木
階段をこなして六地蔵。岩陰地蔵も綺麗に整備が行き届いている。ここまでくれば前方、
剣尾山の頂もまもなく。月峰寺の旧境内を突き抜けて、最後の斜面を上がれば山頂である。
先着は若い男女とおにぎり頬張る単独小父さんのみ。幸い蛙岩の上が空いていた。勿論、
上がるのみ。(笑)

 双眼鏡を持参して正解。期待通り視界が良く伸びる。東方向は半国山の向こうに愛宕山
がある。比叡山がいい形で、その北に比良らしい山並みの肩から上は雲の中だ。南側は大
阪の中心市街の高層ビル群があり、大阪湾に浮かぶ船も見える。西は六甲から羽束山、大
船山は言うに及ばず、古墳のような雄岡山、雌岡山。双眼鏡を覗けば加古川のコンビナー
ト群のシルエットがレンズの向こう浮かんでいる。しかし、以前はよく見えていたすぐ近
くの深山のレーダー雨量観測所の建物は木々の成長で今では思うに任せない。一寸使いど
ころは違うけれど、灯台下暗しである。(笑)

 こんな感じでサンドイッチを齧りながら、あちこち眺めていたら小半時はすぐに過ぎて
しまう。その間にも入れ替わり立ち替わり上がって来る人がいる。そろそろというわけで
10時50分、下山開始。横尾山周りもいいが今日は素直に。てくてく降りて行けば1時
間もかからない。ちょくちょくすれ違うハイカー。でも登山口にあれだけあった車は櫛の
歯を引くように無くなっている。麓にあるキャンプ場の客が登ってくるのか、路線バスで
来るのか。首を捻りながら駐車地へ戻る。そして帰宅はなんと13時前だ。汗を流し、昼
飯を食って、丁度放送していた藤田まこと主演の剣客商売の再放送をゆっくり視聴してと。
ディーラーへ向かうまでには十分な時間。最後に車も無料修理で回復したのでした。



【タイムチャート】
07:50自宅発
09:05〜09:10行者口手前(駐車地)
09:15登山口
09:25行者堂
09:30行者山
09:50〜09:55ニホンジカ説明板
10:20〜10:50剣尾山(784m)
11:30行者山
11:40登山口



剣尾山のデータ
【所在地】大阪府豊能郡能勢町
【標高】784m
【備考】
大阪府の最北部能勢町に位置し、どのハイキングガイド
にも記載されている北摂の名山。西の麓に「能勢の郷」、
東の麓に大阪府青少年野外活動センターがあります。幾
つか登山口がありますが、能勢の郷から登り、横尾山と
周回するとよいでしょう。
【参考】2.5万図『妙見山』、『埴生』



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