暑さ厳しき打見山から金糞峠 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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今日の山楽倶楽部の面々は方や大山、方や芦生の沢にと、まさに東奔西走、西に東に忙 しい。そんな中、こちらは比良のプチ縦走へ。当初は気軽に小女郎池でもフラフラと思っ ていたのだが、なぜか逆方向の打見山から金糞峠へ行くことに。がそこは痩せても枯れて も標高千m。涼しく快適に縦走できるだろうと高をくくっていたら、それがなんのなんの。 暑いわ、暑いわ。そして最後のほぼ650mの一気下りは堪えた。こんなヘロへロも比良 トピアの湯と大阪でのB級グルメでの打ち上げで雲散霧消。やっぱり生中は美味かったあ! 7:49 新大阪駅発、8:42 志賀駅着の湖西レジャー号に乗る。ええ?こんなに 混むの?超満員。山装備の中高年も多い。でもみんな何処へ行くの?志賀駅で降りたのは、 なんと我々だけだったのである。 バスは9:02の江若バス。土曜と休日だけ運行するバスだ。少し時間があるので駅前 のパパママストアで白熊アイスを買う。湖からの風に吹かれて食べるアイスは美味い。定 刻より少し遅れてバスが来る。途中、停車せず琵琶湖バレイまで15分だ。
アルプスゴンドラは秒速3.5m。伊吹山にあったものと同じような型式のもので、日 本では最も古いのだとか。これも早晩、新しく工事中のロープウェイに主役の座を譲るら しい。それに乗り、一気に標高千mへ。ところが中腹付近は猛烈なガスの中。志賀駅から 眺めた時も中腹以上はガスに覆われていたけれど、こんなに濃いものだとは。10m先も 見えぬほどの乳色の海に包まれ、そこを昇っていくのはいささか怖い感じもする。それも しばらくするとガス帯を抜け出たらしく、青空に白い雲が湧き、山頂駅の建物が見えるよ うになる。
にケルンらしきものが置かれている。その蓬莱山に向かうリフトに沿って下った鞍部から 『汁谷』に標識に従い右折する。ここもスキーのゲレンデらしい。ヨツバヒヨドリが咲い ており、沢山のアサギマダラが優雅に飛び回っている。前方には武奈ヶ岳が眺められるの だがこれが結構遠い。金糞峠はその近くだ。(あんな遠い所まで行くんかあ...。)直 射日光に炒られて、暑さでめげる我が心から早々と弱気の虫の声である。(^^;
汁谷のキャンプ場、ドングリハウス。この暑さに水1Lでは心もとない。ちょうど自販 機があったので、これ幸いとスポーツ飲料のペットボトルを1本購入しておく。この汁谷 には山頂からリフトが下ってきているので、良く考えればリフト沿いに直接来れたのを少 し大回りしたみたい。でもまあ、ええかぁ。(笑) 夫婦滝ハイキングの案内板を横目にしながら、キャンプ場沿いの山道には縦走路の標識 がある。やっと林の中に入れるなあ。大きなカーキ色のテントの横を登っていけば、すぐ に木戸峠に出た。石仏が4体。古色蒼然としているものの、比良修験道と彫られた昭和初 期のもので比較的新しいものである。縦走路を大峰の奥駈に模したものらしい。この先、 所々には石仏が置かれてあった。
ツツバキが咲く樹林帯を快適に進む。途中、浅い沢を左手にして、時折、現れる大きなブ ナ。なかなかいい雰囲気。惜しむらくは、琵琶湖バレイのスピーカーの声が良く響くこと である。(^^; ようやく傾斜が増してくると比良岳の登りである。比良岳のオフィシャル標識は1,05 1m標高点の東側に立てられているらしく、もう少し高い部分が左手に見えているが、こ の山には三角点もないのであえて踏み込むほどのこともない。そんな事よりとにかく暑い。 風がなく歩くと汗が吹き出てくる。用意してきた団扇全開で歩いてきたが、休んでいると 樹林下は意外に涼しい。気温自体は高くないようでスーッと汗が引くのは流石千m。水分 補給して再び縦走開始だ。 次のポイントは葛川越。比良岳から100mの下り。当たり前だけれど、下るに従って 前方の烏谷山がどんどん高くなる。折角稼いだ高度が勿体無い。ええ加減に鞍部に着いて くれと祈り始める頃、ようやく葛川越に着く。一見、立派な道が横切っているように見え るが、東西どちらも今は廃道らしい。明治時代には荷馬車が通れたというほどの道だった という事であるが、時代の変遷にはまことに激しいものがある。 さて、この葛川越から烏谷山への登りが、今日一番の厳しいポイントだったろうか。烏 谷山は意外に鋭い山容を示し、胸突き八丁といってもいいくらいのつま先上がりの斜面で ある。その分、振り返れば、打見山や蓬莱山、比良岳が手に取るようで、山頂近くの斜面 に座っていつまでも展望を楽しんでいたい、そんな気にさせる場所だ。
