ホウケントウ〜取付くまでに右往左往

玉瀬付近からホウケントウ
平成24年 3月11日(日)
【天候】曇りのちにわか雨
【同行】単独


 何かとこまごまとしたことがあって、この日曜はちょっと遅めに起き、新聞を読みなが
らコーヒーを啜っているともう9時だ。今日はオリンピック選考最終戦と銘打った名古屋
女子マラソンがある。9時から始まるのでテレビ観戦していたらこれが滅法面白くて、尾
崎選手の日本人1位で終わったら午前中はおしまい。外を見たら昼から雨の予報にもかか
わらず陽が射していい天気ではないか。軽く山歩でもしてみるかと、カップめん掻き込ん
で、とりあえずのものをデイパックに詰め込んで家を出る。

 向かった先は近場でお手軽だけどなかなか奥が深い宝塚北部の西谷近辺。ここにホウケ
ントウという面白い名のついた山がある。別名、奥の焼山とも呼ぶそうだが、以前、玉瀬
の満福寺の四つ角から県道33号を南下し、武田尾辻のバス停近くの民家で猟もやってい
るという小父さんに聞いたら、ホウケントウの名はご存じだった。でもどんな字を書くの
やら。漢字を当てはめると思いつくのは『奉献塔』なのだが、それに類する仏塔でもあっ
たのかもしれない。(千早赤阪には楠正成顕彰の為、戦前、奉建塔なるものが建てられた
由。関係あるのかな?)

 さて、実はこのホウケントウ、今から思えば単純なのにアプローチに右往左往させられ
た山であった。先達諸兄のHPを見ると、田園バスの玉瀬バス停付近から南下する道が記
述されている。以前、その道でアプローチしたこともある。ところが道は民家の庭先へと
延びており、民家への私道ではないかと思われた為、気の弱い小生は遠慮して途中で辿る
のをあきらめたのだ。もう少し詰めてみれば良かったのかもしれないが、この時は迂回し
て浄水施設の前から川下川右岸を先へ進んだ。しかし川下川は存外大きな川で渡れる場所
も橋もなく、結局、竜岩近辺を散歩し、ホウケントウの山頂の鉄塔を空しく見上げて確認
しただけに終わったのである。何してるんだか....。(^^;

 そんな経緯があって、今回は玉瀬辻のバス停の南付近からのアプローチとなったという
次第なのだが、こちらでも右往左往する羽目になろうとは想像だにしていなかった。

 玉瀬の満福寺は曹洞宗の立派なお寺。その四辻を武田尾方面に折れる。駐車場所を探し
ながら行くと、峠の手前付近に格好の路肩がある。少し奥まった所に建つ農家への小道の
横だったので、無断は悪かろうと折よく出てきた6年生くらいの小学生にとりあえず駐車
のことわりを入れる。下向き加減にこっくり頷く小学生。小父さんは決して人さらいでは
ありません。(^^;

民家で飼われていた子イノシシ

 さっきから何かの気配がある。首を捻じると金網の向こうに体長60cmばかりのイノ
シシだ。ウリ坊よりやや大きくなったくらいの子供のイノシシであろう。なかなか人懐こ
い。呼んだら濡れたピンクの鼻先を金網に押し付けてくる。こんな近くで見るのは珍しい
ので画像に残しておく。何時か食べられるんだろうなあ。

 以前、撤退した時にハンターの小父さんに聞いていた道はほんの50m先である。曲が
ると左手に小さな池があり、道なりに行けばシイタケ栽培場横を通る。その先は広場だ。
ゲートボールかテニスをやる場なのか、地ならし用の錆びついたローラーがポツンとある。
しかし、肝腎の道がない。否、ないように見えた。そこで広場へ出る前にあった分岐を辿
るとこっちは荒れた作業小屋への道。これも違う。その前に見つけたシイタケ栽培場横の
小道を辿るもこちらも栗林で道が消えてしまった。

