蛇谷ヶ峰、春真っ只中

ふれあいの里付近から蛇谷ヶ峰
平成21年 4月19日(日)
【天候】晴れ
【同行】別掲


 まだ足跡を記さぬ山に行くのもいいけれど、以前訪れた山々へもう一度また登ってみる
というのもなかなかいいもので、ここのところはそんな山行きが多い。今回もそんな企画
で蛇谷ヶ峰。5年位前のコースを同じ時期に辿ることになったオフへの参加である。

 いつもの如く千里中央に7時に集合。2台の車に分乗して朽木へ向う。思いの外、スイ
スイと走って安曇川に架かる桑野橋近くのキャンプ場で待機。幹事のHさんと合流して、
蛇谷ヶ峰の取り付きである林道を途中まで上がる。キノコ研究所まで行く積りだったけれ
ども通行止めのワイヤがあって、高圧鉄塔の電線下付近で車を降りる。やがてバスでやっ
て来たUさんを同伴して、下山口へ車をデポしに行っていたHさん達が帰ってきた。

朽木大野の林道の登山口

 30分位、しばらく林道歩きだ。まあウォーミングアップがてらになっていいだろう。
シハイスミレやタチツボスミレ、ミツバツツジも咲いて飽きる事がない。途中、二本松と
か望岳所なんて標識がある。その望岳所では武奈ヶ岳の雄姿を眺める事が出来る。正面の
白倉岳も谷間に雪を残してなかなかの姿である。

 やや傾斜が緩むと登山届のポストがあるキノコ研究所の前だ。標高はおよそ460m。
なんだかんだで何時の間にやら250m稼いだことになる。登山口は地道に変わった林道
をもう少し進まねばならない。山頂までは2.7km。ジャックナイフみたいに左に折れる
形に小さな尾根に乗って山道がある。背の高いヤマザクラからハラハラと舞い散る花びら。
それを口で受けんと少しふざけて右往左往してみた。(笑)

 猪馬場までは大した登りはない。ハウチワカエデの花(緑で目立たないが、ちゃんと花
びらがあるのだ)やクロモジの黄色い花。どこかでコゲラのドラミングにツツドリの長閑
な鳴き声を楽しみながら左に折れて、新大野中継所の小さな建物横で小休止だ。

登山道途中の萌え出た林。その向こうは朽木の里だ

 小さな谷の源頭を巻いて左の尾根に取り付く。この辺りだったろうか、トラツグミらし
い啼き声を聞く。徐々に傾斜を増す尾根道。無風なので暑い。汗が目に入る。それが79
1m標高点ピーク手前に来ると北側が開け朽木の里が一望の地点に出る。心地よい風が吹
いてくる。タムシバが点々と彩りが薄い中で良く目立つ。

791m標高点ピーク付近から朽木の集落

 優しい色の谷の源頭を右に見ながら791m標高点への急登。これがきつい。前回来た
時はこの付近で大福餅を頬張ったはずだ。(笑) 滑りながら登りきると、ようやく関電
の反射板がある蛇谷ヶ峰の西峰が目に入ってくる。ここまで来ると山頂まではもう一息だ。
アセビが繁る中を抜けていくと天狗の森。シャクナゲの森だが今日も蕾は見出せなかった。

 北西からの風で南東に傾いだ木々の間を辿る。反射板はあっという間に近づいてきて、
右手(南)に比良連山。ここから眺める主峰武奈ヶ岳はピラミダルだ。山道の先は喬木も
なく柔らかい感じの蛇谷ヶ峰の本峰。

蛇谷ヶ峰山頂

 流石に人気の山は山頂に多くの人を呼ぶ。琵琶湖側を向いている人、朽木側を向いてい
る人。合わせて十数人近くはいたと思う。5年ぶりの三角点と対面して、大きなアセビの
裾を芝生になった朽木側に場所をとる。「てんくう」やグラウンドが良く見える。今日も
多くの車が止まって盛況らしい。目の前に上下しているのは江若の山々。百里ヶ岳、駒ヶ
岳、大御影山、湖北武奈ヶ岳などが上下している。登った事がある山は懐かしい。

 昼食後、湖北へ山菜を摘みに行くグループ、春の花を愛でるグループに別れて下山開始。
さわらび高原(スキー場)分岐を左に折れ、タムシバやキンキマメザクラ、散り初めの山
桜を楽しみながら緩々と降りている間に、山菜組はあっという間に姿が消えている。

