三尾山〜久々に初冬の丹波

春日町松森ふきんから三尾山
平成20年12月20日(土)
【天候】晴
【同行】単独


 本当は土曜に山へ行く方が、翌日が日曜だから格段に楽なのだけれど....。近頃、どう
もその土曜に山へ行くほどテンションが上がらない。なぜといって兎に角、土曜の朝はう
とうとと惰眠を貪りたいのだ。

 エイヤッ!と気合を入れて土曜に山へ行くには前日以前に行き先と事前準備をしておく
事が必須条件である。これが抜けると当日は行き先も決まらず悶々と時間だけが虚しく過
ぎてしまう。あげくにお決まりの「日曜でもいいや」とあいなるのだけれど、その肝腎の
日曜、雨でも降ろうものなら大いに後悔する破目になるのだ。

 この週末もそんな展開。日曜は雨の予報。しかし、行き先が決まっていず、あれこれ考
えても知恵は出ない。折角6時には布団を離れていたのに気がついたら10時を廻ってい
る。そんな時、頭の隅に浮かんだのが丹波の三尾山。あれこれぐだぐだ考えても仕方がな
い。ま、とりあえず出かけてみよう。ところが、出かけたはいいが、山靴を忘れたことに
気づく。引き返すのにまた時間を空転させてしまった。嗚呼!

 春日ICを出たのはもう11時半前後だろう。県道を南に入って、目に付いた三尾城登
山口の案内。スイッと右折し一車線の舗装路を進んで舞鶴道の高架下。そうそう、始めて
来た時も高架下を潜ったよなあ。舗装路は続くが左手に駐車広場があったので車を止める。
でも待てよ。なんだかちょっと雰囲気が違うような...。 (^^;

 「フーム、やっぱ、違うよなあ」初回の時は路肩に止めたのではなかったか....。でも
近畿自然歩道の道標(三尾山3.5km、佐仲峠2.6km)もあるし。。。。。いつもの如く
「まあ、ええか」

 とはいうものの、気になるので地図を出す。するとどうも佐仲峠への林道を歩いている
ことがわかってきた。三尾山登山口バス停の一つ手前のバス停「東中」から右折してしま
ったらしい。実は最初の目論見としては初回と同じく正面道から登りたかったのである。
とはいえ時間はもうお昼前で11時40分を過ぎている。仕切りなおせばまた遅れること
もあってそちらに廻る気力はとっくに失せている。またまた常套句の「まあ、ええか」が
口をつく。

 駐車場から更に上まで舗装車道が延びている。もっとも、直径5寸くらいのヒノキが倒
れて道をふさいでいるが。(笑) 初めて登ったあの頃はここを下って来たのだった。あれ
から以降、改修されて道幅が広くなったらしい。それもそのはず、あれからもう10年だ
もの。あの頃は春爛漫でモチツツジやシュンランなども花を付けていたのを覚えているけ
れど、これだけ道を広げられるとどうだろうか。

 桧林をジグザグに登っていくと東屋の地点。佐仲峠1.6km、三尾山2.5kmとある
から1kmほど登ってきたことになる。前方の御椀を伏せたような山は黒頭峰だろう。こ
の辺りから桧林が影を潜めていつしか雑木林。鳥の鳴き声と微かな沢音のみの静けさだ。

 カーブ地点だけが舗装された林道は徐々に高度を上げ、それがU字型にえぐれた水平道
になると佐仲峠だ。駐車場からほぼ1時間の行程である。茶店があってもおかしくない雰
囲気で落ち葉に埋もれた中に石地蔵。文政年間というからざっと200年前のものだ。シ
キミが供えてあるから今でも信仰が篤いようだ。

佐仲峠風景。右に石仏

佐仲峠付近は明るい雑木の林

 ここから南に向うと黒頭峰への登山道で北へ向うと三尾山。その三尾山へは落ち葉の敷
き詰められた小さな平地。道は少しわかりにくいが、良く見れば落ち葉の中に擬木の階段
が埋もれている。奥を左に曲れば明快な道が現れ、徐々に胸突き八丁の厳しい登りになっ
ていく。ツツジなどの雑木の枝が少し張り出してうるさいが、登るうちに周囲が広がって
くる。鏡峠の分岐まで来ると、そこは尾根。左に折れると小さなピーク。それを越して最
高峰への登路を進むと、一寸した展望岩に出る。尖った峰は三尾山の東峰。その向こうに
鋸山へと続く尾根。その遠く先に三岳が西ヶ岳を従えてどっしりと座っている。

登山道途中から東峰。右奥の一際大きな山塊が三岳

 ぽっかりと空間が広がると芝生の広場に三尾城址の立派な石柱がある最高峰だ。相変わ
らずの大展望はどこから敵が攻めて来ても姿を隠せない。西に千ヶ峰、篠ヶ峰。南に白髪
岳、松尾山。北に妙高山、粟鹿山。東南には大野山や深山といった北摂の山々まで見渡せ
て気持ちがいい。麓の廃品回収の声、高速道の車の騒音がザワザワと上がって来るのは流
石に里山だ。ポカポカ、ウラウラ、日溜りは暖かい。春と間違えたか小さなアブが飛んで
きた。ここで遅い昼食。
三尾山山頂。向こうに三嶽や西ヶ岳が並ぶ

 北に向かう。郭の跡だろうか。林の斜面に段差が残っている。鞍部からトラバースする
道。左に中三尾と書かれた道標がある。人一人歩ける狭い踏み跡を登っても雑木の繁る西
峰に展望はない。しかし途中に絶壁を見渡せる場所がある。あれ?何時の間にやら帽子が
なくなっている。途中で雑木に引っ掛けられたようだ。捜すのにいささかウロウロする。
やっと見つけて西峰から下りて東峰へ向う。鞍部の狭い平地には右から正面道が上がって
くる。今日、登りに使おうと思っていた道だ。

 東峰へは少々の登り。前方に木々がなくなると東峰の山頂で、「小さな愛情 恋せよ若
者 愛せよ自然」兵庫登山会のお馴染みの標識がある。スパッと切れ落ちた北側直下には
舞鶴道。枯葉色の田圃の先には丹波の山々が広がる。その内の幾つかには足跡を印したは
ずだけれど、それにしても山また山である。

東峰からの展望。手前は舞鶴道

 正面道で下りるつもりがここでも手抜き。下りて舗装路をテクテクに嫌気がさしたのだ。
来た道を戻る事にする。でもこんなズボラな山行きもまた愉しからずやだなあ。久々の初
冬の丹波。ピストンのおかげで30分は節約できたようだ。帰りは地道でゆっくり帰りま
しょう。

【タイムチャート】
10:20自宅発
11:40〜11:48佐仲峠林道駐車場
12:30〜12:32佐仲峠
12:50鏡峠分岐
12:56〜13:42三尾山最高峰(586m)(昼食)
13:50〜13:56西峰(中三尾)(Ca550m)
14:02〜14:05東峰(前三尾)(Ca530m)
14:15三尾山最高峰(586m)
14:20鏡峠分岐
14:28佐仲峠
15:02佐仲峠林道駐車場



三尾山のデータ
【所在地】兵庫県丹波市(春日町)
【標高】586m
【備考】
西多紀アルプスの主峰で、三つの峰からなるので三尾山
の名付けられたようです。峨々たる山容をなし、晩春、
岩陰に咲くヒカゲツツジの名所でもあります。戦国時代
は山頂に山城が設けられ、今でも郭の跡などの名残が見
られます。麓の国領温泉は一軒宿ですが、日帰り入浴も
可能です。
【参考】2.5万図『宮田』



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