 とりあえずバス道へ戻り、もう少し南の武田尾辻まで探索するも良い取り付きは皆無。
やはりさっきの道だろうとまた戻って池の横に立つ。ふと横手の田んぼの向こうを見ると、
動物除けの電柵に沿って農道がある様子だ。あれではないかと田の畔を伝って農道に出る。
すると農機具倉庫の前に出て道はまだホウケントウ方向の南へ続く。うんうんとうなずき
ながら歩を進めると「あれ?」その先にあったのはさっきの広場ではないか。そして右手
には一間幅ほどもある地道があるではないか。

何回も右往左往した広場
手前がホウケントウに行く道

 なんのことはない。最初に広場に出て、もう一寸奥まで入っていたらこんな苦労はなか
ったのに....。それからもう一つ「あれ?」カメラのフロントキャップがない!どこで落
としたんだろか? うーん、ここ数週間、バイオリズムが悪いというか、インケツという
か....。悪い星の巡り合わせが続いているなあ。

 なにはともあれアプローチ道が見つかった。が、この地道、あちこちに分岐がある。そ
れに惑わされず、北から西へ更に南から西へと方向を変えながら進むと、待望?の関電の
火の用心マークが右手に現れた。姫路第二火力bP85とある。その先には分岐があり、
bP84の火の用心マークが立っていて、誰がいれたかマジック書きでホウケントウの文
字が見える。朽木には古い関電の火の用心マーク。この古いのを見るのは箕面の長谷山以
来だ。ようやく取り付きに立つことが出来た。ここまででもう疲れた。(^^;

取付き近くにあった関電の古い火の用心マーク
奥の焼山、ホウケントウのマジック書きが残る

 深く洗掘された巡視道はマツタケの道でもあるようで、至る所に青いPP紐が巡らして
あってちょっと無粋。少しザレた小道を登り、一旦小さなピークを挟んで登り返した所に
高圧鉄塔がある。左の1mほどの高みに登れば、白い三角点標識と共に四等三角点『龍ヶ
岩』が難なく見つかる。取り付きを探してうろうろしたことに比して、このあっけなさは
何だ?(笑) しかも展望はほとんどない。大岩ヶ岳や丸山が垣間見えるのと反対側に古宝
山、南に大峰山がチラリと見えるくらい。それでもまあ苦労して三角点がゲット出来てそ
れなりの達成感はある。(^^;

ホウケントウ山頂

 今日はケータイマグに湯を持参。コーヒーでもとザックを下ろしかけたら、あれあれ、
ポツポツと来た。北から雨雲が近づいているなとは思っていたがこんなに早くとは。残念
だが三角点の証拠写真を撮って引きあげる。あちこち延びる道の探索もまた今度としよう。

 ところでホウケントウ、その全貌を見られるのは北からのみのようである。延命寺バス
停付近に車で移動して写真に納め、車内でコーヒーブレーク。いつの間にか外は間欠ワイ
パーでは追いつかない雨になっている。山から戻ってからでよかった。つらつら考えるに、
前回の千丈寺山もそうだったけれど、インケツとは云いながら実はそれほどでもないのか
も。(^^; 登る前に疲れてしまったホウケントウ探索記はここらで幕。寒くなってきた。
早く帰ってチビリと燗酒でも。心はもうそっちに飛んでいるのでした。



【タイムチャート】 
12:15自宅発
13:25〜13:30県道沿いの路肩(駐車地)
13:32〜14:00この間うろうろ
14:07高圧鉄塔(姫路第二火力線bP85)
14:10ホウケントウ取付き
14:16〜14:20ホウケントウ(346.7m 四等三角点『龍ヶ岩』)
14:26ホウケントウ取付き
14:39県道出合



ホウケントウ(奥の焼山)のデータ
【所在地】兵庫県宝塚市
【標高】346.7m(四等三角点『龍ヶ岩』)
【備考】 宝塚市の北部、西谷付近にある里山です。奥の焼山の異
名がありますが、名前の由来は不明です。山頂付近を関
電の高圧線が通っており、この巡視道を使って登ること
が出来ます。雑木が茂っており展望はきかず、周囲の古
宝山、丸山、大岩ヶ岳等が木の間隠れに見える程度です。
【参考】
2.5万図『武田尾』



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