ポンポン山〜今年も愉しむ春告げ花

フクジュソウ
平成21年 2月15日(日)
【天候】晴れ
【同行】別掲


 毎年2月になるとそろそろ各地から花の便りが聞かれるようになる。まず、梅だろうか。
そしてセツブンソウやイチゲの類、それにフクジュソウ。毎年、少しだけ花追っかけまが
いなことをしているが、いつも手軽に出かけられるのがポンポン山のフクジュソウ。以前
はそのありかを公開するとクレームをつけられたものだけれど、今では知る人ぞ知る存在。
2、3年以上、関西で山歩きしている人なら大抵ご存知だろう。

 今年もSRCのMさんの呼びかけでメンバ5人が集まっていくことに。いつもの桃山台
駅西のロータリーに集まるのは9時。これなら暗く寒い内に布団から抜けなくていいし、
ゆったりでいいわあ。(笑)

 天気もいいし花目当ての車で路肩に止め難いかもと思うも、杞憂。府道の膨らんだ所に
は、一台のみが足回りの準備を始めているのみ。畑のししおどしのシンバルがジャーンと
鳴る。

 森の案内所の寒暖計は8℃で暖かい。西尾根コースを採って出灰川に懸かる橋を二度三
度と渡って行く。一昨夜の雨で左手の流れは水量が少し多いようだ。渡渉に少し苦労する
かも。(^^;

 植林帯に入り右の斜面にとりついて登っていくと、アカマツが増えてきて南東から射す
日の光が眩しい。アカマツの広場への踏み跡を見送ってすぐに、一休禅寺への林道とも別
れて尾根筋に登る。暫くの急登に体全体がホカホカとしてくる頃、ツツジの丘の案内があ
る。ここで一休み。モチツツジのふっくらとした花芽。もう2ヶ月もすればピンクの花が
開く華やいだ季節だ。
西尾根コースの雑木林にて

 リョウブやナラなど落葉樹が多いので山は明るい。この辺り、気分の良い尾根筋だ。時
折、小塩山や愛宕山が姿を見せる。徐々に高度を上げて落ち葉が敷き詰められた広い尾根
筋になるとフクジュソウ自生地は近い。

 漫然と登山路を歩いていると自生地への取付きを見過ごしてしまう。注意していると今
年は誘導路に棕櫚のロープが引かれてある。急な斜面を下っていくと、今年もボランティ
アの小父さん達が頑張っている。今日は朝から天気で花も元気との事。空いているからゆ
っくりとの声を戴く。確かにこんなに空いているとは意外。30分ほどうろうろしていた
のであるが、お会いしたのはご夫婦一組くらい。例年より若干早いのでまだまだと思って
いる人も多いのかもしれない。

 保護しているお蔭か、フクジュソウの個体も大分増えたように思える。まだまだ蕾が多
いが、気の早い娘があちこちで黄金色のパラボラアンテナを太陽に向けている。早速に皆
さん、美人を探してあちこち。観察路が狭いので撮影の為に『行き倒れ』状態になれない
のが璧に傷?だ。

 ひとしきり撮影に夢中になっているともう昼である。この大原野森林公園、火の使える
所は限られている。一旦、登山路へ戻ってリョウブの丘へ。ここにはテーブルもあって昼
食には最適。葉が落ちているので冬時は結構展望も良い。それらをご馳走にラーメンをす
する。女性陣からはイチゴの差し入れ、小生は自宅で採れた甘夏ミカン。グループで山に
やって来るとデザートも豊富だから嬉しい。

 さて後半の部。フクジュソウの斜面に再びやってきて今度はそのまま竈ヶ谷の谷底まで
下る。以前より斜面の足場が悪くなっているような気がするが、注意しつつ下まで降りる。
一昨日から前日に降った雨の所為か、竈ヶ谷の水量は多い。飛び石伝いに行こうとするが、
ややもすれば滑ったり、石が動いたり。バシャッとなるのはいやなので気が抜けない。炭
焼き窯跡付近で沢を渡り、歩きやすい部分を選りながら遡上する。この辺りで一番落差の
ある滝(といっても1m位だけれど(笑))を越えると、谷は東から南に方向を変えてやや
広やかな川原に出る。この辺りがケヤキの森。背の高い木が何本か川原に立ち、それに纏
わりついた藤が下から眺めると、まるでヤマタノオロチのようだ。

「ケヤキの森」

 一息入れて今日は東に入り込んで行く谷に沿って進む。以前から気になっていた踏み跡。
ヤブもなくなんとなく昔ながらの古道があったような雰囲気がある。しかし大分自然に帰
っているようで雨で湿った落ち葉は良く滑る。ズルズルと沢に落ちないようにしないとい
けない。V字谷の斜面が厳しくなって沢沿いに歩けなくなると、踏み跡は沢を離れて巻き
上がって行く。あっという間に沢は10m以上も下で音を立てるようになる。その沢が再
び近づいてくると源頭。深い落ち葉の小広場だ。そこで踏み跡が落ち葉で分かりにくくな
るが、U字に掘られて昔から歩かれた雰囲気が非常に濃厚に残る道が北向きに現れる。そ
れが東に方向を変えるとしばらくで見覚えのある峠に出た。東尾根コースの道標がある。
東尾根を歩くと3つほど峠があるがその真ん中の峠だ。左に折れればスタート地点の森の
案内所。直進すれば金蔵寺。やはり歩いてきたのは金蔵寺への間道なのであろう。

こんな洗掘された道が現れた

東尾根コース出合。画像の左(西)側から上がってきた

 道標に従って金蔵寺方面へ進む。深々とした落ち葉の俄然いい道になる。ジグザグに降
りていくと再び沢音が聞こえ始める。分水嶺を越えたので今度は東に流れる沢だ。その沢
のかなり高い部分をほぼ水平に進んでいくと、前方に少し傾いた陽を浴びた雑木斜面があ
る。もう枝先が膨らみつつあり、なんとなくやや萌黄色に変化しているように感じるのは、
春が待ちどおしいからであろうか。と思う間にコンクリートの電柱が木々の間に見えてき
て、笹原を抜けた所の丸太橋を渡ると、東海自然歩道にも指定されている府道に出合う。

府道出合

 金蔵寺への道を右に見て左に曲る。四方山話に花を咲かせてテクテク歩いていくと、府
道合流点から2kmくらいだろうか。植林で暗い道が少し明るくなって大原野森林公園の
前になる。朝、先着していた車ももういなかった。

 少し時間があったのでR423沿いの喫茶店で1時間ほどのコーヒータイム。そうして
5時過ぎ、もう辺りが薄暗くなった頃、桃山台に戻る。

 今年も楽しめた春告げ花のフクジュソウ。早速、写した画像を楽しみましょう。皆さん
有難うございました。



フクジュソウ春告げ花






■同行 呉春さん、たるるさん、ハム太郎さん、もぐさん

【タイムチャート】
筆記具を落とし計測していません



ポンポン山のデータ
【所在地】大阪府高槻市・京都府京都市
【標高】678.8m(二等三角点)
【備考】
大阪府と京都府の境にあって、本来は加茂勢山と呼ばれた
ようですが京都西山の最高峰でもあり、ユニークな名前と
あいまってハイキングの人気の山です。善峰寺等の東海自
然歩道コース、出灰コース、神峰山寺コースなど多くのコ
ースがありますが、近年、北側の大原野森林公園からのコ
ースに人気が集まっています。
【参考】
2.5万図『京都西南部』



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