烏谷山の三角点は縦走路から少し外れている。目印のテープがあったので、縦走路を外 して少しブッシュを漕いだが、山頂から南に最短距離で踏み跡が付いており、下りはそれ を利用すると、ほんの20mほどで縦走路であった。(^^; 因みに山頂は小さな切開きで 展望は余りなく、お蔭でプレートもなく、三角点標石は欠けもない綺麗なものであった。 そろそろ食事時。現れた大岩の陰など風通しのいいところと探す内に、なんだかんだと 荒川越まで来てしまう。涼しい風が時折通り抜けるのでここで食事とする。
らしく荒れている。マムシグサがフワフワと風に揺れているのが印象的な峠である。 荒川峠からはしばらく植林の下。それを抜けると堂満岳のピラミダルな堂々たる姿が現 れる。坊村から奥の深谷経由で登って来る道と合わせて、100mも進めば南比良峠だ。 金糞峠まで45分。ここからは堂満岳の南面から西面をトラバースする。崖崩れの迂回路 を抜けると、シャクナゲとイワカガミ、イワウチワが蔽う尾根道はなかなか素晴らしい。
堂満岳へ登る東レ新道を合わせ、シロヤシオの古木が頭上を蔽う道を進むに従って、左 手に沢音が聞こえ始める。八雲ヶ原を源に奥の深谷へ流れる沢の音だ。右手から傾斜の深 い谷が上がってきて、前方に花崗岩の砕けた白いザレた斜面が見え始めると比良の交差点 金糞峠である。
下りる青ガレ道が最短の下山コース。堂満岳北麓を辿る標高差およそ650mの一気降り で、木々の間から眺められる琵琶湖は遥か下である。「落石多発につき迂回せよ」との地 元関係者からの注意書きがあるけれど、今回は御免。そんなことで、どんなすごい所なの かと思わせるが、存外それほどのことも無い。大小の石や岩がゴロゴロ積み重なった急斜 面はすこぶる歩き難いけれども、浮石に注意しながらゆっくり降りれば大丈夫。落石注意 箇所もこれくらいなら、他にもあったような...。(^^;
標高差で言えば200mも下ると、左手から綺麗な流れのある沢が合流してくる。ここ で小休止。冷たい水で顔を洗う。フーッ。生き返った思いである。 一旦、谷の左岸にいい道が続くが再び沢の中のようなゴロゴロ道に戻る。その先が青ガ レ。左手から神野山の鍋倉渓か甲斐駒の南麓の累々と大石の重なる沢の情景と良く似た石 の累積が現れる。ただ規模的には大したことはなさそうで、ロープの内を歩けば大丈夫だ ろう。堰堤の滝には木橋がかかり、そこから流れてくる非常に冷たい空気にまたまた蘇生 する思いである。 『隠れ滝』の札がぶら下がる。往復数分で見物できるらしいが、逸れて寄り道する気力 なし。今日はパス。やっぱりこの一気下りが堪えたものとみえる...。 (^^; 下るに従って、堰堤の作業道だったような道が現れ、大山口の手前にはパイプに導かれ た水場がある。地表に湧き出た水はすこぶる美味い。しかも非常に冷たく、ペットボトル に汲むとすぐボトルの側面が曇るほどだ。思わずガブガブと500ccくらい飲んだかも。 それほど甘露の水である。
大きくなる。左からダケ道が合流する三叉路が大山口である。ここまで来ればもう遊歩道。 次第に道も広くなり、やがてトイレのある広場に出る。ハイカーの車が10台ほど駐車し ていて、下山し一息入れている登山者の姿が多い。更に先へ、左手に比良管理事務所が見 える。なんと最近、クマの姿を目撃したので注意の張り紙があったのには驚いた。 舗装路はつらい。もう一息でイン谷口だ。と、売店前に一台のセダン。自販機でコーヒ ーを買っていたその持ち主が呼び止める。「乗っていきますか」という奇特な声。比良ト ピアまで行くつもりなのですがと答えると、「いいよ」の返事。地獄に仏とはこのことだ あ。(笑) 歩けば熱風炎天の舗装路を1時間近く歩かねばならないところを、ほんの10分足らず。 本当に助かりました。有難うございました。この場を借りて御礼申し上げます。m(_ _)m というわけで比良トピアで汗を流しすっきり。風呂上りには生ビール。やっぱり山、風 呂、ビールの三点セットはほんに最高である!この後、夕日にそよ風、早くも穂を出した 江州米のふるさとである水田の中をてくてく歩いて近江舞子駅へ出る。往路と異なってゆ っくり座って帰ることが出来たのはラッキーであった。そして仕上げは大阪梅田でのB級 グルメ。焼き鳥に生中。幾らでも飲みたいところだけれど、なんせアルコールに弱いもの だから、生中2杯に中瓶ビール1本で切り上げる。このあと、夜風に吹かれて帰路に着い た。思ったより厳しかったけれど本日も皆さん有難うございました。でも翌日、ちょっと しんどかったな...。山の所為か、酒の所為か?ム、ム、ム...。(^_-)
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