昼下がりから行く展望の深山山歩 |
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今週末は少〜し山はお休みしようと行先物色など何の準備もせずにいた。ウェザーニュ ーズの日曜の日中の予報も13時から雨模様ということなのでのんびりしていたら、薄日 も射しており、なんだか少し降り出しが遅いらしい。それならこの季節恒例のツクシの出 具合も確めがてら、久しぶりに北摂の山々でも眺めるかと、少し早めの昼飯食って準備す る。といっても持っていくのはお茶と、自家製の夏みかん半分くらい。靴も運動靴。地図 もコンパスも何も持っていかない体たらくで、あんまり褒められたことではありません。 そのツクシの方はといえば去年はこの時期もう収穫していたのに比べて、今年はここ最 近暖かい日が続いたとはいえ、やはりまだまだ。幾つかが顔を出したばかりというやつ。 去年が異例に早すぎたのだ。調べたら一昨年はやっぱり4月初旬に収穫しているのであっ た。 さて、ツクシの方はまた今度と早々と諦めて深山に向かうことにしよう。深山は国土交 通省のレーダー雨量観測所の取付道路(これは山頂の深山宮の参道も兼ねているのだが) を使えば15分程度で登れるが、いくら昼からの散歩とはいえこれでは物足りない。そこ でるり渓ゴルフクラブ横の正規コースを登ることにする。山頂まで片道3km、1時間弱 の行程である。
るり渓牧場には子供を連れて1、2度来たことがあるが、数年前に閉鎖されて以来、そ の当時の鳥舎などが敷地に放置されてまま。虎ロープで閉鎖されていた府道沿いの小広場 もロープが緩んで地面に半分埋もれ加減なので、駐車場代わりに使わせてもらう。 このコースは数年前に一度歩いた記憶があるが、その時よりも格段に整備されている。 真新しい道標が要所に立ち、立ち木はつい最近整理されたらしく、切り口は新しく、木屑 まで残っている有様である。そして何よりも道幅が2m近くあってこれはもう林道と呼ん でもおかしくないのではないか。ついつい、幾らなんでもここまでしなくてもと思ってし まう。(^^;
始めはゴルフ場の外周に沿っての道だ。ゴルファーの話し声が間近。それもそのはず、 目の粗い鹿避けネットの向こうがすぐティーグラウンドなのだ。ボールが飛んで来はしな いかとやや不安な面持ちで、滑りやすい斜面を少し登ると標高641mの小さな標高点ピ ーク、道は北方向に直角に曲がる。この辺りからは深山の最高峰は702mピークの向こ う側で見えず、たおやかにクマザサに覆われたCa770mピークの頭のアンテナ施設と人 が屈んだ姿に似たツゲの木が小さく黒々と見えるのみ。幅30cmくらいの小さな流れが ある落ち葉に覆われたカール状の地形を左手に、ゴルフ場の外周から徐々に離れて緩斜面 を登っていくと、ポツンポツンとあるコンクリート標識には『能勢』の文字。掃雲峰にも あったけれど、ここも能勢電の私有地みたいだ。松林の間を登って最初のピークだ。
ゴルフ場近くは枯れていたクマザサが標高が上がるとまだ健在。左手直下に瑠璃渓と国 道を結ぶ府道が小さく見える。右手にはるり渓温泉の建物や、ゴルフ場のクラブハウスも 広がり始め、北摂一と云ってもいい雄大な景観である。アンテナ施設のあるCa770mピ ークの南隣にあるほぼ同じ高さのピークに立つと、ようやく深山の白亜のレーダー雨量観 測所が視界に入る。もう大した登りもなくなだらかな笹原を進むのみである。 Ca770mピークを越え、レーダー雨量観測所への取付け道と合流する。幅3mくらい のコンクリ道だ。それを辿っていつもはラジコン機を飛ばすマニアも今日はなぜか一人も 居ない山頂へ着くと、待ってましたとばかりにパラパラと雨粒。雲行きは些か怪しいが、 まだ本降りまではまだ間がありそうだ。深山宮の周りをぐるりと一巡りする。笹原なので 展望は全方位。北摂、丹波の山々がずらりなのだが、度々紹介しているので詳細は省略。 要は誰もいない山頂でそれらを独り占めしている図である。それでは山頂の石に彫られて いた句を一つ紹介しよう。 『見晴るかす 二府一県や 天高し』 治人 |
笹原に快適道が続く深山高原(深山(左)とCa770mピーク) |
15分くらいは眺めていただろうか。風が強まって時折当たる雨粒がやや痛いほどにな ってきた。そろそろ下山にかかろう。険しい部分もない高原状のなだらかな山容なので下 りは早い。松の枝が風に揺れてザワザワと音を立てる。急ぎ足でゴルフ場近くに戻ってく ると、グリーン上にゴルファーの姿は見えなかったが、どこかでカキーン、クラブか何か の音がした。 登山口付近にあるアセビのつぼ型の花が風に揺れている。デジカメに上手く収まるだろ うか。3週間ほど前は雪に埋もれていたという深山。フラッと行くお手軽展望の山は春を 待ちかねているようでした。
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