 裏作なのかホンシャクナゲの花の数は少々少ないが、なかなか濃いピンクの花が印象的
だ。そして往路には見られなかったイワウチワが花を付けているのを見ることが出来る。
「いきものふれあいの里」へのコースと分かれて、カツラ谷へ向かい左に採る。左手は蛇
谷ヶ峰の本峰と反射板のある西峰で、いつのまにか稜線はもうかなり上になっている。そ
れにしてタムシバの多い山域である。あちこちに点々とヒラヒラとした白が目立つ。

 降りて行くに従って、沢音が大きくなってくる。尾根から分かれて左にかぎ形に折れる
とカツラ谷の源流域で、大きな桂の木の横に出る。山頂付近では芽出しが始まったばかり
の木々が多いのに、標高差にして200mも下れば新緑の萌え出たばかりの葉っぱが眩し
い。一ヶ月足らず前なら寒々と聞こえた沢音も今日は涼しげに聞こえるから季節の移りは
早い。カツラ谷は数mの高さの滝も懸け、名前にそぐわず険しい谷だ。急峻な山肌をへつ
る部分もあるので、周囲に見とれて足元がおろそかになると危ない。

カツラの大木。モデルと比べてください

 案内板が立つ谷間の少し開けたあたりまで来ると、谷も少し穏やかになる。登山道横に
は炭焼窯跡が残る。中央に大きな桂の木。ヤマシャクヤクには大き目のパチンコ玉くらい
の花芽が見える。同じくらいの大きさなのに拙宅のはまだ蕾をつけない。大きさは同じで
も経ている年数が違うのかもしれない。(笑)

カツラ谷へ合流する支谷

 このカツラ谷を巡る道は結構距離がある。前回もなかなかふれあいの里に着かなかった
思いがよみがえる。マツタケ研究林の看板は覚えている。ここまで来るともう少しだ。あ
れから山抜けがあってカツラ谷は通行止めだったというが、今は迂回路も出来て大丈夫。
但しこの迂回路、山腹をかなり登って降りなければならない。旧道も問題なく通れるので
もう誰も使わず、いずれ自然に帰るだろう。(笑)見たところ大した土砂崩れでもなく、
なにか税金の無駄使いのような気がしたのである。

ふれあいの里の取付き

 子供の声も混じる人声がしてきた。ふれあいの里の敷地内に入ったようだ。カツラ谷の
案内板があるがすこし判り難いかな?まもなくふれあいの里の駐車場。車を回収に行った
Mさん、Hさんを待って後、「てんくう」で一っ風呂。露天風呂は混んでいるそうなので
内湯だったのは少し物足らぬ。(笑) が、東屋でのビールは美味かった。しかもSさん
に試飲させてもらったのがフルーティで、新旭の濁り酒「杣の天狗」まで買ってしまった。
その後は小宴会。明日が会社でなければ一泊しそうな雲行きだが、そうも行かず遅くなっ
てもまずいので1時間ほどだべって切り上げる。

 名うての湖西バイパスもそれほど混まずに8時前には自宅へ戻る。皆さんありがとうご
ざいました。



【タイムチャート】
7:00千里中央駅ローソン前(集合地)
8:50〜9:30林道通行止ゲート
10:00望岳所
10:02〜10:03山荘、入山ポスト
10:15登山口
10:29猪馬場
10:37〜10:40新大野中継所
11:35791m標高点ピーク
11:48天狗の森
11:52〜11:54蛇谷ヶ峰西峰(Ca880m)
12:05〜12:50蛇谷ヶ峰(901.7m 二等三角点(昼食))
13:05ふれあいの里、カツラ谷分岐
13:40カツラ谷
この間、うろうろ
15:35いきものふれあいの里


■同行: あかげらさん、裏人さん、北山さん、幸さん、スナフキンさん、ハム太郎さん
     水谷さん、もぐさん、yukinkoさん


蛇谷ヶ峰のデータ
【所在地】滋賀県高島市(旧朽木村)
【標高】901.7m(二等三角点)
【備考】 比良山脈の最北に位置する名山です。高島町側に蛇谷が
あり、その名を冠されましたが、朽木村では「オグラス」
と呼ばれ、全山ほぼ雑木の山で、新緑や黄葉の時期が最
高です。登山路は高島町畑、桑野橋、いきものふれあい
の里、想い出の森などからがありますが、想い出の森に
朽木村の温泉施設「てんくう」があり、ここから登る人
が大半です。
■近畿百名山■関西百名山
【参考】2.5万図『北小松』



蛇谷ヶ峰本峰から西峰。右端に比良の最高峰武奈ヶ岳が見える

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