ゆるりと小春の大岩ヶ岳

大岩ヶ岳から北方の展望

平成22年 1月11日(月)
【天候】晴れ
【同行】単独


 この三連休はそれほど寒くもなく、天気も上々だったにもかかわらず、テンションが今
一上がらないでグダグダしていたのだが、流石に三日目ともなるともったいない気がして
くる。それでも朝早く起きてっていう意気込みまではなく、家でゆっくりしていても間に
合う宝塚の大岩ヶ岳に久方ぶりにでかけることにする。

大岩ヶ岳山頂から丸山

 何やかやで家を出たのは11時過ぎ。山のどこか風の来ない場所で昼食をとコンビニで
食料を仕入れても、1時間ちょいで大岩ヶ岳の登山口だから楽なもの。ガイド本に書かれ
ているJR道場駅からではなく、宝塚市の西谷側から入ることにして、西谷里山の森公園
を横目に農道終点まで進む。準備をしているとご夫婦ハイカーが通り過ぎる。どちらまで
との問いに丸山にまず登って、後は大岩ヶ岳の方までと答えると、丸山登れますか?の問
いが次に返ってきた。取付きには古いがちゃんとテープがあるのです。(^^;  というわけ
で、まずは丸山湿地近くの丸山(325m)へ登っておこう。

丸山の取付き。よく見ると中央の立木に赤テープがある
右の古道を直進すれば川下川ダムへ

 昨年、丸山湿地を訪れた時に驚いたのだが、以前は少しヤブっぽかったのがきれいに整
備されている。湿地の整備と同時に大岩ヶ岳周辺も整備されたのだろう。まずは丸山西分
岐と名づけられた道標で左に折れ、更に次の分岐で大岩ヶ岳西コースと分かれて橋を渡り、
湿地の方へ向かう。なぜか昔の道に通せんぼしてある。湿地への道の途中からすぐ下にあ
る古道の方へ下りて、左手の茂みに注意しながら歩く。兵庫県の立入禁止の看板が所々に
あるが、その内に古いテープが見つかる。ここが丸山の取付き。人一人抜けられる空間が
あってすぐ上はザレ場。よく滑るザレを我慢するとコシダやウラジロの茂みで、それも抜
けると左側にまたザレと露岩の裸地がある。地形図を確かめるとそちらが頂きらしい。裸
地を登っていくと、その上部はツツジやヒサカキ、赤松の目立つ北摂に良くある明るい雑
木林である。そこにもちゃんと人が一人抜けられる空間がある。北摂の山は尾根筋に出る
と大抵踏み跡があるものだ。それを50mも忠実に辿れば、すぐに一坪ほどの空き地に飛
び出すが、それが山頂で、神戸市の金属製の一級基準点と赤白ポール、山名板が2枚ほど
架かる。MPCと書かれたテープもある。北摂に良く見かけたやつでちょっと懐かしい感
じ。
丸山山頂風景。中央にあるのは基準点

 木が茂って展望はほとんどない。証拠写真を撮って降りることにして、登りがてら目を
つけていた先ほどの南向きのザレ場で食事とする。日差しもありポカポカと温かい。と、
カップラーメンの湯を沸かしていると、ガサゴソと繁みが揺れる音。スワッ!イノシシ?
と身構えるとなんと単独兄さんが現れた。聞けば布見ヶ岳へ登ってきたとかで、MTB乗
りの兄さんだ。播磨のMTB乗りのYさんのこともご存じで、拙HPも見たことがあると
いうありがたいお人でありました。(笑)

 ザレ場を注意しながら下る。滑りそうになって思わず掴んだのはヒサカキ。黒い実が鈴
なりだったのだが、それがつぶれて手のひらは真っ青になった。

東コースの遊歩道

 大岩ヶ岳へは西コースも良いが、今回は丸山西分岐に戻って東コースで目指すことにす
る。記憶が全く薄れており、整備も進んだこともあって、10年位昔に歩いたのはどこだ
ったか。このコースだったと思ったが、そうではなくて今で云う西コースの方だったと後
で気づく。小さな緩い谷筋の道は、雑木の林から良く手入れされた杉、桧の中に変わる。
ゆっくり高度を上げていくと再び雑木林になり、まもなく道標のある乗越に出る。右への
指示はないが『東大岩ヶ岳、馬の背、絶景』とマジックで誰かの書き加えがあって、よく
踏まれた跡もある。これは帰りに寄らずばなるまい。(笑)

