泉山〜爽秋満喫の美作路 |
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広島で活躍されているOさんの音頭で登る泉山。美作三湯の一つ、奥津温泉の近くに聳 える一等三角点の山だ。思えば岡山の山にはあまりお邪魔したことがない。指折り数える 必要もないくらいで、せいぜい那岐山、和気アルプスくらいだ。予報もいい天気だという し愉しみだ。 朝5時に布団を出る。外はまだ街灯が点っている。いつか秋分の日も過ぎて、夜の方が 長くなっているのだと実感する。6時、最寄のセブンイレブンで食料を調達していざ出発。 順調に中国道を西下。所々、霧が濃い。ここでも秋を実感する。 スピードで時間調整をしながら院庄ICを出たのは8時10分過ぎくらいか。後は地道 を北上するのみ。使ったR179は信号はないし道はいいし、非常に走り易い道で、20 分と少しでもう集合地の奥津温泉の道の駅である。 すでにOさんファミリーとGさんの顔がある。Oさんファミリーは前日着で登山口で幕 営したのだとか。道理で...。(笑) Gさんに実家で収穫した栗をもらったりなどし ている内に、三々五々、今日の参加メンバが集まってくる。OAPさんらの顔もあって、 久しぶりにご尊顔を拝すメンバも多い。 簡単な挨拶の後、出発。アプローチに使う広域林道は国道並みの舗装路で、笠菅峠まで は10分程度で着いてしまう。峠には数台程度駐車できる空き地があるが、登山道でもあ るダート林道も車で入ることが出来るというので、更に500mほど奥に入った登山口前 の小さな広場に車を駐めることにした。
大きな案内標識があり、登山用の杖も幾本か立てかけてあり、林道から少し斜面を登る と緩い登り道が若い桧林の中に付けられている。展望は全くないが、所々にリンドウが咲 き、アキノキリンソウの黄色い花やシラヤマギクらしい白い菊が目立つ。道の駅へ向かう 時、路傍の温度表示は13℃だったからもっと寒いのかと思いきや、風もなく少し暑い。 長袖シャツをザックに片付けることにした。 しばらく単調な登りが続き、やがて左にほぼ直角に折れて、トラバース気味の道は右側 が植林、左が雑木のササの繁る中の一間幅もある遊歩道。そのうちにようやく左の雑木の 向こうが開けて、周囲の景観が広がってくる。ほぼ水平の道が続き、その先にあるCa1,0 90mの小さなピークの突端には露岩が埋まっていて、その上はテラスに似て西の展望が 良く、小休止には最適な場所だ。何重にも重なった山並みの奥のデーンと目立つ山塊は那 岐山である。
ほど下った鞍部から登り返す。まもなく中国電力の反射板が右手に現れる。この辺りから はクマザサの原だ。何となく深山の南のピークにも似た感じがする。 1,112mピークの西にあるCa1,110mピークの南側が笹を刈ったシンボル『泉山』 がある場所。ササの鞍部へ下って、ロープの用意された劇登りをしばらく登り返した中間 地点がそのビューポイントである。(冒頭の画像) 上がりきってしまうと残念ながら木に 邪魔されて視界から消えてしまうのだ。このロープ場の急登をHちゃん、自力で制覇。ほ んのこの前までは疲れるとOさんの背負子で寝ていたことを思えば、子供の成長はほんと に早いもんだ。
ロープ場を越えるとCa1,170mの前山。シシウドの白い線香花火、コマユミの赤紫 の鈴なりの実などを眺めて、ゆっくりと山頂直下の最後の登りにかかる。すぐそこに山頂 が見えているけれど、思いがけずなかなかハードで息が切れる。よっこらせっと最後の一 歩。フーッと一息ついてクマザサ原を切り開いたような芝生の山頂に立つと、バッと眼前 に広がる大展望。山名板の立つ岩の上に立てば北から西が広がり、播但・因美国境の山々。 まずは那岐山、その左の肩から後山、三室山そして兵庫県の最高峰の氷ノ山の姿が霞む。 そして地元の方に教えてもらった花知ヶ仙や角ヶ仙。ほとんど高低差のない恩原高原が広 がる。扇ノ山なども見えているのだろうがどれがどれやら。(笑) 眼下には人形峠を抜け て倉吉へと延びるR179を走る蟻の様に小さい車。北西方向には烏ヶ山の左に雲の中の 大山らしい山影。南には奥津湖や津山市街。更に遠く小豆島らしいうっすらとした島影に は驚いた。
本によれば、片道3、40分程度だという。泉山へ来たらこの稜線を歩かない手はない。 が、OさんたちはH君がいるので下山するそう。「足」は峠の登山口なので、往路と違う コースを採るとなると大神宮原からでも5kmは車道歩きを余儀なくされる為、ピストン でもいいやと思っていたが、幸いOAPさんがOさんファミリーと一緒に下山して足を確 保してくれるという朗報。他の方々も井水山まで行くということでこれに甘えることにし た。(有難うございました。助かりました。)
