三角点簡単ゲットに鏑射山

鏑射寺の駐車場から鏑射山鏑射寺の三重塔が覗く
平成23年 2月20日(日)
【天候】薄曇り
【同行】単独


 ここのところ遠のいている山歩き。なんと云っても今年は寒いのだ。(^^; まだ寒くて
暗い朝早くに起きて、寒風に吹かれに山へ行く気がしない。(^^; だんだんズボラになっ
ていくおっさんよ。

 「それでは行かじ、今日こそは!」といっても軽〜く昼を食べての遅〜い出発。出張っ
た先は、初登頂ではあるものの、ほんのちょっと歩いたら三角点がゲットできる鏑射山な
のでした。

 宝塚から武庫川を遡り名塩の集落を越えて高度を上げると、R176は平闊な地に出る。
古来より摂丹を結び、有馬街道の分岐点でもある重要な地である。元は鳥羽の水軍であっ
た九鬼氏の城下町三田へと北上を続けると、右手に低い山並みが見通せる。大岩岳を主峰
とする千苅ダムを囲繞する山並みで、鏑射山もその中の一峰である。その鏑射山の麓にあ
る鏑射寺の案内に従って右に折れ、しばらく走ると武庫川の畔。橋を渡ってたもとの交番
横を左折する。武庫川の川原では野焼きのまっ最中。消防団が消火ホースを準備して予期
せぬ類焼に備えている中を通らせてもらい、JR福知山線の踏切を越えるといよいよ山道
だ。

 くねくねと折れ曲がる山道の膨らみの所々に車が置かれている。山塊西側の岩崖(烏帽
子岩、駒形岩)を登るクライマー達のものだろう。やがて左手に駐車場と広壮な和風建築
が見えてくる。獨鈷山鏑射寺の建物で、参道の向かい右手にも駐車場があるのでそちらを
お借りすることにした。
鏑射寺

 こちらは墓苑の駐車場のようであるが、寺の参拝者のものらしい2、3台の車のみでガ
ランとしている。周辺に植えられたのは梅の木。平地ではちらほら咲き始めているという
が、ここではまだまだ小さな蕾である。

 今日は山散歩みたいなものなので、足元はジョギングシューズ。さて、どっちに行った
ものだろう。とりあえず武庫ノ台ゴルフ場へと続く車道を登っていくが、ゴルフ場とレス
トラン客以外の立入り禁止の札がゲートにかかる。気弱い小生、これを見て引き返すこと
にした。(^^;

 戻ってあらためて鏑射寺の参道を登る。ここには綺麗なトイレもあって便利。地から湧
いたような岩盤を見て、右手にある急峻な坂を辿ると丹の色も鮮やかな小ぶりの三重塔の
前に出る。虚空蔵菩薩を祀るという塔を一巡りすると、岩をくり抜いた手水の傍に裏山へ
登っていく踏み跡があった。

鏑射山への道。山頂の祠の参道でもある

 ジグザグの踏み跡は登るほどに洗掘された小広い道に変わる。北摂によくある雑木林の
中、傾斜が緩んでくると、前方に朱塗りの小さな鳥居が見えてきた。しっかりした山道と
いうのはこの祠の参道だったようだ。道理で...。

石の祠には丸い石が鎮座していました

 祀られているのは鏑射大権現。この鏑射山自体がご神体で、祠の周囲が磐境なのだそう
だ。祠に鎮座しているのは大人の頭ほどの丸い石。もっとも元を質せば五輪塔の宝珠なの
かもしれない。余談はさておき、肝腎の三角点である。祠の周囲は扁平でヒサカキやミツ
バツツジなどの低木が生える他に道と思しきものはないが、よく見ると祠の裏に何となく
切開きらしいものがある。それを辿っていくと雑木の細い幹にPPテープが結ばれている
のに気付く。後で考えれば「ここで曲がれ」の印だったらしいが、ここはそれに気づくこ
となく直進する。が、この辺りだろうという辺りに三角点はない。それらしい地点を探し
て行きつ戻りつ。キョロキョロ見廻したら、なんとほんの数m先に標石。簡単に登れたわ
りに標石を探すのに少しく手こずった。(^^;