 続いて小さなピークの中腹を右に巻きながら進んでいく。東大岩ヶ岳と馬の背がここか
らだとよく分かる。遠くには大船山や羽束山の特徴ある姿。松の木の多さとあいまって、
まるで山水画の世界であるなあ。おっと、狸のらしい糞を踏みそうになる。

 小ピークを巻き終わると西コースとの合流点である。赤っぽい露岩が地面から湧き出る
ようにあって、前方にはもう大岩ヶ岳が目の前である。そこへ初老のご夫婦が降りてきた。
さっきから聞こえていた声の主だろう。「何時来てもここはいいね」女性に声をかける男
性の声。同感です。
東大岩ヶ岳から望む大岩ヶ岳

 露岩あたりからちょっと登りがきつくなるが、何せ低山だから距離は短い。すぐに誰も
いない小さな山頂である。低山とも思えない相変わらずの展望は、小春日和でかすんでい
て遠くまで視界は伸びないけれど、北摂西北部の山々が並んでいて、指を折るだけでも千
丈寺山、羽束山、大船山、昼ヶ岳、寺山、竜王山、天狗松、古宝山、大峰山などなど。東
にはさっきまでいた丸山があり、双子峰の東大岩ヶ岳はここから見ると重なって単峰だ。

大岩ヶ岳から望む東大岩ヶ岳(右)。中央が馬の背

 ところで大岩ヶ岳の山頂には三方から道がある。これで一応いずれの方向も歩いたこと
になる....。 はずだ。(^^/ ささやかながら持参のみかんでも食べて祝いましょう。(笑)

 一息入れて下山にかかる。さきほどの乗越へ戻って左に折れて、東大岩ヶ岳の登りにか
かる。ここも短いがなかなかの急登でジグザグにステップを切りながら高度を稼いでいく。
すると大きな岩が頭上に被さってきた。右に巻き道があるので忠実に辿れば山頂はすぐ。
道標の落書きにあった言葉に間違いはなく、岩の上はいい展望で、大岩ヶ岳が呼べば答え
るごとく近くにある。
馬の背から東大岩ヶ岳を振り返る

 馬の背の岩稜は小野アルプスの紅岩とよく似た赤っぽい岩である。すぐそこまで木が茂
っているのでそれほど高度感はない。長さも20mくらい。馬の背から少し登ると、地形
図にも記述のある小ピーク。ほんの3畳ほどの狭い山頂には、東大岩ヶ岳の第二ピークと
小プレートが架かっている。ここに来ると千苅ダムの湖面はすぐそこだ。

 しばらく景色を楽しんで、東大岩ヶ岳から乗越へ戻る。後はブラブラ車へ戻るのみ。登
山口で人声がすると思ったら、モトクロスバイクの兄さんたちが談笑しているのだった。
山はなるべく荒らさないでくださいね。(笑) 小春の大岩ヶ岳の一コマでした。



【タイムチャート】
11:15自宅発
12:20〜12:25境野農道終点(駐車地)
12:42〜12:43丸山(325m)
12:50〜13:20丸山南斜面のザレ場(昼食)
13:45東大岩ヶ岳分岐のコル
13:52〜14:05大岩ヶ岳(384.1m(二等三角点))
14:11東大岩ヶ岳分岐のコル
14:16〜14:17東大岩ヶ岳(Ca360m)
14:22〜14:23東大岩ヶ岳第二ピーク(Ca350m)
14:28東大岩ヶ岳
14:35〜14:36東大岩ヶ岳分岐のコル
14:55境野農道終点(駐車地)



大岩ヶ岳のデータ
【所在地】兵庫県神戸市、宝塚市、三田市
【標高】384.1m(二等三角点)
【備考】
神戸市の千苅水源地の東に位置する低山です。水源地の
周囲は水源涵養林として兵庫県が所有している為、よく
自然が残されています。近年、整備され歩きよくなりま
した。最寄は阪急宝塚駅から阪急田園バスで境野又はJ
R福知山線道場駅です。
丸山のデータ
【所在地】兵庫県宝塚市
【標高】325m
【備考】 大岩ヶ岳の東南東にある円錐形の山で、周囲に高い山が
ない為良く目立ちます。山頂は雑木が茂り展望はありま
せん。登路は境野から川下川ダムへ向かう古道にあるテ
ープが目印です。
東大岩ヶ岳のデータ
【所在地】兵庫県宝塚市
【標高】Ca360m
【備考】 大岩ヶ岳の東のコルを隔てた双耳峰です。山頂に大きな
岩があり、また北のピークとの間は岩が馬の背を形成し
ており、展望も絶佳です。
【参考】
2.5万図『武田尾』



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