記念撮影などして1持間ほどの大休止の後、Oさん達と別れて縦走組は西方向へ。しば らくは緩々とした下り。背の低い潅木とクマザサのなかの道は伐採も行き届き、よく手入 れされており、尾根筋からは両側の展望が楽しめて期待通りなかなかのもの。そんな中、 徐々に緩やかな山容をした中央峰が近づいてくる。
はこのコースを採ることになる。振り返ると泉山山頂に人影がある。ここから眺めると、 ちょっと富士山に似た形をしている。一方、笹原を進んだ前方にある井水山は少し頭をか しげた姿である。 『よぼし岩』から養野への道を過ごし、再び笹原の中に踏み跡の白い筋。中林の滝コー スの分岐の道標を見て、次の小ピークの登りから振り返れば、斜面を降りてくるMXFさ んの小さい姿がある。柔らかい陽光に周囲の笹が光る。 小ピークを下った鞍部からやや左に逸れて、津山高校山岳部の避難小屋が建つ。覗いて きたTQFさんによれば、新しくて中もなかなか小奇麗なんだそうだ。再び登りにかかる。 ここもすべて笹原だが、尾根筋はコナラやドウダンツツジ、もう赤みを帯びたウリハダカ エデなどの潅木帯である。もう少し秋が進めば、また格別な風情であろう。 さて、もう一登りして井水山の狭い山頂に出る。ここも泉山に劣らぬなかなかの展望で、 それを示すかのように西側の展望を描いた古い風景図が低木に立てかけてある。ここから 南はもう高い山は無く、眼下には鏡野町や津山市の市街地や耕作地が広がるのみ。往路で 通り過ぎた奥津湖の水面も山蔭に静まっている。 あまり時間を取るとOAPさんたちに悪い。10分ほど展望を楽しんで中央峰に引き返 す。尚、井水山へは香々美から上がってくる道がある。おりしも単独おじさんがやってこ られたところである。 井水山より50mは高いので、中央峰への登り返しが存外きつい。少々、顎を出しなが ら途中で立ち止まったりなどして、フウフウ云いつつもようやく戻ってくる。その頂から 眺めれば、井水山までの笹原に陽が当たり、葉が白く光ってなんともいえない風情。これ が月光だったら、さぞかし幻想的なんだろうなぁ。
大山の姿が先刻よりはっきりし始めたので、山陰方面が故郷というMXFさんはいつま でも見飽きないという風情。無線でもう登山口だというOAPさん。さてこちらも大神宮 原に向かっての下降に移ろうか。のっけから劇斜面のロープ場。ロープは延々50mは張 られているだろう。粘土質の土に、露出した木の根がまあよく滑る。おまけに浮石。ロー プにすがると振られて余計に危うい。何度も石車に乗って尻を着きかける小生。立ち木に 支えてもらって下るが、このルートは登りに使っても下りに使っても遠慮申したい嫌なル ートだ。が、ようやくそれも収まって行き止まりのような場所に出ると、テープの指示で 今度は右に方向を変えて、一転、クマザサ原の斜面下りになる。
い。まあ、あまり好きくないコースだなあ。(笑) 杉、桧の細い林の中の単調な下りを小一時間も我慢すると、ようやく伐採地。作業林道 が眼下に見えてくる。右に明瞭な踏み跡があるがこれは作業道で無視。テープに従って直 下降だ。やがて鉄のゲートが現れて、何かの建物跡に飛び出した。こんな場所に何が建っ ていたのだろうか、コンクリートの基礎だけが残っている。その建物跡を右に折れると建 物へのアプローチででもあったのか一間幅の道に出て、真っ直ぐ降りていけば、作業林道 との合流点に出、車の横でOAPさんが待ちくたびれた様子である。
の車で下山口に取って返し、全員をピックアップして道の駅へ戻る。ここで再会を約して 今日のオフは解散。小生は道の駅をうろついた後、翌日、森林公園を散策するというKさ んらと別れて、折角なので奥津温泉に寄っていく事にする。 美作三湯のうち、奥津温泉だけが未踏?だったのだ。最初に目についたのが『花美人の 里』という日帰り温泉。料金900円也。一寸高いなと感じたが、いつもの如く「まあ、 えっかあ」。帰宅してチェックすると、もう少し奥まで行けば奥津の温泉街(といっても 旅館は数軒とのことだが)で、一般の旅館でも内湯に、しかも懸け流しの湯に入らせても らえたらしい。且つお安く。「失敗したア!」もっと事前に予習しとくべきだったが後の 祭り。とはいえ、さらっとした湯は心地よかった。奥津温泉は美作三湯の中でも最も小規 模だけれども、まだ湯治場の趣が残る鄙びた好感の持てる温泉であった。 すっきり気分で車は東へ。いつもの渋滞は20km。抜けるのに1時間という。ならば と舞鶴道に渋滞を避けて三田西で降り、結局3時間ほどで帰宅できた。 好天、久々にお会いする皆さんと歩けて、満足満足。こんな機会を作ってくれたOさん ファミリーに感謝。またGさんからはクリまで頂き、翌日、早速湯掻いて食す。往復40 0km、美作路を快走し、秋満喫の一日でした。 ■同行: 大加茂さんファミリー、呉春さん、研さん、竹田さん親子、東条さん、 山本さん、MXFさん、OAPさん、TQFさん(五十音順)
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