知明山〜早春の里山公園散歩

森の広場付近から眺める知明山
平成21年 3月15日(日)
【天候】晴れ
【同行】単独


 何年ぶりだろうか。昔、三女が小さい頃、まだ自然観察の森が整備される前からよくこ
こへ来たものだ。当時はまだあまり知られておらず、来る人もまばらで穴場といった風情。
森の広場の上にある水路で、夏などよく遊ばせたものだ。当時、初夏だったように思うが、
知明山の南尾根を山頂目指して登ったことがある。クモの巣が一杯で、ツツジやシダのち
ょっと酸っぱいような匂いがムンムンしていたような記憶がある。そんなことで、上天気
なのに出かけそびれた日曜、久しぶりに散策しに来たわけである。

 途中でリュックを忘れたことに気づいて、10キロほど走った後に引き返すというよう
なポカをして、到着したのは2時半くらい。丘の駐車場は満杯で湖畔の駐車場へ廻る。お
りよく1台のセダンが出て行ったので待つことなく車をとめる。いまだに駐車が無料とは
ありがたい。

 ポカポカとあたたかい。キラキラと陽光を閃かせる湖面。と今年初めてウグイスの声だ。
まだホーホケキョとは行かぬがなかなかの美声の持ち主とみた。(笑) すると今度はシジ
ュウカラの声が林の上から降ってくる。ところで今日は4年前と同じく一庫公園を大きく
一巡りする予定。直接、出会いの谷の一本階段で森の広場には行かずに階段途中で森の小
道の回廊を巡る。あれ?もうヒサカキの花独特のガス臭。臭いという人も入るけれど、こ
れを嗅がないと北摂の春という感じがしないのだ。(笑) 見れば黒い花がびっしりと枝に
ついている。アセビも咲いていて、そういえばもう3月半ば。陽春間近を感じさせる林の
中だ。
ヒサカキ匂う明るい森の小道

 森の広場では多くの家族連れが犬の散歩やボール遊びなどに興じている。そういえばこ
こでバドミントンなどをしたっけ。もう忘れてしまいましたねえ。ネイチャーセンター前
には黄色い花が満開。サンシュユ。そして良く見ればジンチョウゲに似たボールのような
白い花の固まりはミツマタである。

 丘の駐車場の前を過ぎて沢の休憩所から岩場の休憩所へと巡る。キャノピーが頭上高く
にある。この辺りは多田銀銅山があった所。間歩と呼ばれる採掘穴が所々にあるのだと説
明板。この近くには千軒と呼ばれる地名もあるが、鉱山関係者の暮らす場所だったのかも
しれない。

 途中の岩場の休憩所へのショートカットの道は土砂崩れで通行止めになっている。この
辺りまで来る散策者はほとんどおらず静かなもの。岩場の休憩所からは標高差130m位
の急登。登るにつれて背後の高代寺山が大きく目立ってくる。右手に境界のフェンスが現
れてくれば山頂はすぐ。この辺りにも間歩の入口がぽっかり口を開けている。

 山頂の四等三角点にタッチして知明山の長い南尾根を遊歩道で降りる。途中に木製の見
晴台があって、いつもここでおやつなぞを食べるのだが、今日はホットコーヒーとバナナ、
オレンジ。双眼鏡を持参したので、日生中央の家並や中山連山や城山、六甲などを眺める。

 ネイチャーセンターに少し寄ってみよう。大きなヤマオヤジ(台場クヌギ)が展示して
ある。この辺りは昔から池田炭の産地。公園内にも炭焼き窯跡が点々とあって、コナラや
クヌギの木も多い。他には公園内で捕獲されたクワガタの越冬姿、ウスタビガの繭も展示
してある。アオバトやヤマガラなどの野鳥の剥製も見られて面白い。鹿の頭骨も置かれて
いたが、昔はそこらじゅうに転がっていた鹿の糞がほとんど見られなかったのは、駆除さ
れた結果なのか、どうだろう。

 センターを出て戻りかけると公園のスピーカが鳴る。あらもう4時半。丘の駐車場は5
時で閉鎖なのだという。出会いの谷の階段では母子がジャンケンで遊んでいる。
「グリコ」「パイナップル...」
昔、良くやりましたなあ。ブラッと出かけた一庫公園での風景でした。


公園で見かけた花々
ミツマタ

サンシュユ

タチツボスミレ



【タイムチャート】
計測していません



知明山のデータ
【所在地】兵庫県川西市
【標高】349.2m (四等三角点)
【備考】 典型的な里山ですが、兵庫県立一庫公園の山のゾーンと
して整備され、高低差130m、総延長2.5qの自然
観察路では気軽に雑木林の散歩が楽しめます。また、こ
の付近は多田銀山の主要な鉱脈があった所で、現在も採
掘坑(間歩)の跡が至る所に見られます。
【参考】2.5万図『広根』



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