娘と行くお手軽中山連山 |
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水曜の夜だったか、パソコン触ってると、こそっと入ってきたのは究極のパラサイト、 長女A。また変なせびりかあ? 「な、な、なんや?」 思わず声が震える。 「土曜、山行くん?」 「行ってもええけど、なんでや?」 「ひまやから...。あんまりしんどくないとこ」 「...。」 しんどくない山なんてないのだがねぇ。 かくて2回目のAとの山行が決まったのだった。 そうなると行き先であるが、本来は高御位山何ぞが初心者には面白かろうと、少し足を 伸ばしたいところではある。が、世の中はあげて緊縮財政。ご他聞に漏れず、私も左記に 同じ。そして何より今夜はSRCの忘年会でそれに遅れるわけにも行かない。というわけ で、かねて考えていた中山縦走路へ連れて行くことににする。 さて土曜前夜。夜遅くまで帰ってこないのでこりゃハッタリかなと思っていたら、電話 がかかってきた。明日は何時に家を出るかという問いに「8時くらいには....。」ならば 7時には起きるからと電話の向こうの声はいう。本気で行く気かいな....。(^^; 当日朝。用意があるので6時半頃に起床し、トーストを頬張っていたら本当に起きてき た。(おお。やっぱり本気か) 8時半過ぎに家を出る。コンビニでカップ麺等を仕入れて、ゆっくりと中山駅前へ。コ インパーキングへ車をとめて地下道を潜ってまずは中山寺へ。塔頭の並ぶ参道では露店も まだ準備中なのだが、早くも前を七五三の親子が歩いていく。そういえばここは我が家の 七五三の寺。長女もここで千歳飴を貰ったのであるが本人は全く覚えてはいないであろう。 エスカレータのあるのに驚き、古墳の羨道がぽっかり空いているのに不思議がりという感 じ。伽藍も新しく建って少し様変わりした感じがする。 閉まったままの信徒会館の横を抜け、墓地から奥の院へ向う。中山も色々経路はあるけ れど、今回はオーソドックスコースを採る。中山寺→夫婦岩園地→奥の院→中山最高峰→ 満願寺西山→痩せ尾根→峠→最明寺滝→阪急山本駅である。距離は8km位だろうか。中 山は非常にポピュラーだが、初心者向きのなかなかいいコースヶ多いと思う。展望、雑木 尾根、ザレ岩登降とバラエティ豊富。しかも少し霞みはあるものの視界も良さそうだ。
奥の院の参道尾根道はいい道。松、アセビ、ソヨゴの冬のくすんだ緑が目立つ。落葉樹 のほとんどは勿論もう葉を落としている。クヌギだけが茶色の枯れ葉を名残惜しげに梢に 絡ませているのみである。おかげで道はフカフカの落ち葉道である。その分、坂では滑る のだけれど...。 千差万別の丁石仏の顔を眺めながら歩き始めて30分くらいで夫婦岩公園に着く。幾組 かのハイカーがもう休憩中で景色を眺めている。振り返れば金剛生駒の向こうに音羽や台 高の山々。甲山から六甲、阪神間の市街地が一望である。こちらもザック下ろし少し休憩。 水分補給だ。 参道に戻り、中山最高峰への道を右に過ごして奥の院へ。やや暗い感じの山道になるが、 聖徳太子の修行跡といわれる水場や、直垂姿?の貴族の線刻がされた岩を見物しながら、 右に折れていくと奥の院の建物が見えてくる。今日も大悲水を汲む人やハイカーが2、3 いるが静かなもの、と思ったら上から賑やかな声が降ってきた。中山最高峰方面から初老 の男女十数人のパーティである。それと入れ違いにこちらは最高峰への山道。 静かなものでシジュウカラかヤマガラか知らぬが小鳥の声のみである。明るい青空で風 もなく、軽い風邪で少し芳しくなかった体調も徐々に戻ってきた感じがする。夫婦岩から の道や天宮塚からの道を過ごすと東屋だ。ご夫婦ハイカーがその先の展望地でエアリア片 手に展望を楽しんでいる。その横を抜けて中山最高峰への道に出る。無粋な薄緑のフェン ス沿いにしばらく北へ辿る。 中山最高峰にも数人のハイカー。はや食事中の人、十万辻へ向う人。いろいろだ。三角 点にタッチする。ありゃ、角が大きく欠けているではないか。(誰や?わが御神体を(ーー#) 相変わらずの展望でゴルフ場の向こうに大峰山や大船山、羽束山、妙見山などが居並ぶ。 かずかずお世話になった北摂の山々だ。 まだ少し早いのでもう少し歩いてから食事することにして、5分ほど休憩した後、いよ いよ中山縦走路へ入る。それにしてもいつもここで方向を間違うのはどうした事だろう。 右へ行こうとしたらそっちは中山駅方面。自分が北を向いているとばっかり思っているか らであろう。左、満願寺の道標にキツネに摘ままれた感じ。しかしすぐに東向きの道にな る。 は相変わらずのフェンス。ゴルフ場が近づいてくると北側にもフェンスが現れる。しかし ながらそれを除けば雑木林なので気分がいい。鉄塔を過ぎてアップダウンの痩せ尾根で食 事とする。ここはゴルフ場や妙見山、高代寺山をはじめとする能勢や箕面の連山。南は六 甲や瀬戸内海。そして伊丹飛行場の滑走路の真北にあたるので上昇する飛行機が良く見え る。蛇行するのは武庫川で、阪神競馬場も眺められる絶景地である。そんな景色を眺めな がらの昼食は贅沢だ。長女は双眼鏡であちこち覗いて「あ?ゴルファー」なぞと喜んでい た。
コシダ、ウラジロが繁る尾根は存外なアップダウンを繰り返しながら徐々に高度を下げて いく。そしてこのコースのハイライトはなんといっても最後のガレ場の登降であろう。満 願寺西山を越えると鉄塔が幾つか立つ尾根で、以前、山火事が猛威を振るったところであ る。炭化した木々がまだ見出せるが、知らないとそのまま通り過ぎてしまうほど、雑木が 成長してきている。 また現れた鉄塔横から難所のガレ場。ザレているから非常に滑りやすい。適当に斜め、 横と歩き易い部分を選りながらの下りだ。長女はと見ると、ヒーヒー云いつつ結構楽しん でいる様子である。この下りも標高差は40mくらいだろうか。腰を落として三点確保を 指示したりして、最後の岩を滑り降りて満願寺と平井を結ぶ峠に立つ。
なんとか無事に下りて来れました。(^^; 道脇を小さな沢が徐々に流れを作り始める。 堰堤横を階段で下って、岩の間の案外綺麗な流れを見ながら行くと最明寺川との合流点に ある辰巳橋。折角なので最明寺滝を眺めに行く事にする。 左の谷沿いに3分くらいか。線香の匂いが漂ってくる。一人の小母さんが箒で掃除する 他には誰もいない。挨拶して滝の前へ。岩崖から10mくらいの細い滝が一筋。岩の隙間 に不動明王が祀られている。淵沿いの柵は韓国の人々の名がある。韓国の人が仏教とは面 白いが、そういえば辰巳橋の山門は何だか異国風な造りなのである。
車の中でも、そうして帰宅するやすぐ昼寝していたけれど、さあ、次もまた行くと言うで あろうか。これは見もの、聞きものだわい。と鷹揚に構えつつ「どやった?」とこそっと 聞いてみますか。
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