鏑射山の三等三角点

 プレートが二枚ほど。保護石もしっかりして欠けもないのはここが神域だからだろう。
標石の傍らに、例の「大切にしよう三角点」の白い標識と共に括られて、高さ2m位のア
ルミ製と思しき計測杭がある。センチ単位の目盛が刻まれているが測量に使ったものだろ
うか。そういえば、道路で測量している小父さんもこんなのを片手に持っていたっけ。浅
学にしてその使途詳細は不明である。(笑)

 展望もなし、記念の写真を撮り、三角点にタッチして鳥居を目指して戻ろうとした。と
ころが、あれ?こっちだったっけ? そもそも来た道を戻ろうとしたのが間違いなのだっ
た。なぜなら、行きつ戻りつして見つけた場所なのだから、きっちり最短で鳥居へ戻るコ
ースでないのは一寸考えれば分ること。予期しなかったので少々焦ったが、概ねの方向は
分かっているので、木々の枝の間の歩きやすい部分を探しつつ進む。と、思ったよりも左
手に赤い鳥居が現れる。そうして登って来た参道が足元にあった。

 祠に戻ってどうしてこうなったのかもう一度辿って見ることにした。一度見たPPテー
プの場所で周囲を見渡すと、右にもう一つPPテープ。その先に三角点標石があるではな
いか。なんのことはない。最初のPPテープで右に直角に折れればすぐそこに三角点があ
ったのである。三角点へ行き着いたコースを重視するあまり、どうも三角点とPPテープ
を結ぶ方向とは45度ほど異なる方向に戻ろうとしたみたい。いかんなあ。反省。(^^;

 ところで祠から三角点までをうろつく間に、何か人為的な感じの、石のごろごろ転がる
場所があった。ここには城(まあ砦に毛の生えたものだろうが)もあったというから、そ
の名残か、もしくは寺の御堂の跡でもあろうか。誰か御存知の方がおられたらご教示願い
たい。

 さて、山を下りて鏑射寺の境内をブラブラ。草創は聖徳太子というが、火事などで次第
に衰微し、明治の初めから戦後まで廃寺であったというが、いまでは立派な本殿がある。
その前を抜けるとドウダンツツジの庭園。鯉の泳ぐ庭園は竹生島を模したものらしい。西
国札所の石仏を間を巡っていくと、大賀ハスの植わる小さな池があるのに気づいた。大賀
ハスは縄文時代の遺跡から出たハスの種。季節にはどんな花が咲くのだろうか。

 少し時間があるので、烏帽子岩や駒形岩の上へ出ることはできないか探索してみた。鏑
射寺の下の駐車場近くに、光明寺から千苅ダムへ抜ける小道がある。試しにしばらく辿っ
てみたが、小さな谷を渡って谷沿いに行くとすぐにゴルフ場をへつる道となり、目的地に
は行けないようだ。(光明寺はゴルフ場の北で、烏帽子岩は南)というわけで元へと戻り、
今度はまたまたゴルフ場への車道を登る。今度はゲートの注意書きに臆することなく、や
がて現れた二差路を右へ。これはゴルフ場の管理事務所への道だ。すぐに倉庫のような建
物の建つ広場に行き着く。しばらく様子を伺ったけれども、生憎、係員が出てくる気配も
なく、それ以上、無断で立ち入って誰何されるのも嫌なので、あきらめて元へと踵を返し
たのだった。

 まだまだ知らぬ所も多い北摂。まだまだ面白い所も多いようです。行先決まらぬ時にリ
ザーブしておいてもいいかなと思う大岩ヶ岳周辺散歩でした。



【タイムチャート】
12:00自宅発
13:20〜13:25鏑射寺駐車場(駐車地)
13:33鏑射寺五重塔
13:41〜13:45鏑射山(327.0m 三等三角点)
13:54鏑射寺境内



鏑射山のデータ
【所在地】兵庫県神戸市北区)
【標高】327.0m(三等三角点)
【備考】 神戸市の千刈水源地の西側に位置します。独鈷山鏑射寺
の裏山でもあり、北麓に広がる武庫ノ台ゴルフ場の取付
道路を利用すると、10分で登れます。但し、山頂付近
は雑木で展望はありません。
【参考】2.5万図『武田尾』



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