小野村割岳から天狗岳南尾根逍遥再び |
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2年前に歩いた小野村割岳から天狗岳の南の稜線。明快な踏み跡があったり消えたり、 目印のテープがほんの疎らにしかないマイナーな山域は以前と変わらず静かで、誰にも遭 うことがなかった。由良川と桂川を分ける分水嶺、すなわち中央分水嶺であるこの山域は 北山の最深部でもある。青い空に心地よい秋風に恵まれて、北山の静けさを存分に味わう ことができた。 前回同様、早稲谷の林道を入る。入り口の民家に声をかけるも小母さんは不在のようで ある。家の前に入林ゲートはチェーンで封鎖されていたはずだがなくなっている。そのま ま入らせてもらうことにする。 先日の台風12号の影響だろうか。ゲート付近は木切れや石が集積して荒れており、道 が川になったような痕跡が残る。そこを抜けると案外、道は悪くはなっておらず前回と同 じようなものである。といっても普通車ではとても入ることはできないレベルだ。(^^;
2kmほど進入すると二つ目のゲート。以前と同じくここに車を止める。ここで谷は右 にくの時に曲がっており、林道も橋を渡って流れに沿って上がっていく。ボロギクの白い 綿毛が目立つ。所々にかかる滝を眺めつつ、40分ほど歩いて300mばかり高度を稼ぐ。
すぐに左の山肌に取りつく個所が出てくる。結構きつい登りなので虎ロープが用意してあ るが、以前はなかったような.....。 はっきりした踏み跡がイワカガミの目立つ尾根を歩く人を北に導く。しばらくすると雑 木林の中に高みが見えてくる。ここから登っていくと、とても独立峰とは思えない小野村 割岳だ。赤いポストは健在である。小休止。ブナノキ峠方面の山並みが木の間越しにちら りと姿を現す。 小野村割岳から東へ歩く。二度目なので、初めての時程の緊張感はない。その為か95 1mピークの手前で前回同様またも方向を間違える。地形に特徴がなく入り組んでおり尾 根も不明瞭である。ガスが出ればしばしルートを見失う可能性のある場所は地形図とコン パスがないと歩けない。方向転換して今度は間違いなく951mピークの肩へ出る。 背の低いシダの密生する斜面には獣道がある。微妙に尾根上を外して伸びている。尾根 は北に方向を変えて次第に細く明瞭になる。ここは市町境界、プラスチックの杭があって、 "H20 伏見のU"とマジックの記名が要所にある。東側が開けると比良の武奈ヶ岳が大 きく意外に近い。 枯れて軸のみが残る笹の斜面をバリバリ踏んで上がると、前回も食事した921m標高 点ピークの西の肩。大杉のある山頂で今回もここで食事とする。湯の沸く間、ピークに立 って東側に少し踏み込むとと古いテープがある。東の久多へと下る途中にある三角点山( フカンド)へのルートだろう。やっぱり尾根を繋いで歩く好き者がいるらしい。(笑) 今日は車が一台なので、どこかで来た道を戻らねばならない。Mさんの足の調子が悪く なったこともあって、今回もここでUターンすることにした。 さて、帰路は小野村割岳経由をやめてショートカットしようということになる。地形図 を眺めると、951m標高点ピークから谷が西に降りており、短い距離で林道に出られそ うだ。確かめてみるが勿論踏み跡などはない。しかもシダが生え込み倒木などもあってあ まり良いコンディションではなさそうである。林道の崖の上に出てしまう可能性もある。 やっぱり尾根筋の方が歩くには安全そうだ。そこであらためて地形図を見ると、谷の横は 当然尾根であるが、割になだらかな稜線が林道始端に向かっている。これを歩いてショー トカットすることにする。赤だったか黄色だったか、方向転換を示す目立つテープのある 所である。北方向に行けば小野村割岳へ続くが、往路でも間違った、尾根筋の方向が若干 変わる分かり難い個所だ。
知る。気づくのが早かったのですぐにスタート地点に復帰。あらためて東へ向かう尾根を 確かめる。少し早く北に方向を振ってしまったようだ。正しい尾根筋に目立たぬが例の伏 見のUさんのテープが一つあった。 藪もなく歩きやすい稜線は自然にやや北方向に振り始める。沢音が聞こえてくるように なった。林道始端で下を流れている沢に違いない。で、適当な所で林道終端へ向かって斜 面を下ることにする。踏み跡はないが30mほど下に水の流れが見える。ぶかぶかした表 土は滑りやすい。立木にすがって歩きやすい所を適当に下り沢に降り立つ。そこから流れ を下流にへ向かうと、20mほどで見覚えのある風景。往路で尾根へ急登していくロープ 場に出たのだった。林道始端はそこからすぐなので、天狗岳南尾根で遊ぶ時には、このル ート、ショートカットとして使えそうである。
ない静かな山歩き。十日ほど前が嘘のような爽やかな風が吹き通る、北山最深部の秋を楽 しんだ一日でありました。 ■同行: 修ちゃん、みずたにさん(五十音順)
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